スキップしてメイン コンテンツに移動

YTK 大峯遅駆道100kmハイク壹日目

YTK 大峯遅駆道100kmハイク壹日目
YTK 大峯遅駆道100kmハイク貳日目
YTK 大峯遅駆道100kmハイク參日目
YTK 大峯遅駆道100kmハイク肆日目

ルート:近鉄吉野駅 - 吉野山 - 金峯神社 - 二蔵宿 - 五番関 - 洞辻茶屋 - 山上ヶ岳 - 頂上お花畑 - 日本岩 - レンゲ辻 - 頂上お花畑 - 大峯山寺 - 投地蔵辻
日程:20130503-06(三泊四日)
コースタイム:h min(最終日、休憩時間を含む)
山上ヶ岳:1,719m
距離: ?km
累積標高: ?m
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:100kmハイク
単独行


昨年と同様に紀伊田辺へ前乗りし、始発のバスで熊野本宮を目指すつもりだったのだが、仕事がおして紀伊田辺まで行くことが出来なくなった。それどころか吉野への終電すら間に合わずに、近鉄吉野の改札を抜けたのは日がとうに高く上った10時過ぎだった。


上千本の遅咲きの桜を眺めながらのんびりと上り、奥千本で早くもお昼のおにぎりを頬張った。
金峯神社を越えると、いよいよ山に踏み入ったって感じになるのだが、ボクは奥駈道を外し、あえて車道を歩く。それは、味気ない山食にワラビなどの山菜で彩りを加えようと思ったからだ。
しかし、今年は地元の人たちに採られ尽していてあまりない。それでも在来道から上がるまでには、小さな袋に八分目くらいと、タラの芽をふたつほど採取出来ていた。


以前、大規模崩落により通行止めとなっていた在来道が通れるようになっていたので、そちらへ向かう。大した眺望もなく面白味の欠ける大天井ヶ岳を迂回してかつ、水場が二つもあるという素晴らしきその路は、開通したと云っても崩落の痕が生々しく残り、沢をへつる巻道もなく、いちいち下りまた上る事を強要する。しかも水場に行くには引きかえさねばならないとあって、まだまだ水に余裕があるボクはパスして進んだ。


山上ヶ岳を目指す前に洞辻茶屋で酒を補給して、ひと休み。あとひとときも経てば日も暮れると云うのに、洞川へ下りるのか、宿坊に泊まるつもりなのかは分からないが、のんびりとビールを呑むひと、茹で卵を頼み配るひと、湯気の立ち上るうどんを啜るひと、こんにゃくを頼もうかと悩むボク、と意外に賑わっている。
思わずくつろいでしまったが、ボクは宿坊に泊まるわけでもないし、洞川へ下りるわけでもないのだから、あまりのんびりするわけにもいかない。今日の宿泊予定地は小笹宿。水場マークのついた小粋な宿だ。まだ行ったことないけど。きっと。
だが、そこに辿りつくには、もうあとひとつ、山上ヶ岳を越えなければならない。


大峯山寺も扉を閉めようとしていた。
確か、お花畑の向うからだったよな。以前、山上ヶ岳を訪れた時、お花畑を越えて大峯山寺を参拝したのを思い出す。その時は吉野へ向かう路が分らなくて彷徨い、覗いた一軒の宿坊でビールを傾けながら吉野への案内をして貰ったのだった。なぜ迷ったのか不思議だが、今となってはそれも良い思い出。


稲村ヶ岳への分岐を過ぎ、日本岩へ出る。あの見目よい山が弥山だろうか、黄昏時の絶景をつかの間楽しむ。それで奥駈はどこだ。お花畑の踏み跡を戻り、他の分岐を探す。しかし稲村ヶ岳への路しか見つからない。
大峯山寺へ戻る。これは柏木の集落へ下りる路。違う。前回と同じ轍を踏む。宿坊辺りから分岐があるのか。階段を下り、建ち並ぶ宿の前に出る。炊事場に人影が差す。薄く開けられた窓からは並べられた布団が覗く。とてもじゃないがビールを呑みながら路を尋ねられるような雰囲気ではなかった。

赤みを帯びた空は、いよいよ深い青へと染め上げられていく。
なぜこんな所で迷う。焦りが募る。確かにお花畑から大峯山寺に出た。となると、稲村ヶ岳方面から来た以外にありえない。途中の山小屋辺りで水も汲めたから多分こっちで問題ない。間違っていたら戻ればいいだけだ。フォーカストビバークでありたい。フォーストビバークをしたくない。寝る場所は自分で決めたい。仕方なく、そこで寝ざるを得ない辛さは身に滲みていた。そしてその立場へのカウントダウンは、暮れ行く夕日と共に始まっていた。


レンゲ辻へ向けて階段を下りていった。
夕闇を抜ける風は涼しさを増し、身震いさせた。バックパックより雨具を取り出し羽織る。その短い時間だけでも、頭を冷やし切り替えるのには十分だった。
前回、大峯山寺を訪れたのは、弥山からではなかった事をようやく思い出す。モジキ谷を登り詰め、稲村ヶ岳から吉野へ抜けたのがそれだ。そう、稲村ヶ岳から来たのだ。だから、そちらに稲村ヶ岳があるのは当然であり、そちらに奥駈が続かぬことも必然の帰結だった。
そうして消去法で柏木へ向かう。吉野へ下りた時の頭が残っていたから、端からこの路は違うと思い込んでいた。しかし残る路はここしかないのだから、ここが奥駈道だってことだ。

まだヘッデンを灯すほど暗くはなかった。だが間もなく夜の帳が下りてくるだろう。そうしたのなら、あっという間に闇に包まれてしまう。その前にツェルトを張ってしまいたい。出来るだけ風を避けられ、平坦な、張り綱を延ばし易いように立木が立つ場所を探しながら歩いた。
小笹宿の少し手前。そこは投地蔵辻の辺りであろうか。トレイルの脇に、岩塊が風を遮る平場が拡がっていた。手頃な立木もある。地面も枯葉に覆われ柔らかい。小枝を退ける位で整地も終わった。早々とツェルトを張り、夕飯の用意に取り掛かる。
そしてここで重大な失敗に気づいた。コッヘルを忘れてきていた。家を出る直前に、酒を呑む用とサイドに突っ込んできたマッコリカップがなければ、いきなり下山を強いられる事態だった。


ワラビを煮こぼしラーメンの具にする。もちろん重曹など持ち合わせていないから完全に灰汁抜きするのは無理だ。それでもしゃきしゃきした食感と噛みしめる度に広がる滑りは、ああ、山に来たんだなって気分を盛り上げてくれた。

---------- 反省会 ----------

コッヘルを忘れてきた。それは一切の食事を出来ないことを意味していた。あるのは4日分の行動食のみ。これで本宮まで行くのは不可能。カロリー的にも、それ以上に気力的にも。
ただ、酒飲用にと白馬堂さんで買うた、なんでもマッコリを呑む用の器ですっていうアルミ製のシエラカップと同じサイズのものを持って来たが故に、事なきを得た。
それでもマッコリカップで三泊四日、パスタなり、ラーメンなり、山菜なりを、何不自由なく食せたのだから、忘れてきたことは大いに反省すべきだか、特に問題はなかった。酒もトレイルミックスを入れてきた焼酎の空きペットボトルを使ったので問題なしだし。
それでも少量ずつしか茹でられなかったり、吹きこぼれやすかったりするから、やはりコッヘルは持って行った方がいい。

遭遇:山菜採りの地元民

呑み:洞辻茶屋 - 幕営地

4日間の摂取カロリー
トレイルミックス(ミックスナッツ&フルーツグラノラ)220ml 416kcalx3
バナナチップス 686kcal
BCAA2000mg 12.9kcalx10
アメちゃん 16kcalx22
スニッカーズ 270kcal
MULEBAR 197kcal
カロリーメイト(フルーツ味、ポテト味) 100kcalx4
いかくん 200kcal
おにぎり(梅、鮭、ふりかけ)x各1 180kcalx3
早ゆでマカロニ 250g 895kcal
サラスパ100g 358kcal
ナポリタンソース 234kcal
カルボナーラソース 203kcal
醤油とんこつラーメン 301kcalx2
豚骨ラーメン 414kcal
からしみそラーメン 376kcal
ラーメンの具 56kcal
五目釜めし 315kcal
タラの芽 1kcalx2
ワラビ 100g 15kcal
麦焼酎900ml 1,310kcal
日本酒500ml 525kcal
日本酒1合 189kcal
ネクター280g 129kcal

計9,645kcal

コメント

このブログの人気の投稿

南北ドントリッジ下見

日程:2014/10/08(日帰り) ルート:長峰霊園 - 摩耶東谷 - 山寺尾根 - 掬星台 - 桜谷道 - 徳川道 - 北ドントリッジ - 分水嶺越林道 - 布引道 - 新神戸駅 コースタイム:04h 04min(休憩時間を含む) 距離:13.179km 累積標高:1,054m 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:例会山行下見 単独行 例会山行のリーダに指名されたからにはヤラざるを得ない。もちろんやること自体は、ヤブサカデハナイ。 「山羊戸渡」を要望されていたのだが、なんかみんなに過大評価している感、満載なルートなだけに気持ちがどうにもこうにも盛上らない。 って云うか、かつてそんな多大なる期待を受けて連れて行ったのに、その数多過ぎる所期を満たすことなんてとても出来やしなくて、ガッカリルートに認定されたことからも気持ちが萎えてしまう。 結局、余り足を踏み入れないコースを案内しますよ、なんて言葉を濁す。とどのつまり「山羊戸渡」までのアプローチの長さ故にダレタ気持ちを、その先から続くひたすらシンドイだけのアルバイトに過ぎない行程を満足させられるだけの力量を持ち合わせていないってコトだけのことだ。 で、選んだのは、摩耶東谷から南北ドントリッジへと続くルート。 ボクは通常、摩耶東谷を辿る時は、日本三大廃墟として名高い「マヤカン」へと詰めるのだが、一応、立入禁止となっている個人所有の敷地へと不法侵入すべく皆を連れて行くわけにも行かず、かと云って摩耶東谷を通しても、最終的にシンドイだけの藪漕ぎになるので、少しはマシだろうと山寺尾根へ抜けるルートを選択した。 通常、ボクひとりで上るのなら、摩耶東谷を谷通しで行くのだが、同行者が居るとなるとそうも行かない。摩耶東谷より入渓し、堰堤を捲いたところで山寺尾根との分岐へと戻った。そこで堰堤工事を知る。この路へは立入禁止だと知った。 山寺尾根をそのまま辿り、途中の広場から摩耶東谷へ下りる路を調べた。だがそこも、人を連れて行くにはどうかなって、路だった。 だからボクは、谷通しで良いかなって思った。 谷を歩く内は涼しくて良かった。だが、一度沢を外れ尾根を伝うと、その急勾配ゆえに、晩秋とは云え、まだまだ激しく照りつける日差しゆえに、段々と消耗していった。 今日はとても暑い日で、リュックの重

紀ノ川水系下多古川 本谷遡行 一日目 2020年6月6日

六月も初めだというのに全国各地で真夏日をたたき出す猛暑が続くなか、これはもう沢だな、と沢装備を整え出社する。 沢足袋のフェルトを張替えていなかったなと、石井スポーツで草鞋を買って大峰を目指した。 「関西起点 沢登りルート100」が見当たらないのでネットで適当に遡行図を探すが途中までのものしか見つからない。 初心者向けの容易な沢で登山道も沢筋に付いているみたいなことが書かれているから、オンサイトで大丈夫だろうとろくに情報も集めずに旅だった。 これがまたえらい苦労する羽目になろうなどとは何も知らずに。 沢沿いに今なお残る集落を抜け川をまたぐと一軒の建物が目についた。 確か川を渡ってすぐぐらいのところが取付きだったよな、うろ覚えの遡行図を思いだし、簡易浄水場の横から続く踏み跡をなぞって入渓した。 朽ち果てた取水口を越えるとすぐ、滝に出会った。 沢足袋に履き替え、草鞋を結ぶ。妙に鼻緒が短くて履きにくい。 念のためi-padで遡行図を確認する。6mの斜瀑(F1)とある。確かに6mくらいの高さだが、斜瀑というかふつうに滝だ。 直登できなくはないが、シャワークライムを強いられる。 思ったよりも気温が低いし日差しもない。入渓したばかりで体も温まっていないのに滝に打たれるのはいややなと、右岸の草付きを捲く。これが見た目以上に悪い。岩の上にうっすらと土がのり、頼りなげに草が生えている程度だった。 手掛かりになる樹根はおろか、幼木ですらほとんど手の届く範囲にはない。 それでも登れそうなポイントを探し、左へ左へとトラバースしていく。しかし、楽に登れそうなところは見つからず、心が折れた。 しかたがない。直登しようと緩んだ草鞋を結びなおした。 途端に鼻緒が切れた。ブチッとした手触りと共に、ボクの張りつめた気持ちも切れた瞬間だった。 取水口より手前まで戻り、今度は左岸を高捲く。獣道やもしれぬかすかな踏み跡をみつけ、たどる。 F1を越えて再び沢へ下りたいのだが、どれだけ探しても下りられそうなルートがない。捨て縄でも張れば別だが、戻ってこないので回収もできない。 下りられないのなら上を目指すしかない。どこかに登山道がついているかもしれないし、いっそ

武庫川水系西ノ谷遡行

武庫川水系西ノ谷遡行 武庫川水系太多田川赤子谷左俣 日程:2014/07/02-03(一泊二日) ルート:親水広場1613 - 入渓1628 - 霞滝1635 - 桜滝1648 - 満月滝1716 - 尾根1741 - 大峰山1834 コースタイム:2h 21min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:沢登り 単独行 表六甲の沢の汚さに嫌気が差し、武庫川渓谷なら少しはマシだろうと西の谷を目指した。ついでに裏六甲の沢を幾つか絡めるつもりだ。 家の用事を何かしら片付けていると、なんだかんだでいい時間になってしまっていた。 宝塚でJR(宝塚-武田尾¥200)に乗換え、武田尾の駅より廃線跡を辿る。 放置され風化するに任されたトンネルを二つ抜け、親水広場から櫻の園へと入る。その入口を流れる沢が西の谷だ。 先ずは「もみじの道」を辿り、すぐに出会す堰堤を越えてから入渓する。そこですぐさま身支度を整える。沢足袋に履き替え、ラッシュガードを着る。電子機器はジップロックなり、サラスパの袋なり、LOKSAKなりで包み、ORのドライコンプサミットサックなり、EXPEDなりに突っ込んで完全防水にした。 最初の釜に入り腰まで浸かった。身体に籠った熱が嘘みたいに引いていく。暑さに負けてビールや酎ハイ片手に歩いた街中の暑さが、幻だったかの様に思えてくる。 幾つかの小滝を越え、10m程度の滝(霞滝)に出会った。越えられそうな気もするが、メットをも忘れてしまった単独行なので自重する。そして、定石っぽい右岸のルンゼから上った。そこに掛けられた残置ロープを頼るまでもないが、あったらあったでそれは楽だった。 再び緩い斜瀑を幾つか越えていく。そして幾段かの滝で構成された大滝と出会った。下から見上げても、どこが滝口か定かではない。それほどの連なりだった。 しかしその一段目に取付くには茶色く泡立った釜に浸かるか、無理矢理ヘツッて滝に寄るかしかなかった。もちろんその濁りに浸かりたくも無かったし、スタンスやホールドは随所に見られはするが、万が一落ちてしまった時のことを考えるとヘツるのも二の足を踏む。 結局、またまた右岸より草付きを登り、一段目を越えた辺りでトラバースし、上へと続く残置ロープを跨いで、滝へと戻った。