スキップしてメイン コンテンツに移動

甲斐駒ヶ岳リベンジの前夜の巻

甲南チケットの店頭で、青春18切符の発売を知った。

取り敢えずの候補地は八ヶ岳。
雪山初心者御用達の八ヶ岳。
アクセス良し。天候安定。山小屋豊富。入山者多数。したがってラッセル不要とくる。
だが、当日の天気予報によると荒れるのだと云う。
南東北、北関東、東海と検索し、南アルプスなら大丈夫そうだと、それならばと、甲斐駒に決めた。
甲斐駒は、夏に雷雨に合い、登山口で撤退した、因縁の山だ。

白州で前泊と考えると意外とノンビリで良い。JR六甲道0935発の電車で、日野春駅発の最終バスに十分、間に合うのだ。
芦屋、米原、大垣、名古屋、中津川、塩尻と乗り継いで日野春駅着1812。
「道の駅はくしゅう」で降りるなら1818発(平日)のバス。
「西村入口」なら1837発¥410(平日)だ。

念のため少し早めに出発し、おっとカメラを忘れたと引返し、あっあれも忘れていると、それを百均で買い足し、バックパック内を漏れた麦焼酎で汁だくにし、行動食なはずの柿ピー(180g)を酒のアテとして喰い尽くして、ここまでは想定内の範疇で日野春駅に降立った。

日野春は、あいにくの雨。
さて、ここでの二択。それは、白州にあるであろうローソンで食べ尽くしてしまった行動食を買い足し道の駅に泊まるか、駅から歩いて5分位の所にあるファミマで生死に関わるかも知れない行動食を買い登山道の取付きで夜を明かすか、だった。
ボクは後者を選んだ。それはひとえに、今日の雨で山頂付近は積雪を増しているだろうから、少しでも時間を稼ぎたいからって想いからだった。

何故手前のバス停より運賃が安いのだろう。もしかしたらチョメチョメなのかも。ああやっぱりチョメチョメだったんだ。安心した、との30分に亘るローカル路線バスの旅を終え、未だ雨が残る中、登山口へ向けて歩き出した。

前回は横手からだったので、竹宇からの道は知らない。
だから、PDFの大雑把な地図を頼りに進んで行く。それも雨の中なので、そうそうジックリとも見ていられない。
橋を渡り「べるが」の入口を過ぎ、甲斐駒ヶ岳広域農道へと曲った。そこから直線道がひたすら続いていた。
何かオカシイと思ったのは、並行に走る光の流れが何処までも続いていたからだ。それは国道20号線の光に違いなかった。その方角は、登山口より90°もズレている。

かなり引返さなければならないな、と思った。農道を歩き出して30分以上経過していた。
行きしに目を付けていた、農場の軒下で雨宿りをする。凍えた躰を癒すために、塩尻で買った「山賊焼」をアテに「大雪渓」を傾けた。

無駄だろうと分っていたが、それを確かめたくて、wifiのスイッチを入れる。予想外なことに、アンテナは立たないが圏外ではない。
そこで、ポストに書かれた住所を入力し、現在位置を確かめた。やはり、予想通りに間違えていた。それでも現在位置さえ分かれば、問題はなかった。あとはこの雨さえ止めば、正しい道を歩むだけだった。

食した「山賊焼」や鯨飲中の「大雪渓」だけでは、壁のないこの地に於いて吹抜ける風の冷たさ抗いようもなかった。
堪らず、寝袋を広げ潜り込む。
雨は中々止まない。庇を打つ雨音を聞くうちに、いつしか眠りに落ちていった。

呑み:電車の中、農場の軒下

遭遇:ナシ

コメント

このブログの人気の投稿

トゥエンティクロス終了のお知らせ

ルート:上野道取付 - 展望広場 - 掬星台 - 摩耶ビューテラス702 - 桜谷道 - 徳川道 - トゥエンティクロス - 新神戸 コースタイム:4h 55min(休憩時間を含む) 掬星台:692m 距離:?km 累積標高:?m 天候:雨一時豪雨 気温:? 湿度:? 目的:水遊び 単独行 「20+エライ事になっとうで」 シンちゃんからそう聞いたからには、そこに行かないわけにはいかなくなった。 何でも二十渉は、ここ連日のゲリラ豪雨により底なし沼と化しているそうだ。そして、そこで、クツを脱ぎ、膝まで砂に浸かり、腰まで沈み込んだところでようやく諦めて引返したという。 ナントカっていう動画(酔っ払っていたから何回も聞いたけど忘れた)で、底なし沼からの脱出方法を観ていたから大丈夫やったけど、知らんかったらホンマにヤバかった。先ず片脚を抜いて腹這に横たわり、腕を広げて沈み込まないようにしてもう片方の脚を引き抜くねん、なんて嬉々として語る。 それならボクはその先まで行ったろう、とその先までますます行かないわけにはいかなくなったのだった。 甲山へ走るというみんなとは別に二十渉を目指した。 始めは長峰から桜谷を抜け徳川から二十渉へ向おうと思っていたのだが、昨夜の2時過ぎまでの酒によるダルさと朝から降りそぼる雨に嫌気がさし、12時過ぎのスタートの上野道上りとなった。 「上りの報告と下山の報告は、ちゃんとしてや」の約束を守り、FBに入山届を上げた。 展望広場では早々に朝食兼昼飯となるガーリックトマトパスタを食す。 降り濡つ雨を避け、掬星台の702でビールを傾けながらFBに応える。そんな束の間の休息のうちに、雨脚は一際激しくなっていた。カウンターからソファーへ移り、ホットドッグにドリンクバーを追加した。そしてドッシリと腰を据え、宇宙兄弟を紐解いた。 もう帰ったろかなってのが正直本心だった。しかし、雨も小降りになった事だし、宇宙兄弟もアニメに忠実(アニメが漫画に忠実の間違い)でオモロかった事やし、気を取り直して、濡れそぼつ気にもなったわけだ。 雨の桜谷は、晴れの日よりもむしろ好ましかった。木に降り注ぐ雨が枝を伝い集まり、洞よりほとばしる様を眺めたり、路行くひとの歩みにより削り磨かれた窪みを、あたかもそこが滑床であるかのよう...

紀ノ川水系下多古川 本谷遡行 一日目 2020年6月6日

六月も初めだというのに全国各地で真夏日をたたき出す猛暑が続くなか、これはもう沢だな、と沢装備を整え出社する。 沢足袋のフェルトを張替えていなかったなと、石井スポーツで草鞋を買って大峰を目指した。 「関西起点 沢登りルート100」が見当たらないのでネットで適当に遡行図を探すが途中までのものしか見つからない。 初心者向けの容易な沢で登山道も沢筋に付いているみたいなことが書かれているから、オンサイトで大丈夫だろうとろくに情報も集めずに旅だった。 これがまたえらい苦労する羽目になろうなどとは何も知らずに。 沢沿いに今なお残る集落を抜け川をまたぐと一軒の建物が目についた。 確か川を渡ってすぐぐらいのところが取付きだったよな、うろ覚えの遡行図を思いだし、簡易浄水場の横から続く踏み跡をなぞって入渓した。 朽ち果てた取水口を越えるとすぐ、滝に出会った。 沢足袋に履き替え、草鞋を結ぶ。妙に鼻緒が短くて履きにくい。 念のためi-padで遡行図を確認する。6mの斜瀑(F1)とある。確かに6mくらいの高さだが、斜瀑というかふつうに滝だ。 直登できなくはないが、シャワークライムを強いられる。 思ったよりも気温が低いし日差しもない。入渓したばかりで体も温まっていないのに滝に打たれるのはいややなと、右岸の草付きを捲く。これが見た目以上に悪い。岩の上にうっすらと土がのり、頼りなげに草が生えている程度だった。 手掛かりになる樹根はおろか、幼木ですらほとんど手の届く範囲にはない。 それでも登れそうなポイントを探し、左へ左へとトラバースしていく。しかし、楽に登れそうなところは見つからず、心が折れた。 しかたがない。直登しようと緩んだ草鞋を結びなおした。 途端に鼻緒が切れた。ブチッとした手触りと共に、ボクの張りつめた気持ちも切れた瞬間だった。 取水口より手前まで戻り、今度は左岸を高捲く。獣道やもしれぬかすかな踏み跡をみつけ、たどる。 F1を越えて再び沢へ下りたいのだが、どれだけ探しても下りられそうなルートがない。捨て縄でも張れば別だが、戻ってこないので回収もできない。 下りられないのなら上を目指すしかない。どこかに登山道がついているかもしれないし、いっそ...

山カフェ、メニュー追加しました 2019年10月02日

Leica M8 Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 MC ビアレッティのブリッカを購入しました。 最初、極細挽きに挽いたマンデリンで淹れたのですが、いまいちでした。 粉っぽいし。 エスプレッソ用の豆を細挽きで淹れるといい感じ。 Leica M8 Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 MC Leica M8 Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 MC 日程:2019/10/02(日帰り) ルート:十善寺1309 - 一王山山頂1315 - 十善寺1401 コースタイム:0h 52min(休憩時間を含む) 地形図:神戸首部 距離:?km 累積標高:?m 天候:曇り 気温:?℃ 湿度:? 目的:山カフェ 単独行 高田屋旭店(水道筋)★★★★ チンタ(水道筋)★★★★