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大野山天体観測初日

日程:2015/09/3-4(一泊二日) ルート:西軽井沢登山口 - 電波塔 - 大野アルプスランド - 電波塔 - 西軽井沢登山口 コースタイム:? 大野山:753m 距離:?km 累積標高:?m 天候:晴れのち雨 気温:? 湿度:? 目的:天体観測 同行者:ナシ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 星空を眺めたかった。 それより、星空を撮影したかった。 35mm換算24mmF2.8と広角で明るめのズームレンズを買ったからには、それを有効的に使いたかった。 けっして、元天文部の血が騒いだわけではない。 もともと山岳部に入るつもりだったのに、仲の良いツレが皆、天文部に入ると言い出した流れでなんとなく入っただけの倶楽部だ。 だから、他の倶楽部と掛け持ちもしたし、入部していない倶楽部に入り浸ったりもしたし、部室に行ってもトランプばかりして、合宿に参加しても麻雀に酒浸りの、ゴフンゴフン。 そこは、居酒屋で警察官に声を掛けられたとしても、高校名を名乗れば「ホドホドにしておきなさいよ」とお咎めなしなんて経験談がマコトシヤカニ囁かれるほどのバンカラ進学校。 実際、近場の居酒屋に学生服で行っても何も云われなかったのは、地元公認の松葉三針金バッチの威力なのか、それとも、おおらかな時代だったからなのか。 そんなコトはさて置き、星が観たかったのだから、星の観られそうなトコロを探した。 すると、京都府との県境に近い「大野山」と云うところに天文台があると云う。しかも、無料キャンプ場付きだ。会社を19時に出れば登山口までのバスに間に合う。 それは、部長に「雨男だから、また雨に会うんと違うん」マーケティング部の女の子に「blog用の写真お願いします」なんて言われながらの出発だった。 ナニ言ってるんですか、21時頃には雲も切れる予報っすよ。任せとけよ、天気が良ければだけどな、って意気込みで日生中央からバスに乗る。 あろうコトか、清水を過ぎた辺りから雨がパラつき出した。それでも向かう他はない。引返すバスなどもうとうにないのだから。 西軽井沢のバス停で降りる。雨は未だ降り続け、街灯に照らされた国道を薄靄で包み込んでいた。 登山口を探し、バスの走り去った先を追った。家の並びが途切れ、そ

DA☆ 16-50mm F2.8

日程:2015/07/15-16(一泊二日) ルート:伏見道登山口 - 伏見峠 - ダイトレ - 中葛城山 - ダイトレ - 金剛山展望台 - 転法輪寺 - 千早本道登山口 コースタイム:? 金剛山:1,125m 中葛城山:937.7m 距離:?km 累積標高:?m 天候:晴れのち雨 気温:? 湿度:? 目的:レンズテスト 同行者:ナシ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 中古レンズを買った。 別に持っているレンジだから買う必要などなかったのだけど、マクロレンズが欲しいなってネットサーフィン()しているといつの間にか買っていた。 それは全然マクロレンズなんかじゃなくて、既に持っている広角ズームと思いっきり被るのだけれど。 催眠術だとか超スピードだとか(ry 「2週間以内なら返品出来ますんで、本気で撮ってみてください」なんて恐ろしい事を言われたけど。 「中古ですけど、サービスです」なんて手切れ金のようにプロテクトフィルターを付けてくれたけど。 確かに相場よりもかなり安かったのは確かだった。 ネットで調べたから悪評は知っている。 めちゃくちゃ前ピンだ、とか、片ボケが激しくていくら修理に出しても直らない、とか、モーターがすぐお亡くなりになられてその度に諭吉さんが1.6人ほど家出なされる、だとか!とか? まあ、物凄く相性だとか、個体差だとかがあるらしい。 でも… 肉眼で観るよりも美しい風景を描き出す時がある。 けれど… 基本、山の写真用途な訳だから、広角は欲しい。仕事柄、建物も撮りたいから、広角は絶対条件だ。 8-16は持っているからそれで良いだろっても思うが、それは防滴ではないし、ピーカンなら問題ないが降水確率が高かったら躊躇する。 元天文部としては、タマには 変態 天体写真も撮りたいから、明るいレンズが好ましい。 雪山も行くから耐候性も欲しい。TG-1でも挙動が怪しくなったりするくらいだから、寒さに強い方が良い。 流石に沢を泳いだりするときはTG-1を持って行く。そこまで一眼には望まない。TG-1でも、水中撮影だけは十分に美しいとボクは、思っているし。 トレランの時もTG-1だ。転けたりして外装はボロボロになっているのに、なんら問題はない。

蛍狩

日程:2015/06/16-17(一泊二日) ルート:能勢電鉄妙見口 - 黒川 - r605 - r604 - R477 - r605 - r732 - 歌垣山 - R477 - r731 - R372 - 亀岡 コースタイム:? 歌垣山553.5m(大阪50山) 距離:?km 累積標高:?m 天候:雨のち晴れ 気温:? 湿度:? 目的:蛍狩 同行者:ナシ 毎年、梅雨時の6月頃と云えば、いつも通りの蛍狩強化月間である。 蛍狩なんてもんを、こんな雨ばかり降る最中に敢えてする必要など全くもってないのだけれど、雨中の山行は嫌だけど何処かに出掛けてみたかったり、会社の女の子から綺麗な写真が見たいのです、なんて言われでもすれば、重たくて嫌だなんていつもボヤいている一眼なぞ持出してみようか、なんて気にもなったりするわけだ。 連休の前日。 さっさと仕事を片付け、妙見口より北へと歩む。 それは、突然の降雨で、予定より一時間ほど遅れてのスタートだった。 田圃の傍を走る用水路に光が舞うのを見つけ、時期的には大丈夫だったと確信する。 観られればいいな、位に思っていた知明湖キャンプ場の辺りには、全く見つからなかったが、他に目星を付けていた県道604号線沿いの川の上に、優雅に飛び交うその姿を見つけた。 三脚にカメラを据付け、感度を決め、補助光を消した。シャッターを押し込んでも、カシャッて手応えが伝わって来ない。それどころか、ピピッとフォーカスすらしない。 あゝ、暗すぎてAFが効かないのかと、MFに変更しようとする。しかし、暗がりの中で何処をどうイジッテも、その方法が見つけられなかった。 いつもお手軽AFに頼っていた自分を呪い、いざという時用の操作マニュアルを持ってこなかった手際の悪さを悔み、どうせ新月だから蛍の光しか写らないんだし、どうせ手の届かない果実は酸っぱいんだ、と早々に切り上げた。 その日の宿泊地に決めていた歌垣山には、20人は入れそうな東屋や綺麗なトイレが整備されており、蚊取線香を焚いていたとはいえ、全く虫達の襲撃を受けずに快適な一夜を送れた事だけが、せめてもの救いだった。 ちなみに、明るい朝日の中では、MFの切替スイッチは容易に見付かった。

タカオ アンド ガイドテニー

まぁ、なんて云うか、あれだ。 いつかこんな日が来るかもしれないって事は覚悟していなかったわけではなかった。 準備は前夜から始めていた。 テント、シュラフ、コッヘルにストーブ。そんなもの諸々は確かに詰め込んだ。忘れがちなヘッデンにGPS、カメラなんかも、確かに用意していた。 仕事帰りにそのまま沖縄へと旅立つ。 だからボクは、スーツに革靴を履き、履き替えるためのアプローチシューズに短パンとウールのカットソーを紙袋に突っ込んで、出社した、はずだったのだ。 仕事を一時間の残業程度で片付け、紙袋に突っ込んだ短パンとカットソーに着替え、その奥に突っ込んだはずのアプローチシューズに履き替え、そして驚愕した。 左は確かにファイブテンのガイドテニーなのだが、もう片方はacgのタカオだった。コレが両方共、左だったり右だったりしたのなら新たに買い求めたりしなければならなかったのだから、不幸中の幸いと見るべきだとも云えなくもなかった。 九州辺りは強烈な勢力を誇る梅雨前線の停滞により、猛烈な豪雨が降り続いているらしいが、沖縄上空には高気圧が居座り続けており梅雨前線をシッカリ押し上げていた。 タラップを降りると、ネットリと絡みつく熱気に包まれる。 本日の降水確率は0パーセントと機長が言ったかヤフーの天気予報が告げていたかは忘れたが 、それはそれでも梅雨の最中のこと、空気はシットリ重たくまとわり付き、少し歩いただけでも汗が噴き出してくる。 涼を求めてコンビニに立寄った。そしてオリオンの発泡酒をユックリ開けた。 目的を果たし、地ビールに地泡盛と地ラムを、地島らっきょに地油味噌を塗りたくってツマミながら、地テンプラの具材が三度豆と烏賊だと思っていたら三度豆と魚ニソだったことに驚愕しながらも、美ら海水族館を逆に眺め夕日を浴びながら、浜辺の芝生の上で眠りに就いたのだった。 深夜、突然の雷雨をもたらした雲は、そのまま沖縄上空を覆い尽くし、梅雨らしい雨を降らせ続けている。傘を差すほどではない雨足の弱まりを選んで帰路を目指して行った。 一時期収まっていた梅雨時のいやらしいジトジトと降り続くそれではなく南国風に突然訪れるスコールの様な雨が、また、那覇市街地に入る頃には思い出したかのようにその存在感を増していた。 沖縄の舗装は白い、とはよくよく聞くが、確かにそれは白か

再開と書いて「ツァイツェン」と読む

二ヵ月半前の弥山川遡行に因り、左膝靭帯をイタメテイタ。 診察では一ヵ月後からは、軽い運動をしても良いとニオワサレテイタ。 三週間半が過ぎて、リハビリにと託けて700m程の低山を一泊で登りアッカサセタ。 一ヵ月後から新しい職場に移り、なんとも忙しいマイニチヲオクッタ。 二ヵ月半経って、無理をしないリハビリにでもと一泊で淡路島100kmを計画するが、余りの好天にやられ70kmでリタイアシタ。 それでも膝はピクリとも痛まなかったので、来週はいよいよ登山再開のヨテイヲタテル。 当たり前だが、再開は「ツァイツェン」とはヨマナイ。

第12回六甲縦走キャノンボールランのDNSの巻

日程:2015/03/29(日帰り) ルート:阪急宝塚 - 塩尾寺下の広場 - 阪急宝塚 コースタイム:? 距離:?km 累積標高:?m 天候:曇りのち雨 気温:? 湿度:? 目的:オミオクリ 同行者:ナシ 二週間前の弥山川残雪期遡行により、靭帯を痛めていた。 診察によると、全治一ヶ月。 DNS決定ナリ。 以上、落語を聴きに行く。 呑み:阪急中山観音 遭遇:300人位?

尾白沢渓谷の巻の後編

日程:2015/3/11(日帰り) 竹宇駒ヶ岳神社0640 - 千ヶ淵0653 - 旭滝0729 - 百合ヶ淵0802 - 神蛇滝0810 - 黒戸尾根分岐0828 - 竹宇駒ヶ岳神社0838 コースタイム:1h58min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:晴れのち曇り 気温:? 湿度:? 目的:トレーニング 単独行 「旭滝」の看板を見て絶望した。 そこは予定では、20分程で辿り着くはずだった場所だ。 それを体感時間では1時間近く掛かっていた。実際には49分と云う時間だったが。 沢へ下りられそうな所を見付けては下り、写真写りの良さそうな所を見付けては撮り、足元のおぼつかない所ではそろりそろりと歩んでいたとは云え、それはあまりにも掛かり過ぎだった。 一番の問題点はと云えば、iPod touchも携帯もバッテリーが無くなってしまった今となっては、手軽に時間を確認する手段がない、という事だった。 氷点下10℃でも大丈夫だと云うオリンパスのカメラで無駄撮りし、そのexifで今現在の時間を確かめるというのが、なんとも本当に煩わしい。 要らん時にGPS確認とかで勝手に起動し時刻を表示するクセに、こっちが知りたい時にスッキリと時刻を教えてくれる機能がないのが、なんとも嘆かわしい。 おいおい、iPod touchの電源が入らないから、いろいろもろもろな時刻表も確認しようがないのに、ちゃんと帰れんのかよ。と不安になる。 明日は仕事やのに、最悪帰られへんぞ。と危惧する。 そんなことで弱気になり、途中に尾根道へのエスケープが有ったなと、思い倦ねる。 しかしそこに到るまでは、大分戻らなければならなかった。何より生命の危機でもないのに戻るって根性が嫌だった。 先へと進めば、また尾根道へのエスケープが有るかもしれない。イヤ、多分あるだろう。滝がある度にあれだけ高捲くのだから無い方がおかしい。そう思っていた。 最悪、本当に最悪の事態ではあるが、最終地点の「不動滝」まで行けば、尾根道へのエスケープがあるのだから。そこから10数キロ走れば、終電に間に合うであろう。 次の「神蛇滝」まで来てもエスケープはなかった。 引返すべきか、進むべきか、と同じ疑惑が浮き上る。それでもボクは前へと進んでいった。 そして「神蛇滝」を越えて間も

尾白川渓谷の巻の前編

日程:2015/3/11(日帰り) 竹宇駒ヶ岳神社0640 - 千ヶ淵0653 - 旭滝0729 - 百合ヶ淵0802 - 神蛇滝0810 - 黒戸尾根分岐0828 - 竹宇駒ヶ岳神社0838 コースタイム:1h58min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:晴れのち曇り 気温:? 湿度:? 目的:トレーニング 単独行 昨夜のラーメンの残り汁が凍っていた。 そりゃ、ツェルト内に入れていたボトルの水も凍るってハナシだ。それをシュラフ内で抱いて溶かさなければ飲めないってハナシだ。三月中旬でこの寒波はないだろってハナシだった。 その晩の、甲斐駒から吹き降ろすその強風は、ツェルトごとボクを吹き飛ばそうとしただけではなく、辺り一面の雪をあらかた吹き飛ばし、ラーメンの残り汁と溢した日本酒をカチンコチンに凍らせていた。 そのラーメンの残り汁の氷に沢水を足し、ラーメンを作る。その輻射熱で溢した日本酒も溶けていった。 駒ヶ岳神社迄しばしの林道歩き。モルゲンロートと共に行動を開始したのだが、そこには既に、先行者の足跡が刻まれていた。 その足跡は尾根へと続いて行く。ボクが刻むハズだったその足跡。しかし時間的にその後を辿ることは出来なかった。 だからボクは、尾根の道を外れ、代替案として決めたその尾白川渓谷道を進んだ。 そこを遮る冬季通行止の看板。いつも通りの自己責任。 「か、勘違いしないでよね。アンタが滑って怪我したり、落ちて死んだりしないかって心配してるんじゃないんだから。責任がアタシに掛かって来るのがイヤなんだからね。ちゃんと止めたんだから。それでもどーしても行きたいんなら、勝手に落ちて、勝手に死んじゃえばいいんだー()」ってツンデレ看板だ。 「大丈夫。オレ、ゼッテーお前の元に戻って来るから」って抱き寄せてキスをした。 いや、言ってねーし、抱き寄せてねーし、キスしてねー。 ホントーは、コッソリとそこを乗り越えた。ただ、それだけだった。 呑み:塩尻市観光センター、電車の中 遭遇:ナシ

甲斐駒ヶ岳リベンジの失敗の巻の後編

「道の駅はくしゅう」 のオープンは、入口に掲げられた看板によるとどうやら午前9時のようだった。 ボクはそれまでの1時間以上もの時間を持て余していた。 まずは24時間開放されたトイレを借りる。それから周辺の観光マップにボクの興味をそそる様なものがないか確かめた。 敷地内に湧き出す南アルプス天然水であろう名水らしき水を汲み、贅沢にも汲んだその名水でチリトマトヌードルを作り、昔より薄味になったようなそれをゆっくりと食して、その南アルプス天然水であろう名水らしき水を沸かして作った昔より薄味になったようなチリトマトヌードルの入っていた空きカップをゴミ箱にほかしてもなお、30分以上もの時間を持て余してていた。 手持ち無沙汰ついでに、 「江井ケ嶋酒造」 へと足を運んだ。 平日9:00開店と掲げていたその販売ショップは、現在、時刻、8:45において、既に開いていた。 白に赤、グレープジュースに、リンゴ酢等々、チビチビと試飲していった。 そのひとつひとつはわずかな量だとは云え、20種以上もあるのだから、結構心地よくなっていく。 ボクは一度呑み始めると火がつく呑助なもので、そりゃあもう止まらない。 軽めな飲口のハーフ(¥530)を買い、道の駅でアテを仕込んだ。 赤だから肉だよなって、ステロタイプに馬のもつ煮込みを選ぶ。 地ワインの次は、やっぱ地酒っしょと 「七賢」 の純米300ml(¥500)を買い足した。アテは、白菜、人参、大根などのぬか漬け。 オオトリには 「白州」 かなって、地シングルモルト(¥1,500位)で〆た。アテは、薫玉。 これで白州グランドスラムだ。 もはや山に登る気なんて微塵もなかったから、¥200位で吉田うどんだの、2kg以上で¥100のじゃがいも (シャドークィーン) を買ったりしていたのに、いつの間にか登山口へと向かっていた。 雪が降りしきる中、向かっていた。 どれだけ酔っても、どれだけ記憶を失っていても、キチンと家に帰り財布も失くさないボクだから、後で聞いてもちゃんと話してたでって云われるボクだから、今回も、きっと、ちゃんとしていたのだろう。だから、おそらく、今回の山に登ろうって選択もまた、冷静に下された結論だったのだろう。 呑み:道の駅はくしゅう、尾白川駐車場 遭遇:ナシ

甲斐駒ヶ岳リベンジの失敗の巻の前編

早い眠りからの早い目覚め。 がなり立てる強風に幾度となく目を覚ましたが、睡眠時間は十分だった。 時刻は午前5時まであと少し。外はまだ暗い。 農業従事者の朝は早い。だから暗い内に旅立とうと思っていた。 予定では午前6時よりも前。夜明けはそれより15分は遅いはずだった。 それには未だ早いな、と、寒さに震え、渇いた喉にコーラを流し込み、頭まで寝袋に潜り込んだ。 その暗がりの中、飛行機の轟音を聞いたような気がした。今にして思えば、それは車の走行音だったのかもしれない。それは間もなく訪れる夜明けを告げる響きだったのかもしれない。 とにかく、その時に出発しておけば良かったのだ。 未だ外は暗い。 アプローチでは足元が覚束なくてもいいが、登山道では明るくなっていて欲しいと、もう少しもう少し、と、時間を調整する。 突如、砂利を踏締める音が響き、光が射した。 時刻を確かめると、午前5時半。予想よりもずっと早い従事者の訪れだった。 すぐさま寝袋から飛び出すと、外は仄かに明るくなっていた。 急いで荷物を片付け、名残りを消した。 微かに音楽の響く車の横を、シレッと摺り抜け、昨夜間違え辿ったその農道を引返した。 東の山々が白々とした空にシルエットを刻んでいく。 空は広く晴れ渡り、昨夜の強風が拭い去れぬ雲だけが甲斐駒の頂に引っ掛かっていた。 それにしてもなんでこんなにも薄明が早いのだろう。あんなにも日没が早かったのに。そう考えながら歩いていた。 ここ白州は、神戸と比べてそれほど緯度が高いわけではない。って事は、日照時間が短くて日没が早かったのではなく、東にずれた分早く日が沈み、早く昇るだけだったと思い至った。 実際、調べてみると、神戸 日出6:17 日没18:02 可照時間11:45 甲府 日出6:04 日没17:49 可照時間11:45だった。緯度は一度ほどしか違わず、経度は三度以上も離れていた。それがボクが思うより13分早かった理由だった。 竹宇公民館を過ぎた頃から、チラホラと小雪が舞い始めた。見上げると、もはや、すっかり、すっぽりと雲に包まれ、甲斐駒は姿を消してる。 「天気予報、当たんねーじゃん」 誰にぶつければいいかわからない怒りが湧き上がってきた。天気図を見て、こんな小さな高気圧でこのでかい低気圧を抑えられるんだろうか、っ

甲斐駒ヶ岳リベンジの前夜の巻

甲南チケットの店頭で、青春18切符の発売を知った。 取り敢えずの候補地は八ヶ岳。 雪山初心者御用達の八ヶ岳。 アクセス良し。天候安定。山小屋豊富。入山者多数。したがってラッセル不要とくる。 だが、当日の天気予報によると荒れるのだと云う。 南東北、北関東、東海と検索し、南アルプスなら大丈夫そうだと、それならばと、甲斐駒に決めた。 甲斐駒は、夏に雷雨に合い、登山口で撤退した、因縁の山だ。 白州で前泊と考えると意外とノンビリで良い。JR六甲道0935発の電車で、日野春駅発の最終バスに十分、間に合うのだ。 芦屋、米原、大垣、名古屋、中津川、塩尻と乗り継いで日野春駅着1812。 「道の駅はくしゅう」で降りるなら1818発(平日)のバス。 「西村入口」なら1837発¥410(平日)だ。 念のため少し早めに出発し、おっとカメラを忘れたと引返し、あっあれも忘れていると、それを百均で買い足し、バックパック内を漏れた麦焼酎で汁だくにし、行動食なはずの柿ピー(180g)を酒のアテとして喰い尽くして、ここまでは想定内の範疇で日野春駅に降立った。 日野春は、あいにくの雨。 さて、ここでの二択。それは、白州にあるであろうローソンで食べ尽くしてしまった行動食を買い足し道の駅に泊まるか、駅から歩いて5分位の所にあるファミマで生死に関わるかも知れない行動食を買い登山道の取付きで夜を明かすか、だった。 ボクは後者を選んだ。それはひとえに、今日の雨で山頂付近は積雪を増しているだろうから、少しでも時間を稼ぎたいからって想いからだった。 何故手前のバス停より運賃が安いのだろう。もしかしたらチョメチョメなのかも。ああやっぱりチョメチョメだったんだ。安心した、との30分に亘るローカル路線バスの旅を終え、未だ雨が残る中、登山口へ向けて歩き出した。 前回は横手からだったので、竹宇からの道は知らない。 だから、PDFの大雑把な地図を頼りに進んで行く。それも雨の中なので、そうそうジックリとも見ていられない。 橋を渡り「べるが」の入口を過ぎ、甲斐駒ヶ岳広域農道へと曲った。そこから直線道がひたすら続いていた。 何かオカシイと思ったのは、並行に走る光の流れが何処までも続いていたからだ。それは国道20号線の光に違いなかった。その方角は、登山口より90°もズレている。 かなり

シェイクスピア氷柱群

日程:2015/2/24(日帰り) 大迫ダム1130 - R169 - 山葵谷取付1241 - 山葵谷林道終点1259 - 昼食1322 - 山葵採禁止看板1338 - F4 1420 - 1435シェイクスピア氷柱群1444 - 山葵採禁止看板1525 - 山葵谷林道終点1534 - 山葵谷取付1541 - 旧R169 - 大迫貯水池湖畔1710 コースタイム:5h40min(休憩時間、アプローチ含む) シェイクスピア氷柱群:約1,200m 距離:? 累積標高:? 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:氷瀑 単独行 近鉄大和上市から10:25発の 「やまぶきバス」 に乗る。終点「入之波」まで乗っても¥300均一なんて、なんと素敵なコミュニティーバス。モチロン地元民でなくても¥300。それをボクは、終点ひとつ手前の「大迫ダム」で降りた。 ここから山葵谷取付きまで、7kmほど歩かなければならない。時間にして1時間半ほど。自販機が3ヶ所にある以外、何もない道程。1kmを超えるトンネルを二つ抜け、トンネルとトンネルを結ぶループ橋を渡って、ようやく山葵谷に辿り着いた。 シェイクスピア氷柱群へは、右岸を辿る。そのくらいは調べていた。 林道の終点でカップラーメンをすすり、アイゼンを装着する。そしてそこから先へと続く踏み跡に、なんの疑いもなく従った。 膝下まで沈む積雪に、意外と残っているもんだなって思う。しかしガレ場に差し掛かると雪は消え、踏み跡を見失った。その先に続くゴーロに、いきなり難度高けーな、おい。と、捲き道を探す。 そしてその見上げた崖の先に、丸太の橋を見つけた。 崖を攀じ登った先には、しっかりと踏み跡が続いていた。その先に続く沢筋には、幾つもの支流が流れ込んでいるが、一番しっかりと路を刻むその跡を辿る。 正確にはシェイクスピア氷柱群は、山葵谷の支流、地獄谷右俣にあるのだけれど、これが本流だと云うほど踏み込まれている沢だ。 流れに踏み込み渡渉しなければならない滝に出会う。ここでようやく遡行図を取出した。そして、山葵谷の取付きは林道の終点ではなく、少し戻ったところだったと、初めて知ったのだった。 3人パーティの下山者とすれ違う。 先頭の一人に氷柱の具合を尋ねてみた。見ている時にも滝口の氷が崩れ落ち、とてもじ

高千穂峰登山の前編

日程:2015/1/28(日帰り) 大浪池休憩所0626 - 韓国岳避難小屋0657 - 韓国岳山頂0739 - 韓国岳避難小屋0810 - 大浪池登山口0856 - 0906霧島連山周遊バス0929 - 高千穂河原0949 - 高千穂峰山頂1107 - 高千穂河原1150 コースタイム:5h24min(休憩時間、バス移動時間を含む) 韓国岳:1,700.3m 高千穂峰:1,573.36m 距離:? 累積標高:? 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:ピークハント 単独行 パークサービスセンターで水を汲み、 高千穂河原ビジターセンター で携帯トイレのアンケートに答え、高千穂峰を目指した。 高千穂河原の鳥居を潜り、古宮址から山頂を遥拝する。 パークサービスセンターの二階から天の逆鉾が見えます、と書いてあったのだから、ここから見えるふたつのピークのどちらかが高千穂峰の山頂なのだろう。しかしそれはどう見ても高千穂峰の手前にある御鉢の縁にしか見えないのだった。 登山道は、古宮址を迂回するように続いていた。 神宮の森からの緩い登山道と合流した先には、白砂を敷き詰めた路が拡がる。 その白い砂は、新燃岳噴火によるものだと云う。白い軽石の砂から覗く赤い岩肌が本来の高千穂峰だ。 下山者とすれ違う。少し前には、あの火口の縁に居たハズなのに、もうか、と思う。砂走りによる下山の速さもあるのだろうけれど、実際には、そこまで、そう距離があるワケではないのだろう。 見慣れぬ火山の風景が、実物以上のスケール感を醸し出している。振り返り高千穂河原を見下ろす風景も、新燃岳の手前に鎮座する中岳も、新燃岳の山頂に並ぶふたつの耳も、薄雲に包まれ霞む韓国岳の姿も、これ程までに火山が集まるその光景までも、まるで作られたミニチュア世界の中に居るようで、1,500mの山が、ここでは3,000mであるかのように思えていた。 それにしても、砂に足を取られてなんとも上り難い。10kg近くの荷物を背負っているのがそれに輪をかけた。 結局、一般登山道の倍の時間を掛けて、倍の疲労を感じたのだから、見たまんまのスケール感ってのが正しかったんだとも思う。 今日は風が弱いですよ、って聞いていたが、これでかよ、と思った。 上り始めてすぐに風を遮るものが全くない岩と砂の世界

イグルー泊後編

日程:2015/2/17-18(一泊二日) イン谷口1042 - 大山口1107 - 北比良峠1238 - 八雲ヶ原1250 - イグルー製作開始1253 - 1352昼休憩1415 - イグルー製作終了1509 - 下山0900 - 北比良峠0920 - 大山口1010 - イン谷口1024 コースタイム:23h42min(休憩時間、宿泊を含む) 八雲ヶ原:約900m 距離:? 累積標高:? 天候:雨のち晴れのち雪 気温:? 湿度:? 目的:イグルー泊 単独行 日を跨いだくらいに目を覚ました。 ドドドドッ、とイグルーを震わしながら風が吹き抜けていく。体温により溶けてしまったブロックの隙間から、冷気と共に雪が吹き込んできた。 天気予報はどうやらアタリらしい。 外に出ずとも分かるくらいに、雪が降り始めていた。 天候が荒れるなら、武奈は諦めて、森林帯の尾根道を下るべきだ。昨日の温さと早朝にかけての冷え込みで、弱層が出来ているだろう。そこに雪が降り積もれば、表層雪崩が起きるかも知れなかった。 口を酸っぱくして云うが、雪山の単独行なんてもんは(略。 湯を沸かしながら、夜明けを待った。 外は吹き荒ぶ、一面の銀世界。 外に出難かったのは、雪が積もっているからだけではない。天井が、徐々に下がっているからだ。特に壁のない出入口が酷かった。 反省点 ① イグルーの天井は平滑に仕上げる。中でストーブを点けると、角より水滴が垂れる。 ② 隙間はキチンと塞ぐ。気密性が低いと、天候天候の悪化によりそこから冷気や雪が吹き込む。 ③ 出入口の壁は厚く仕上げる。開口があると強度が下がるので、垂れる。 ④ 忘れ物を減らす。今回は、二重にする為の夏用シュラフ、ヘッデン、ロウソクを忘れた。 午前9時まで、アップルティを飲みなが待つ。 しかし武奈の山頂を覆い隠すように雪は降り続いた。 もはや昨日の踏み跡は、微かに残る窪みだけだった。 アイゼンをスノーシューに履き替る。 踵を支えるベルトが切れている。経年劣化だった。もう10年近く使っているのだから仕方ないだろうが、去年、プラブーツも崩壊しただけに辛い。取り敢えず、細引きで補修した。 尾根へ出たところで、踏み跡を見失った。間も無く北比良峠。方角は分かってはいるが、雪の重みに耐え兼

イグルー泊前編

日程:2015/2/17-18(一泊二日) イン谷口1042 - 大山口1107 - 北比良峠1238 - 八雲ヶ原1250 - イグルー製作開始1253 - 1352昼休憩1415 - イグルー製作終了1509 - 下山0900 - 北比良峠0920 - 大山口1010 - イン谷口1024 コースタイム:23h42min(休憩時間、宿泊を含む) 八雲ヶ原:約900m 距離:? 累積標高:? 天候:雨のち晴れのち雪 気温:? 湿度:? 目的:イグルー泊 単独行 仙台にて半額以下でスノーソーを手に入れてから、ボクのイグルー熱は止まらない。 最初は霊仙山で作ろうと思っていた。 しかし、イトーさんと日帰り山行してしまったし、平場の多い山頂付近は風が強すぎて積雪がないし、それなら四合目ってなると避難小屋があるのに、って思ってしまう。 伊吹も考えたが、一度も登った事がないので土地鑑がない。 そんな折に、比良での例会山行があった。ボクは参加して居なかったのだが、今年は雪が多いとの報告を受け、それじゃあ、比良でやろうではないかって、そんな気になった。 前日の天気予報。 1日目は、午前中雨。午後から曇り。気温は、山頂でも氷点下ではない。 2日目。曇りのち晴れ。山頂付近は、わずかに氷点下。 あまり望ましい天候ではないが、伸ばしてしまうと雪が腐ってしまう。 まあ、行くだけ行って、ダメなら引き返そう。雪崩れる可能性もあるから、尾根でのルートを決めた。 ってなると、土地鑑のある武奈ヶ岳。イグルーは八雲ヶ原。ルートはダケ道で上がり、武奈、堂満と巡って、東尾根で降りる。で決まった。って云うか、山行予定として報告した。実際は、状況によっては、青ガレを上っても良いかな、ルンゼを下っても良いかな、っても思っていた。 当日の天気予報。 1日目、2日目、共に雨。 雪なら良いけど、雨はなぁ、って思いながら、比良の駅を降りた。 トイレで水を汲み、改札を潜ると、お年を召した方が三名ほど佇んでいた。もしかして、噂に聞いた事がある「比良とぴあ」への無料送迎バスが来るんですかって、時刻表を見た。現在の時刻は10時3分。あと2分で来るらしい。そんじゃ、乗りましょかって乗り込む。帰りに寄りますからねって、イン谷を目指した。 イン谷口を越えた辺りから