スキップしてメイン コンテンツに移動

比叡山前編

比叡アルプス
比叡山前編
比叡山後編

日程:2014/01/18-19(一泊二日)

ルート:壺笠山 - 滋賀里
コースタイム:?
山域:京都東北部

大比叡:848.3m
距離:?km
累積標高:?m
天候:雪のち晴れ
気温:?℃
湿度:?%
目的:例会山行
単独行

微かな傾斜が、そしてシルナイロンの滑らかさが、またもやボクの躰を隅っこへと追いやっていた朝を迎えた。
もちろん目覚めた理由は、幕布に触れた肘の冷たさでなく、昨夜セットしたアヒルの目覚ましでもなく、白々と明ける朝日の訪れですらなかった。それは昨夜飲み過ぎた芋焼酎の込上げと激しい尿意からだ。
我慢出来ずにファスナーを上げ、これ以上白いモノってないよなってくらいの白綿に、饐えた香りを放つ吐瀉物をブチまけた。
前回の教訓により、前室の深くに置いた乾いたシューズに足を入れ、まだ穢されてなどいない雪面に金色の文様を刻んだ。

10cmを超える思いがけずの積雪に、朝食の水問題は計らずも解決していた。
ラーメン風味の至極真っ当なラーメンを食べ、一夜の後始末をつけた。
雪量こそ多いが、雪は既に降り止んでおり、風もない。気温も高い。先週より劇的に凍傷が回復しているなんてことは全くないはずなんだけれど、素手で行うそれら作業も、音のないこの聖なる景色に呪いの言葉を吐きかける程には苦しみに満ちたものではなかった。

それでも降り積もった雪は、その冷たさでその先につながるはずの踏み跡をシッカリと隠し、その重みで高々と伸びているはずの梢を屈伏させ、その先へと進んで行きたいはずのボクを途方に暮れさせた。

どう進んでもその先にあるであろう路を見つけることが出来ずに、その先に続いているであろう街へと下る路を求めて再び昨夜辿った路を引返した。

無慈悲な雪にも負けずにハッキリと浮き出たそのトレースは、明かにボクの行く先を示してはいたのだけれど、その先は集合地点である比叡山坂本駅からドンドンと遠ざかるのも明確に示していたのだった。

少しでも目的地に近づく分岐を探しながら歩いた。そして杉の下枝が伐採された乱れた沢筋に、それを見つけることが出来たのだった。
明かにハイキングコースでは無く、林業の人しか足を踏み入れないであろうその路は、早くも雪解け水で溢れ、沢を渉りながら蛇行し続くトレースさえも川の一部と化していた。
靴を濡らさぬように水面より顔を出す石の上を渡り、時には踏み跡を外れ斜面をへつって行ったというのに、市街地に降り積もった雪は既にクサレまくり、どう歩いてもボクの靴下までぐっしょりと濡らさずにはおかなかったのだ。

遭遇:ナシ

呑み:京橋

コメント

このブログの人気の投稿

トゥエンティクロス終了のお知らせ

ルート:上野道取付 - 展望広場 - 掬星台 - 摩耶ビューテラス702 - 桜谷道 - 徳川道 - トゥエンティクロス - 新神戸 コースタイム:4h 55min(休憩時間を含む) 掬星台:692m 距離:?km 累積標高:?m 天候:雨一時豪雨 気温:? 湿度:? 目的:水遊び 単独行 「20+エライ事になっとうで」 シンちゃんからそう聞いたからには、そこに行かないわけにはいかなくなった。 何でも二十渉は、ここ連日のゲリラ豪雨により底なし沼と化しているそうだ。そして、そこで、クツを脱ぎ、膝まで砂に浸かり、腰まで沈み込んだところでようやく諦めて引返したという。 ナントカっていう動画(酔っ払っていたから何回も聞いたけど忘れた)で、底なし沼からの脱出方法を観ていたから大丈夫やったけど、知らんかったらホンマにヤバかった。先ず片脚を抜いて腹這に横たわり、腕を広げて沈み込まないようにしてもう片方の脚を引き抜くねん、なんて嬉々として語る。 それならボクはその先まで行ったろう、とその先までますます行かないわけにはいかなくなったのだった。 甲山へ走るというみんなとは別に二十渉を目指した。 始めは長峰から桜谷を抜け徳川から二十渉へ向おうと思っていたのだが、昨夜の2時過ぎまでの酒によるダルさと朝から降りそぼる雨に嫌気がさし、12時過ぎのスタートの上野道上りとなった。 「上りの報告と下山の報告は、ちゃんとしてや」の約束を守り、FBに入山届を上げた。 展望広場では早々に朝食兼昼飯となるガーリックトマトパスタを食す。 降り濡つ雨を避け、掬星台の702でビールを傾けながらFBに応える。そんな束の間の休息のうちに、雨脚は一際激しくなっていた。カウンターからソファーへ移り、ホットドッグにドリンクバーを追加した。そしてドッシリと腰を据え、宇宙兄弟を紐解いた。 もう帰ったろかなってのが正直本心だった。しかし、雨も小降りになった事だし、宇宙兄弟もアニメに忠実(アニメが漫画に忠実の間違い)でオモロかった事やし、気を取り直して、濡れそぼつ気にもなったわけだ。 雨の桜谷は、晴れの日よりもむしろ好ましかった。木に降り注ぐ雨が枝を伝い集まり、洞よりほとばしる様を眺めたり、路行くひとの歩みにより削り磨かれた窪みを、あたかもそこが滑床であるかのよう...

紀ノ川水系下多古川 本谷遡行 一日目 2020年6月6日

六月も初めだというのに全国各地で真夏日をたたき出す猛暑が続くなか、これはもう沢だな、と沢装備を整え出社する。 沢足袋のフェルトを張替えていなかったなと、石井スポーツで草鞋を買って大峰を目指した。 「関西起点 沢登りルート100」が見当たらないのでネットで適当に遡行図を探すが途中までのものしか見つからない。 初心者向けの容易な沢で登山道も沢筋に付いているみたいなことが書かれているから、オンサイトで大丈夫だろうとろくに情報も集めずに旅だった。 これがまたえらい苦労する羽目になろうなどとは何も知らずに。 沢沿いに今なお残る集落を抜け川をまたぐと一軒の建物が目についた。 確か川を渡ってすぐぐらいのところが取付きだったよな、うろ覚えの遡行図を思いだし、簡易浄水場の横から続く踏み跡をなぞって入渓した。 朽ち果てた取水口を越えるとすぐ、滝に出会った。 沢足袋に履き替え、草鞋を結ぶ。妙に鼻緒が短くて履きにくい。 念のためi-padで遡行図を確認する。6mの斜瀑(F1)とある。確かに6mくらいの高さだが、斜瀑というかふつうに滝だ。 直登できなくはないが、シャワークライムを強いられる。 思ったよりも気温が低いし日差しもない。入渓したばかりで体も温まっていないのに滝に打たれるのはいややなと、右岸の草付きを捲く。これが見た目以上に悪い。岩の上にうっすらと土がのり、頼りなげに草が生えている程度だった。 手掛かりになる樹根はおろか、幼木ですらほとんど手の届く範囲にはない。 それでも登れそうなポイントを探し、左へ左へとトラバースしていく。しかし、楽に登れそうなところは見つからず、心が折れた。 しかたがない。直登しようと緩んだ草鞋を結びなおした。 途端に鼻緒が切れた。ブチッとした手触りと共に、ボクの張りつめた気持ちも切れた瞬間だった。 取水口より手前まで戻り、今度は左岸を高捲く。獣道やもしれぬかすかな踏み跡をみつけ、たどる。 F1を越えて再び沢へ下りたいのだが、どれだけ探しても下りられそうなルートがない。捨て縄でも張れば別だが、戻ってこないので回収もできない。 下りられないのなら上を目指すしかない。どこかに登山道がついているかもしれないし、いっそ...

山カフェ、メニュー追加しました 2019年10月02日

Leica M8 Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 MC ビアレッティのブリッカを購入しました。 最初、極細挽きに挽いたマンデリンで淹れたのですが、いまいちでした。 粉っぽいし。 エスプレッソ用の豆を細挽きで淹れるといい感じ。 Leica M8 Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 MC Leica M8 Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4 MC 日程:2019/10/02(日帰り) ルート:十善寺1309 - 一王山山頂1315 - 十善寺1401 コースタイム:0h 52min(休憩時間を含む) 地形図:神戸首部 距離:?km 累積標高:?m 天候:曇り 気温:?℃ 湿度:? 目的:山カフェ 単独行 高田屋旭店(水道筋)★★★★ チンタ(水道筋)★★★★