日程:2015/2/17-18(一泊二日)
イン谷口1042 - 大山口1107 - 北比良峠1238 - 八雲ヶ原1250 - イグルー製作開始1253 - 1352昼休憩1415 - イグルー製作終了1509 - 下山0900 - 北比良峠0920 - 大山口1010 - イン谷口1024
コースタイム:23h42min(休憩時間、宿泊を含む)
八雲ヶ原:約900m
距離:?
累積標高:?
天候:雨のち晴れのち雪
気温:?
湿度:?
目的:イグルー泊
単独行
仙台にて半額以下でスノーソーを手に入れてから、ボクのイグルー熱は止まらない。
最初は霊仙山で作ろうと思っていた。
しかし、イトーさんと日帰り山行してしまったし、平場の多い山頂付近は風が強すぎて積雪がないし、それなら四合目ってなると避難小屋があるのに、って思ってしまう。
伊吹も考えたが、一度も登った事がないので土地鑑がない。
そんな折に、比良での例会山行があった。ボクは参加して居なかったのだが、今年は雪が多いとの報告を受け、それじゃあ、比良でやろうではないかって、そんな気になった。
前日の天気予報。
1日目は、午前中雨。午後から曇り。気温は、山頂でも氷点下ではない。
2日目。曇りのち晴れ。山頂付近は、わずかに氷点下。
あまり望ましい天候ではないが、伸ばしてしまうと雪が腐ってしまう。
まあ、行くだけ行って、ダメなら引き返そう。雪崩れる可能性もあるから、尾根でのルートを決めた。
ってなると、土地鑑のある武奈ヶ岳。イグルーは八雲ヶ原。ルートはダケ道で上がり、武奈、堂満と巡って、東尾根で降りる。で決まった。って云うか、山行予定として報告した。実際は、状況によっては、青ガレを上っても良いかな、ルンゼを下っても良いかな、っても思っていた。
当日の天気予報。
1日目、2日目、共に雨。
雪なら良いけど、雨はなぁ、って思いながら、比良の駅を降りた。
トイレで水を汲み、改札を潜ると、お年を召した方が三名ほど佇んでいた。もしかして、噂に聞いた事がある「比良とぴあ」への無料送迎バスが来るんですかって、時刻表を見た。現在の時刻は10時3分。あと2分で来るらしい。そんじゃ、乗りましょかって乗り込む。帰りに寄りますからねって、イン谷を目指した。
イン谷口を越えた辺りから、チラホラと道端に雪が見受けられた。
トイレを越えた辺りから圧雪凍結により足を取られるようになる。
その歩き難さから、まだ早いかな、と思いながらもアイゼンを付けた。
計画通りに大山口からダケ道を辿る。
予報通りに降り続く小雨と、汗だくになる程の気温の高さと、聞いた通りの積雪の多さに、やはり谷筋は避けた。何度も云うが、雪山の単独行なんてもんは、臆病過ぎるくらいに臆病なのが丁度いい。二年前の凍傷ですら、未だ完治して居ないのだから。
ガレ場の雪の無さに、早まったかなって思った。音楽を鳴らしながら上っていても、岩を擦るアイゼンの不快感は消えない。
かといっても外すのも面倒で、なるべく雪のある辺りを歩いていった。
昼前とは云え、朝食が早かったのだから腹も減る。適当に休憩できそうな所があれば、其処で湯を沸かそうと思っていたのだが、なかなか丁度良さそうな所が見つからない。小休止して行動食を食べたりするうちに、北比良峠に着いて仕舞っていた。
ここまで来れば、八雲ヶ原は直ぐ。そこへと続く、ハッキリと刻まれた踏み跡を辿る。それでもこの暖かさからか、時には踏み固められた跡を踏み抜き、膝まで潜る。その先に、見慣れた八雲が原が広がっていた。
冬季でも、休日であればテントが建ち並ぶのだが、平日ゆえに人の気配はない。
踏み固められたテン場跡や立木の側を避けて、踏み跡のない雪面に足跡を刻んで行く。
イグルーを作る上で一番避けたいのは、糞尿の混じった雪を使う事。食事や飲水もイグルー内の雪を使うのだから当然だ。
だから人の跡がある所を避け、目標となる立木を外した。
先ずは、居住性を想定しながら踏み固め、大きさと形を象る。
それは、脚を軽く曲げて横になれる位の楕円形に決めた。
踏み固めた雪をスノーソーで刻み、スノーシャベルでブロック状にしていった。それを踏み固めた周りに並べる。それをもう一段繰り返した。
イグルー内を掘り下げるのはこれ位でいいだろう。並べたブロックを崩さないように跨ぎ、一度外に出た。
周りの雪を踏み固め、再びブロック状に切り出していく。
壁の高さが半分位まで来ると、その傾斜だとかバランスだとかで並べ難くなって来た。
壁体の凝固と休憩も兼ねて、ラーメンを作る。作るったって、カップラーメンだから、雪を溶かして湯を沸かすくらいのもんだ。
その間に、ここ迄の登坂でかいた汗も着干され、激辛カレーラーメンでカラダも程よく温もったところで作業を再開した。
出入口を小さめに開け、そこからブロックを入れた。そして潜り込み、中から並べていく。一度に2つか3つ位しか入れられないので効率が悪い。ふたりでやれば何倍も早く築き上げられるだろう。
最後にトップのブロックだけは、外からそっと乗せて完成。
床を均し、シートやマットを敷いた。
中で立てるほど天井は高くないが、座って手を伸ばしても届かないくらいには高い。ツェルトはおろか、一人用テントよりも広い。室内でアイゼン付きの靴も履けるし、水も作れる。なんだかんだ、イグルー最強。
焼酎雪割りを愉しみながら、武奈の頂から舞い上がる白煙を眺めていた。
それは比良を覆っていた雲の名残りなのか、降り積もった雪を吹き飛ばす地吹雪なのかは分からなかったが、いつの間にか青空が広がっていた。
晩の激辛チゲカップラーメン用に湯を沸かす。
ぽたりぽたりと肩を水滴が打つ。見上げるとブロックの角から水が滴り落ちていた。溶けたのは、主に隙間を塞いだ雪塊。なにかと、イグルー最凶。角を落し、火を止めた。
日没を迎え、暗闇に包まれた。夜空に月はないが、辺りは雪明りで仄かに明るい。南空には京の明りで見えないが、その多くは、満天の星空と云えるものが広がっていた。
天気予報は、どうやらハズレそうだった。
呑み:八雲ヶ原
遭遇:ナシ
BGM
NICO Touches the Walls Mr.ECHO
イン谷口1042 - 大山口1107 - 北比良峠1238 - 八雲ヶ原1250 - イグルー製作開始1253 - 1352昼休憩1415 - イグルー製作終了1509 - 下山0900 - 北比良峠0920 - 大山口1010 - イン谷口1024
コースタイム:23h42min(休憩時間、宿泊を含む)
八雲ヶ原:約900m
距離:?
累積標高:?
天候:雨のち晴れのち雪
気温:?
湿度:?
目的:イグルー泊
単独行
仙台にて半額以下でスノーソーを手に入れてから、ボクのイグルー熱は止まらない。
最初は霊仙山で作ろうと思っていた。
しかし、イトーさんと日帰り山行してしまったし、平場の多い山頂付近は風が強すぎて積雪がないし、それなら四合目ってなると避難小屋があるのに、って思ってしまう。
伊吹も考えたが、一度も登った事がないので土地鑑がない。
そんな折に、比良での例会山行があった。ボクは参加して居なかったのだが、今年は雪が多いとの報告を受け、それじゃあ、比良でやろうではないかって、そんな気になった。
前日の天気予報。
1日目は、午前中雨。午後から曇り。気温は、山頂でも氷点下ではない。
2日目。曇りのち晴れ。山頂付近は、わずかに氷点下。
あまり望ましい天候ではないが、伸ばしてしまうと雪が腐ってしまう。
まあ、行くだけ行って、ダメなら引き返そう。雪崩れる可能性もあるから、尾根でのルートを決めた。
ってなると、土地鑑のある武奈ヶ岳。イグルーは八雲ヶ原。ルートはダケ道で上がり、武奈、堂満と巡って、東尾根で降りる。で決まった。って云うか、山行予定として報告した。実際は、状況によっては、青ガレを上っても良いかな、ルンゼを下っても良いかな、っても思っていた。
当日の天気予報。
1日目、2日目、共に雨。
雪なら良いけど、雨はなぁ、って思いながら、比良の駅を降りた。
トイレで水を汲み、改札を潜ると、お年を召した方が三名ほど佇んでいた。もしかして、噂に聞いた事がある「比良とぴあ」への無料送迎バスが来るんですかって、時刻表を見た。現在の時刻は10時3分。あと2分で来るらしい。そんじゃ、乗りましょかって乗り込む。帰りに寄りますからねって、イン谷を目指した。
イン谷口を越えた辺りから、チラホラと道端に雪が見受けられた。
トイレを越えた辺りから圧雪凍結により足を取られるようになる。
その歩き難さから、まだ早いかな、と思いながらもアイゼンを付けた。
計画通りに大山口からダケ道を辿る。
予報通りに降り続く小雨と、汗だくになる程の気温の高さと、聞いた通りの積雪の多さに、やはり谷筋は避けた。何度も云うが、雪山の単独行なんてもんは、臆病過ぎるくらいに臆病なのが丁度いい。二年前の凍傷ですら、未だ完治して居ないのだから。
ガレ場の雪の無さに、早まったかなって思った。音楽を鳴らしながら上っていても、岩を擦るアイゼンの不快感は消えない。
かといっても外すのも面倒で、なるべく雪のある辺りを歩いていった。
昼前とは云え、朝食が早かったのだから腹も減る。適当に休憩できそうな所があれば、其処で湯を沸かそうと思っていたのだが、なかなか丁度良さそうな所が見つからない。小休止して行動食を食べたりするうちに、北比良峠に着いて仕舞っていた。
ここまで来れば、八雲ヶ原は直ぐ。そこへと続く、ハッキリと刻まれた踏み跡を辿る。それでもこの暖かさからか、時には踏み固められた跡を踏み抜き、膝まで潜る。その先に、見慣れた八雲が原が広がっていた。
冬季でも、休日であればテントが建ち並ぶのだが、平日ゆえに人の気配はない。
踏み固められたテン場跡や立木の側を避けて、踏み跡のない雪面に足跡を刻んで行く。
イグルーを作る上で一番避けたいのは、糞尿の混じった雪を使う事。食事や飲水もイグルー内の雪を使うのだから当然だ。
だから人の跡がある所を避け、目標となる立木を外した。
先ずは、居住性を想定しながら踏み固め、大きさと形を象る。
それは、脚を軽く曲げて横になれる位の楕円形に決めた。
踏み固めた雪をスノーソーで刻み、スノーシャベルでブロック状にしていった。それを踏み固めた周りに並べる。それをもう一段繰り返した。
イグルー内を掘り下げるのはこれ位でいいだろう。並べたブロックを崩さないように跨ぎ、一度外に出た。
周りの雪を踏み固め、再びブロック状に切り出していく。
壁の高さが半分位まで来ると、その傾斜だとかバランスだとかで並べ難くなって来た。
壁体の凝固と休憩も兼ねて、ラーメンを作る。作るったって、カップラーメンだから、雪を溶かして湯を沸かすくらいのもんだ。
その間に、ここ迄の登坂でかいた汗も着干され、激辛カレーラーメンでカラダも程よく温もったところで作業を再開した。
出入口を小さめに開け、そこからブロックを入れた。そして潜り込み、中から並べていく。一度に2つか3つ位しか入れられないので効率が悪い。ふたりでやれば何倍も早く築き上げられるだろう。
最後にトップのブロックだけは、外からそっと乗せて完成。
床を均し、シートやマットを敷いた。
中で立てるほど天井は高くないが、座って手を伸ばしても届かないくらいには高い。ツェルトはおろか、一人用テントよりも広い。室内でアイゼン付きの靴も履けるし、水も作れる。なんだかんだ、イグルー最強。
焼酎雪割りを愉しみながら、武奈の頂から舞い上がる白煙を眺めていた。
それは比良を覆っていた雲の名残りなのか、降り積もった雪を吹き飛ばす地吹雪なのかは分からなかったが、いつの間にか青空が広がっていた。
晩の激辛チゲカップラーメン用に湯を沸かす。
ぽたりぽたりと肩を水滴が打つ。見上げるとブロックの角から水が滴り落ちていた。溶けたのは、主に隙間を塞いだ雪塊。なにかと、イグルー最凶。角を落し、火を止めた。
日没を迎え、暗闇に包まれた。夜空に月はないが、辺りは雪明りで仄かに明るい。南空には京の明りで見えないが、その多くは、満天の星空と云えるものが広がっていた。
天気予報は、どうやらハズレそうだった。
呑み:八雲ヶ原
遭遇:ナシ
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