日程:2013/08/17(日帰り)
ルート:浜金谷駅14:31 - 鋸山登山口14:46 - 観月台14:56 - 日本寺15:38 - 山門16:30 - 保田駅16:55
コースタイム:2h24min
鋸山:329.4m
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ
気温:?℃
湿度:?%
目的:朱印
単独行
前日に最高気温40℃にも及ぶ甲府の街外れをウロウロうろつき廻ったツケで、キッチリと熱中症になっていた。それでも鋸山くらいの低山なら大丈夫だろうと、浜金谷の駅を降り立つ。
駅のホームからは驚異的なほどにそそり立つ採掘跡の絶壁が眺められ、鈍い頭痛が断続的に続くにも拘らず、山行意欲を湧かせるのだった。
途中、観光案内所「石の舎」でルートマップを頂く。それを見ながら安兵衛井戸と沢のコースから東の肩を目指し、地球が丸く見える展望台経由の日本寺行きと計画を立てた。沢沿いなら少しは涼しいだろうし、メボシイ箇所は一通り回れそうってのもあった。
人の流れから外れ、沢のコースへ向かう。しかし、今の体調では歩き通せるかどうか、ふと不安になり、最も短い距離で日本寺にたどり着ける関東ふれあいの道コースへと日和ってしまった。
それでも長い階段は体温をすぐさま上昇させ、観月台で息絶え絶えとなり、岩舞台方面への分岐でゲロを吐いた。
それでもなんとか日本寺北門下の休憩所で息を整えて、もうひとつの目的でもある日本寺に辿り着いたのだ。
北門前には外国人観光客がたむろし、そそり立つ磨崖仏を見上げ、集まっては写真を撮り、係の人にカタコトの日本語で案内を求めていた。
ボクはその停滞の間に日陰で涼を取り、汗を引かせ、呼吸を整えた。
山門で入山料を納め、納経所の位置を訪ねた。鋸山山頂に行く体力はなかったけど、御朱印だけは頂きたかった。
山門での停滞が良かったのかもしれない。歩き始めると山頂展望台へ向かうぐらいの気力を取り戻していることに気付く。わずかばかり上っただけでも吹く風は涼しさをもたらしてくれる。二度と見たくなかった陽の光射す木陰のない階段を上っていく。
採掘跡の切立った絶壁の上に立つ。標高400mにも満たない山だが、その人工的な高度感に眩暈を覚える。遠く遮るものなく、眼前に山々のつながりが拡がるのも、本当の高さ以上に高く思わせる要因だろう。ただ単に、千葉県には高い山がひとつとしてないってだけだが。
そんな山と呼べるような山のない房総半島を走る内房線の車窓より、美麗にして壮大な富士山が、東京湾越しに眺められるってのもなんとも皮肉な話だ。姿だけはハッキリと見えるのに、手を伸ばしても届かない高嶺の花だ。
もっとも千葉県民が、高い山を欲しがっているかどうかは定かではない。だがボクが千葉県在住なら、その間を隔てる東京湾を埋め立ててでも繋がりたいと思うかもしれないし、その形だけ似た伊豆半島は千葉県に所属するべきだと言いがかりをつけてでもその裾野を手に入れたいと思ったのかもしれない。
御朱印を頂きに、山門で聞いた納経所ヘ向った。
そこは巨大な石造の大仏が鎮座する広場の片隅にあった。
先ずは自販機で水分補給を済ませる。御朱印の乾きを待つ間、さらに一本購入した。
地獄のぞきの賑わいに比べ、日本寺境内はひっそりとしていた。
幾人かが御朱印を求め、去っていく。大仏の前にはラテン系の外国人が数人行き交うだけだ。
鋸山を切り崩して階段を造り、切通しを通して堂宇の建ち並ぶ平地を繋ぐ日本寺の境内は他の寺には見られない佇まいを見せている。
山中の諸堂を階段で繋ぐ配置は山寺のようでもあり、切出した採石所に仏が並ぶ様は大谷観音のようでもある。つまりはボクの好きな寺だってことだ。無漏窟、あせかき不動、西国観音に百躰観音と、山中に佇む諸仏をぐるり巡りたいのだが、それを体調が許してくれなかった。一刻でも早く表参道を下って、クーラーの効いたシートに身を沈めろと躰が求めていた。
観音堂や仁王門もろくすっぽ眺めることもなく、保田の駅を目指した。
陽は低く翳り、低木がその日差しを和らげ、海からの風がそよぐ。少し楽になった気がした。
それでも電車に乗込むと目眩を覚え、津田沼の街で寝込み、病院で点滴を打った。
思い返せば、キャノンボールとダイトレ紀泉アルプス、奥駆道の連荘で脚を痛め、八ヶ岳帰りで熱中症、弥山川では両手の指全て凍傷になる結構大変な一年だった。
一日中、吐く時と突然の便意を催した時以外寝続けていた熱中症は、次の日にはスッカリ治っていたし、半年経ってようやく指先の感覚も戻ってきたけど、今でも思い出したかの様に足の裏に痺れが走る。
それでもボクは山に登り続けている。風雨に凍え、嵐に閉じ込められ、ヤマビルにたかられ、滑落して血を流しても。蜂に刺されるのはやっぱり嫌だけれど。
何故って聞かれたら「そこに山があるから?」なんて嘯いてみよう。
多分、何を言っても伝わらないだろうし、何よりボクがそれをしっかりと説明できるだけの言葉を持ち合せていないのだから。
遭遇:ナシ
呑み:ナシ
鋸山日本寺
エンドレスリピート
ルート:浜金谷駅14:31 - 鋸山登山口14:46 - 観月台14:56 - 日本寺15:38 - 山門16:30 - 保田駅16:55
コースタイム:2h24min
鋸山:329.4m
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ
気温:?℃
湿度:?%
目的:朱印
単独行
前日に最高気温40℃にも及ぶ甲府の街外れをウロウロうろつき廻ったツケで、キッチリと熱中症になっていた。それでも鋸山くらいの低山なら大丈夫だろうと、浜金谷の駅を降り立つ。
駅のホームからは驚異的なほどにそそり立つ採掘跡の絶壁が眺められ、鈍い頭痛が断続的に続くにも拘らず、山行意欲を湧かせるのだった。
途中、観光案内所「石の舎」でルートマップを頂く。それを見ながら安兵衛井戸と沢のコースから東の肩を目指し、地球が丸く見える展望台経由の日本寺行きと計画を立てた。沢沿いなら少しは涼しいだろうし、メボシイ箇所は一通り回れそうってのもあった。
人の流れから外れ、沢のコースへ向かう。しかし、今の体調では歩き通せるかどうか、ふと不安になり、最も短い距離で日本寺にたどり着ける関東ふれあいの道コースへと日和ってしまった。
それでも長い階段は体温をすぐさま上昇させ、観月台で息絶え絶えとなり、岩舞台方面への分岐でゲロを吐いた。
それでもなんとか日本寺北門下の休憩所で息を整えて、もうひとつの目的でもある日本寺に辿り着いたのだ。
北門前には外国人観光客がたむろし、そそり立つ磨崖仏を見上げ、集まっては写真を撮り、係の人にカタコトの日本語で案内を求めていた。
ボクはその停滞の間に日陰で涼を取り、汗を引かせ、呼吸を整えた。
山門で入山料を納め、納経所の位置を訪ねた。鋸山山頂に行く体力はなかったけど、御朱印だけは頂きたかった。
山門での停滞が良かったのかもしれない。歩き始めると山頂展望台へ向かうぐらいの気力を取り戻していることに気付く。わずかばかり上っただけでも吹く風は涼しさをもたらしてくれる。二度と見たくなかった陽の光射す木陰のない階段を上っていく。
採掘跡の切立った絶壁の上に立つ。標高400mにも満たない山だが、その人工的な高度感に眩暈を覚える。遠く遮るものなく、眼前に山々のつながりが拡がるのも、本当の高さ以上に高く思わせる要因だろう。ただ単に、千葉県には高い山がひとつとしてないってだけだが。
そんな山と呼べるような山のない房総半島を走る内房線の車窓より、美麗にして壮大な富士山が、東京湾越しに眺められるってのもなんとも皮肉な話だ。姿だけはハッキリと見えるのに、手を伸ばしても届かない高嶺の花だ。
もっとも千葉県民が、高い山を欲しがっているかどうかは定かではない。だがボクが千葉県在住なら、その間を隔てる東京湾を埋め立ててでも繋がりたいと思うかもしれないし、その形だけ似た伊豆半島は千葉県に所属するべきだと言いがかりをつけてでもその裾野を手に入れたいと思ったのかもしれない。
御朱印を頂きに、山門で聞いた納経所ヘ向った。
そこは巨大な石造の大仏が鎮座する広場の片隅にあった。
先ずは自販機で水分補給を済ませる。御朱印の乾きを待つ間、さらに一本購入した。
地獄のぞきの賑わいに比べ、日本寺境内はひっそりとしていた。
幾人かが御朱印を求め、去っていく。大仏の前にはラテン系の外国人が数人行き交うだけだ。
鋸山を切り崩して階段を造り、切通しを通して堂宇の建ち並ぶ平地を繋ぐ日本寺の境内は他の寺には見られない佇まいを見せている。
山中の諸堂を階段で繋ぐ配置は山寺のようでもあり、切出した採石所に仏が並ぶ様は大谷観音のようでもある。つまりはボクの好きな寺だってことだ。無漏窟、あせかき不動、西国観音に百躰観音と、山中に佇む諸仏をぐるり巡りたいのだが、それを体調が許してくれなかった。一刻でも早く表参道を下って、クーラーの効いたシートに身を沈めろと躰が求めていた。
観音堂や仁王門もろくすっぽ眺めることもなく、保田の駅を目指した。
陽は低く翳り、低木がその日差しを和らげ、海からの風がそよぐ。少し楽になった気がした。
それでも電車に乗込むと目眩を覚え、津田沼の街で寝込み、病院で点滴を打った。
思い返せば、キャノンボールとダイトレ紀泉アルプス、奥駆道の連荘で脚を痛め、八ヶ岳帰りで熱中症、弥山川では両手の指全て凍傷になる結構大変な一年だった。
一日中、吐く時と突然の便意を催した時以外寝続けていた熱中症は、次の日にはスッカリ治っていたし、半年経ってようやく指先の感覚も戻ってきたけど、今でも思い出したかの様に足の裏に痺れが走る。
それでもボクは山に登り続けている。風雨に凍え、嵐に閉じ込められ、ヤマビルにたかられ、滑落して血を流しても。蜂に刺されるのはやっぱり嫌だけれど。
何故って聞かれたら「そこに山があるから?」なんて嘯いてみよう。
多分、何を言っても伝わらないだろうし、何よりボクがそれをしっかりと説明できるだけの言葉を持ち合せていないのだから。
遭遇:ナシ
呑み:ナシ
鋸山日本寺
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