PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
山の夜は早い。
西の尾根に陽が陰り、窓から明りが差し込まなくなったころ、もはや誰も訪れないだろうと思い出したころに、小屋の戸を開ける人影が差した。
香川からやってきたと云う方との会話を切り、そちらに眼をやる。
そこには穴吹から同じバスに乗っていたであろう、眠気に任せほとんど見ずに虚ろに眺めていたその姿があった。
「同じバスでしたよね」声を掛けられる。記憶は確かだったのか、と思い、肯定の言葉を返した。
香川の方は、三嶺から登り、剣山へ向うのだと言う。同じバスだった女性は、三嶺を越えて名頃へ下りるのだと言った。
ボクは綱附森へ登り、アリラン峠を越えて矢筈山に登り返して、京柱峠へ下る予定にしていた。
しかし今日の天候の悪さからその気はとっくに失せてしまっていた。三嶺の山頂を踏んだら、もう下りてもいいと思い直してさえ、いた。
それでも、そう思っていても、さも他のルートも知っておきたい態を装い、それこそ、その他のルートの状況やバスの時刻などを聞きだすのだった。
山の夜明けもまた早い。
前夜の予告通り、夜明け前から旅立ちの用意をする気配があった。
バスに間に合うように、歩みが遅いから早めに旅立つ予定ですと、聞いていた。昨晩の交流の中で聞いていた。
でもボクは、夜明け前に行動する気などさらさらないので、ストーブの燃焼音が響くなか、再び眠りについた。
小屋の中がほのかに明るくなりだして、ようやくボクは起きだす。そろそろ起きてもいいかも、と思い始めた。
火を使わなくても済むような味気ない朝食をすまし、早朝の景色を眺めに小屋を出る。
「明日は晴れる予報ですよ」
スマホを持たないボクに、香川の方は言った。好天の笹原を歩きたいがために引き返そうか、と云うボクの言葉を真に受けてか、それを否定してか、そう言ったのだった。
「ここから先も笹原歩きですよ」
そう言った。ボクについてきて欲しくないようにそう言った。三嶺方面へ促すように、そう導くように、冗談のようにそう語った言葉に、そう返された。
確かにこの先にも素晴らしき笹原が広がっていた。引き返さずにもそこを歩んでいた景色程に、同じく美しき笹原が広がっていた。永遠と思える程にそれは続いていた。
その素晴らしき風景を抜けて、それ程素晴らしくもない下山路を辿り、何らかの復旧作業中の林道らしき道を歩み、いきなりバス停の前に出た。
そこに、一夜を共にした女の子がいた。名頃のバス停に降りると言った、彼女がいたのだった。
乗換の久保のバス停で再び遭遇したのだった。名頃のバス停からバスに乗り、ここで乗り換えるのだそうだ。
行きしのバスでは一言も言葉を交わさなかった女性と、姿すらろくに見ようとしなかった彼女と、大歩危までの小一時間ほど、正確に言えば一時間と十分、行きしのバスで話さなかった時間を埋めるかのごとく、言葉を交わし続けたのだ。
その娘は香川の友達の元を目指して、ボクはお遍路を再開すべく高知を目指す。ボクの教えたうどん屋を目指して讃岐に向う彼女と別れて、二日ぶりの入浴を求めて土佐の銭湯を目指した。
そんなボクのGWの前半。前半戦。前哨戦。戦うボクの、ボクの弱さと、小さきボクジシンと、自らと戦うボクの、GWの前半の3日間を、ここで終えた。
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
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PENTAX K-1 smc PENTAX-DA☆ 200mm F2.8ED [IF] SDM
PENTAX K-1 smc PENTAX-DA☆ 200mm F2.8ED [IF] SDM
日程:2018/04/27-28(一泊二日)
ルート:白髭避難小屋0553 - 韮生越0619 - カヤハゲ0628 - 三嶺山頂0714 - 大タオ0756 - 西熊山0824 - お亀岩0843 - お亀岩ヒュッテ0902 - 天狗峠0927 - 久保分岐0932 - 天狗塚山頂0948 - 久保分岐1008 - 1476m地点1035 - 天狗塚登山口1052 - 林道阿佐名頃線(西山林道) - 久保バス停1214
コースタイム: 6h.21min (休憩時間を含む)
剣山 1,955m 日本百名山
次郎笈 200m
丸石 1,683.8m
高ノ瀬 1,740.8m
平和丸 1,700.8m
三嶺(みうね/さんれい) 1,894m 日本二百名山 四国百名山
天狗塚 1,812m 四国百名山、とくしま88景選定
地形図:剣山、北川、久保沼井、京上
距離:17.35km
累積標高:?m
天候:快晴
気温:?℃
湿度:?%
目的:剣山三嶺縦走
単独行
四国交通バス 久保 - 大歩危駅 ¥1,240
JR大歩危 - JR高知 ¥1,280
高砂湯¥400
歩危マート2号店(大歩危)★★
焼鳥せいわ(高知)★★★
山の夜は早い。
西の尾根に陽が陰り、窓から明りが差し込まなくなったころ、もはや誰も訪れないだろうと思い出したころに、小屋の戸を開ける人影が差した。
香川からやってきたと云う方との会話を切り、そちらに眼をやる。
そこには穴吹から同じバスに乗っていたであろう、眠気に任せほとんど見ずに虚ろに眺めていたその姿があった。
「同じバスでしたよね」声を掛けられる。記憶は確かだったのか、と思い、肯定の言葉を返した。
香川の方は、三嶺から登り、剣山へ向うのだと言う。同じバスだった女性は、三嶺を越えて名頃へ下りるのだと言った。
ボクは綱附森へ登り、アリラン峠を越えて矢筈山に登り返して、京柱峠へ下る予定にしていた。
しかし今日の天候の悪さからその気はとっくに失せてしまっていた。三嶺の山頂を踏んだら、もう下りてもいいと思い直してさえ、いた。
それでも、そう思っていても、さも他のルートも知っておきたい態を装い、それこそ、その他のルートの状況やバスの時刻などを聞きだすのだった。
山の夜明けもまた早い。
前夜の予告通り、夜明け前から旅立ちの用意をする気配があった。
バスに間に合うように、歩みが遅いから早めに旅立つ予定ですと、聞いていた。昨晩の交流の中で聞いていた。
でもボクは、夜明け前に行動する気などさらさらないので、ストーブの燃焼音が響くなか、再び眠りについた。
小屋の中がほのかに明るくなりだして、ようやくボクは起きだす。そろそろ起きてもいいかも、と思い始めた。
火を使わなくても済むような味気ない朝食をすまし、早朝の景色を眺めに小屋を出る。
「明日は晴れる予報ですよ」
スマホを持たないボクに、香川の方は言った。好天の笹原を歩きたいがために引き返そうか、と云うボクの言葉を真に受けてか、それを否定してか、そう言ったのだった。
「ここから先も笹原歩きですよ」
そう言った。ボクについてきて欲しくないようにそう言った。三嶺方面へ促すように、そう導くように、冗談のようにそう語った言葉に、そう返された。
確かにこの先にも素晴らしき笹原が広がっていた。引き返さずにもそこを歩んでいた景色程に、同じく美しき笹原が広がっていた。永遠と思える程にそれは続いていた。
その素晴らしき風景を抜けて、それ程素晴らしくもない下山路を辿り、何らかの復旧作業中の林道らしき道を歩み、いきなりバス停の前に出た。
そこに、一夜を共にした女の子がいた。名頃のバス停に降りると言った、彼女がいたのだった。
乗換の久保のバス停で再び遭遇したのだった。名頃のバス停からバスに乗り、ここで乗り換えるのだそうだ。
行きしのバスでは一言も言葉を交わさなかった女性と、姿すらろくに見ようとしなかった彼女と、大歩危までの小一時間ほど、正確に言えば一時間と十分、行きしのバスで話さなかった時間を埋めるかのごとく、言葉を交わし続けたのだ。
その娘は香川の友達の元を目指して、ボクはお遍路を再開すべく高知を目指す。ボクの教えたうどん屋を目指して讃岐に向う彼女と別れて、二日ぶりの入浴を求めて土佐の銭湯を目指した。
そんなボクのGWの前半。前半戦。前哨戦。戦うボクの、ボクの弱さと、小さきボクジシンと、自らと戦うボクの、GWの前半の3日間を、ここで終えた。
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8
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PENTAX K-1 smc PENTAX-DA☆ 200mm F2.8ED [IF] SDM
PENTAX K-1 smc PENTAX-DA☆ 200mm F2.8ED [IF] SDM
日程:2018/04/27-28(一泊二日)
ルート:白髭避難小屋0553 - 韮生越0619 - カヤハゲ0628 - 三嶺山頂0714 - 大タオ0756 - 西熊山0824 - お亀岩0843 - お亀岩ヒュッテ0902 - 天狗峠0927 - 久保分岐0932 - 天狗塚山頂0948 - 久保分岐1008 - 1476m地点1035 - 天狗塚登山口1052 - 林道阿佐名頃線(西山林道) - 久保バス停1214
コースタイム: 6h.21min (休憩時間を含む)
剣山 1,955m 日本百名山
次郎笈 200m
丸石 1,683.8m
高ノ瀬 1,740.8m
平和丸 1,700.8m
三嶺(みうね/さんれい) 1,894m 日本二百名山 四国百名山
天狗塚 1,812m 四国百名山、とくしま88景選定
地形図:剣山、北川、久保沼井、京上
距離:17.35km
累積標高:?m
天候:快晴
気温:?℃
湿度:?%
目的:剣山三嶺縦走
単独行
四国交通バス 久保 - 大歩危駅 ¥1,240
JR大歩危 - JR高知 ¥1,280
高砂湯¥400
歩危マート2号店(大歩危)★★
焼鳥せいわ(高知)★★★
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