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韓国岳登山前夜の後編

日程:2015/1/27(前夜)
ルート:霧島いわさきホテル - 大浪池登山口 - 大浪池休憩所

コースタイム:1h51min(休憩時間を含む)

距離:?
累積標高:?
天候:雲り
気温:?
湿度:?
目的:ピークハント
単独行

鹿児島は南国だ。
それでも韓国岳は標高1,700mを超える山なのだから、厳冬期には雪をたたえる事もあると云う。だからこそ、それなりの装備をしてきた。
足元は、ウールのソックスを重ね履きしたうえの重登山靴。上は、FT、UQ、OR、ORと4枚重ね着していた。平坦な地を歩くのであれば、上2枚のファスナーを8割方解放していれば、なんとかなったのだが、上りとなるとどうにもならない。ヒートテックが発散する水分量を優に超え、肌にベタつき、それをも持て余す発汗は眼鏡を曇らせた。晴天の下でありながら霧中を歩ませるその状況に、しばしボクは足を止め、歩みを遅くしていった。
足を止めては眼鏡を拭い、また眼鏡を曇らせては足を止める。その果てにある韓国岳避難小屋まで行って、山頂での御来光もありかなって思っても居たのだが、気持ちが萎えた。大浪池休憩所で限界だった。

建て付けの悪い引戸を、軋ませながら開く。少しだけホコリ臭い温もりに包まれた。
綺麗に片付けられた小屋。壁付けのベンチに囲まれて、中央にテーブルが据えられていた。全て建物と一体のRC造。躯体は冷え切っているが、風を遮るだけでも、かなり暖かい。

霧島の市街地で購入した食材をテーブルに並べていく。
半額だった六個入りの鶏卵。炭で芳ばしく燻された九州独特の焼鳥。甘い醤油とニンニクで食す赤鶏モモ肉のタタキ。屋久島で飽き飽きしたはずのトビウオのすり身。元々関西より安いのに更に半額のメザシ。マルタイの棒ラーメンに代表される真直ぐなノンフライ麺のロン龍
それから九州らしく焼酎が三本並んだ。

ラーメン用に2個だけ残し、残りは行動食用に茹で卵にする。室内の気温は氷点下近いのだから、冷水に曝さずともテーブルの上に放置するだけで冷やされていく。残りの湯にトビウオのすり身を落としていった。浮いた側から、鶏タタキの甘い醤油を付けて食べていく。あれ程嫌だったトビウオのすり身の温もりが、冷え切った躰に染み渡る様に旨い。
結局、トビウオすり身半分とロン龍を残して満腹となってしまった。山へ登るときはいつも、重量の加減だの、保存の問題だので、インスタントラーメンや、パスタ、柿の種などの行動食ばかりと貧相なことが多いのだが、思いがけずに、自宅よりも豪華な晩餐となっていた。

呑み:霧島、大浪池休憩所

遭遇:ナシ

BGM
Borgeous - Breathe

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