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ランタオピーク(鳳凰山)行山徑  2018年05月23日

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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


やはり香港では、迷うが定め、と決まっているらしい。

鳳凰山の登山口、石門甲に辿り着いたのは午後二時(現地時間)の少し前。ここに至るまでには、例によって例のごとく紆余曲折があった。紆余っていて曲折していた。

大体東涌の道ってのが解り難い。元々、寺と漁村しかないような島に空港を造ったもんだから、車ありきの道路計画。交差点はラウンドアバウトで横断歩道が無かったり、そもそも自動車専用道路で歩道自体無かったり、道がやたらくねくねくねっているせいで方向感覚が失われる。
裕東路に出れば、無闇に広い歩道には布団や洗濯物が干され、海産物だか農産物だかが拡げられて乾物へと化している。

そんな道を歩きながら、どこかで食事を摂れやしないだろうか、と彷徨い歩いていたのだった。登山口に至る前に何か腹の中に収めておかなくては、と思っていたのだった。

一軒の印度料理屋を見付けた。香港に来て何で印度料理屋って思われるかも知れないけど、それはそれ、印度も香港も知っての通り英国の統治下にあった国で、したがって香港には案外印度人が多い。びっくりするくらい印度人が多い。本当はそれほど多くはない。それでも印度料理屋もまたそれなりに多いのだ。

その一軒目の印度料理屋を覗くも満席。その隣の泰料理やは開いていない。更に隣の印度料理屋には席に空きがあった。

かぼちゃのスープから始まり、ラム肉のカリーをナンで掬いながら頂く。ナンに添えられた筒状の物は何かと食べてみると、マッシュポテトを皮で包み焼いたものだ。後々思うとそれが春巻と書かれていたものだった。そして最後にたっぷりのアイスカフェオレで喉を潤した。
濃いめに入れられたコーヒーにガムを加えながら飲み干していく。これが想像以上に旨かった。生のハーブやたっぷりとスパイスを使った料理も旨かったのだ、カフェオレが又旨かった。実に旨かった。そのせいで後々大変な失敗をすることとなるのだった。

東涌道を逸れ、石門甲道に入る。石門甲のバス停前の喫茶店のような店を横目に通り過ぎた。道は傾斜を強め、とたんに汗が噴き出す。羅漢寺の案内を見送ったのは、予定外に時間が掛っていたからだ。

水を買い忘れていることに気付いたのは、ハイキングコースを戻るのはしんどいな、と思うくらい登った後だった。香港特有のむっとする湿度と、肌をじりじりと焼く強烈な日差しを避けて、木陰で休憩した時だった。
甘地印度餐庁で飲んだカフェオレで喉の渇きを潤し、満足しきっていたボクの体は、水を買う事を忘れさせるくらいに満足しきっていたのだ。

脱水だけは気を付けなければ、熱中症にならないようにしなければ、その思いは意識すればするほど強くなり、暑さにやられ込上げてくる吐き気すらも吐き出すのがもったいなく感じられるのだった。

地塘仔の寺院群を抜けていく。鳳凰山山頂への道は、この寺院群を抜けて直ぐ位のところからだ。その道はバリルートであり、「大嶼山 及 鄰近島嶼」には載っていない。ネットで知った道なのだが、それも出発の前日のことだった。
だから十分に調べが付いていたとは云えない。それでもなんとかなると思っていた。それ以上に水がないことの方が深刻だった。

だから二手に分かれた道を上に向かい、再び元の道に合流した先に「昂坪」の標識を見て引返したのも無理のないことだった。

途中に幾つか分岐があった。明かに人が歩いた跡だ。そのどれかを辿れば山頂へ至るルートに出るのでは、と期待した。

畑のような土地を抜け、墓に行きあたり引返す。
本命はこっちだからいいもんね、と亀甲墓の横を通り過ぎ、赤テープを辿って、フィックスロープの助けを借りた。

テーブルとベンチがある展望所に出た。
少し休もうと、息を整える。何んとも立派な亀甲墓が東涌の街を見下ろしている。その少し先には小ぶりな墓が建てられていた。そしてそこが行止りだった。その先に道は続いていなかった。デッドエンドだった。

それこそ勿怪の幸いと山を下る。今来た道を引返す。
水を忘れてから引返す理由を探していた。だからこれこそ渡りに船と思ったのだ。

そしてサン・ミゲール(330ml 10HK$)を飲む。石門甲のバス停前の喫茶店のような店で買ったやつだ。水水云っていても下りればやっぱりビールだ。
ここには甘い緑茶も売っていた。冷え冷えに冷えた甘い緑茶が、だ。

何故それを買って登らなかったのか、不思議でならない。


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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


帰りに寄ろうと思っていたら閉まっていた
現地時間16時まで
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


香港の山でよく見かける山火事を消す例のアレ
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車は入れないと思われ
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


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地塘仔郊遊徑分岐
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お山のなかにはお寺がいっぱい
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


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「嗤嗤嗤、你走錯了路(ぷぷぷ、道、間違えてやんの)」ってバカにされている気がする
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最初に間違えて行った墓
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道端にあった亀甲墓
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つぎはこの山(爛頭營18號營地)に登りたい
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


こっちに登る予定だった
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


東涌を見おろす
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


赤テープがあったらルートだと思うがな
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


フィックスロープもあるし
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


はい、でた、でました、亀甲墓
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


香港も沖縄も眺めのよいところに亀甲墓を建てている
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


行きしとは別ルート
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


水吟橋の分岐
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


こっちへ行くと爛頭營18號營地方面への縦走路
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


沢があるが綺麗とは云えない
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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


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PENTAX K-1 SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM


東涌から見上げるランタオピーク
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


ひとりで食べるには量大杉
上に乗ってるもわもわしたのは、豚肉を甘くほぐした例のアレ
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PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8


2018/05/23(日帰り)
ルート:東涌市中心 - 東涌道 - 石門甲道 - 石門甲1451(JST) - 羅漢寺1455(JST) - 法門古道 - 地塘仔郊遊徑分岐1518(JST) - 地塘仔1523(JST) - 亀甲墓1623(JST) - 法門古道 - 水吟橋1648(JST) - 地塘仔郊遊徑分岐1650(JST) - 法門古道 - 羅漢寺1705(JST) - 石門甲1712(JST)
コースタイム: 2h.21min(撮影時間を含む)
鳳凰山:934m
地形図:大嶼山 及 鄰近島嶼

距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ
気温:?℃
湿度:?%
目的:ピークハント
単独行

peach 関西空港 - 香港国際空港 ¥3,690+¥1,230+¥310
peach 香港国際空港 - 関西空港 ¥3,690+¥1,790+¥680+¥1,350

巴士 
S64 一號及二號客運大樓 - 東涌市中心 3.6HK$
34 石門甲 - 逸東邨 4.3HK$
S1 東涌市中心 - 一號及二號客運大樓 3.5HK$

甘地印度餐庁★★★ Special Set Lunch 60HK$+10%
金泰屋★★★ タイ式パイナップルシーフード炒飯、シンハビール 88HK$+25HK$+10%

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