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比叡アルプス

比叡アルプス
比叡山前編
比叡山後編

日程:2014/01/18-19(一泊二日)

ルート:地蔵谷不動尊 - 比叡アルプス - 精華大叡山閣 - 東海自然歩道 - 壺笠山
コースタイム:?
山域:京都東北部

壺笠山:421m
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れのち雪
気温:?℃
湿度:?%
目的:例会山行
単独行

所属山岳会の例会を控えて、前日から滋賀へ入った。
待合せに間に合える自信なんて全くなかったし、せっかく滋賀まで出向くのだから他の山も少しは愉しんで於きたいって気持ちもあったからだ。
目的地は比叡アルプス。翌日比叡山山行だから、前々から行こうと思い続けていたココを選んでみた。

京阪出町柳駅で降り、志賀越道を辿る。
すぐに街を抜け、山道へと差し掛かる。冗長な、退屈なだけの峠道。車の量が多く、沢沿いには倒壊した護岸や廃墟が建ち並ぶ。

やがて見えてきた地蔵谷不動尊を参拝し、山行の安全を祈る。お堂の横にある寺務所では温泉に浸かることもできるようだが汗をかいた訳でもないし、こちらへ下山した時のためにこんなところもあるんだってぐらいに記憶にだけ留めておく。

予めネットで取付きを調べていたのだが、それらしき路は川沿いに建つ倉庫のような建物の敷地に入らなければならないようだった。念のため沢の上流も見遣るが、倒木が行手を遮っているし、何処まで行っても沢を渉れそうにはなかった。
少し後ろめたい気持ちを抱きながら、敷地に忍び込む。小屋を回り込むと、急峻な斜面に微かな踏み跡のようなものがポツリポツリと続いていた。木立を掴み、蔦を頼りに這い上がると尾根筋にはシッカリとしたルートが続いている。人の歩みに因るのか、ガリーが崩れ落ち落葉が堆積していったのか、はたまた全く別の理由に出来たのか分からないが、明かに登山道となっているその窪みを辿っていった。
ちょっとしたピークを越え、支尾根と別れる踏み跡を見かける度に地形図を取出し、ボクの歩むべき路を確認した。

アルプスと名乗るのはおこがましいくらいの岩塊を越え、アルプスとあるには名前負けするくらい眺望の無き痩せ尾根を進んだ。やがてダブルトラックの緩やかな斜面の連なりに変わり、チャリの轍が幾つも刻まれるようになってきた。今回目指したアルプスを偽る箇所よりも、むしろ思わず走り出してしまうこの区間の方が遥かに楽しかった。

精華大叡山閣の駐車場でお茶を買う。この先水場を見つけられないことも考えて、スポーツドリンクも買い足した。
本当は地蔵谷不動院で手水鉢からでも水を汲んで行こうと思っていたのに当てが外れて給水し損ねていたから、今晩の食事と明日の朝食を作るまでに十分な水はとてもじゃないけど持合せてなどいなかった。最悪、お茶でパスタを茹で、ラーメンを作れば良いかと思っていた。スポドリ風味のラーメンなんて、かつて花隈にあった世界一不味いラーメン屋にでもアリソウナ食事だけはゴメンだったから、まず先にスポーツドリンクを開けたのだった。

料金所の横を抜け、平行にはしる東海自然歩道を行く。倒木を回収した監視車両が横を抜けて行く。先週の降雪で路が荒れているかもしれないとも思ったが、それは杞憂に終わり、積雪すら一日中日の当たらぬ山深い谷間に少し見掛けるくらいで、何の問題もなかった。
ただ、己れのカンを頼りにシルバはおろか地形図すら眺めずに歩んで行く先は、明かに滋賀の街へと続く林道だってコトだけが問題だった。
そこでようやく地形図を取出す。そこで目指す壺笠山は右手に連なる尾根の続きであろうと目星を付けて、踏み跡を、ルートを示すテープを探し歩いた。

そして森林管理の杣道であろう踏み跡を見つけ、そこから尾根を目指した。尾根の上にはこれ以上ないってくらいシッカリとしたトレースが続き、「綿屋彦太郎」の石柱が、東海自然歩道を示す立派な標識が、なぜこの路を踏み損ねてしまったのだろうと思わせるくらいにキッチリとそこに佇み、あるいは設えてあった。

ここからの問題は既に壺笠山を通り過ぎているのか、まだなのかってところだった。ボクはまず、通り過ぎたって前提で引返し登った。通り越していたにしても僅かな距離だろうし、トコトン下った後でまた引返すってのはどう考えても無駄だったからだ。
実際のところ、通り越してなどいなかったのだけれど、途中に目を愉しませる歴史の遺物も見掛けたし、その間違いも無駄なんて思えなかった。ただ、この路は何処から入らなければならなかったのかだけが不思議だった。

日暮れと共に雪が舞い出した。
またかって毒づく。雪山を避けて低山を選んでいるのにトコトン雪に縁がある。
壺笠山山頂直下の平場でシェルターを広げた。辺りは薄っすらと色を隠し始めている。昼間のあの陽気は何処にいってしまったのだろうと独りごちながら、お茶風味のパスタを啜った。

遭遇:ナシ

呑み:壺笠山テン場

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