秋田駒岩手山縦走(前夜)
秋田駒岩手山縦走(一日目前編)
秋田駒岩手山縦走(一日目後編)
日程:2014/08/14(日帰り)
ルート:田沢湖スキー場駐車場0558 - 水沢温泉源泉0639 - 田沢湖スポーツセンター0742
コースタイム:05h 58min(道迷い、休憩時間を含む)
距離:21.641km
累積標高:1,754m
天候:曇り一時雨
気温:?
湿度:?
目的:秋田駒岩手山縦走
単独行
早朝、一台の車が走り抜けて行く響きで目覚める。外は既に明るい。慌てて時刻を確認した。
始発バスは田沢湖駅発05:30。そのバスが来る前に、何事もなかったかの様に立ち去りたかった。現在の時刻04:45。バス到着まで一時間近くあった。それは寝袋をたたみ、昨日の残りで朝食を済ませるには充分な時間だった。
マイカー規制の始まる05:30を前に、次々と車が駆け上がって行く。
その横をボクは淡々と進む。歩き出してすぐに東屋のある広場(サボーカルチャーパーク)を見つけた。駐車場には車が一台。道路からは見えないが、その広場の何処かで幕営しているのかもしれない。水道やトイレはない様だが、快適な一夜を過ごせそうな地である。
それから更に1kmほど歩くと分岐に出る。山と高原地図を確認し「たざわ湖スキー場」方面へと右折した。
荷を下ろし、GPSの電源を入れる。取付きで補足出来ないケースを避ける為の、開けた場所での保険だ。ついでにスピーカーの電源も入れ、Bluetoothで接続した。
「田沢湖スポーツセンター」を過ぎて直ぐにスキー場の駐車場がある。車は一台きり。先ほどボクを追い越して行った車で、今まさに身支度を整えたところだった。
「おはようございます」挨拶を交わしすれ違う。ボクは山と高原地図を出し、スポーツセンターの横から登る道を歩んだ。今は閉鎖中の「スキーハウスぎんれい」まで上がり、そこでようやく地形図を出す。そしてこの道は明かに駒ヶ岳へ繋がる道ではないコトを知る。山と高原地図に書かれたスポーツセンターの位置はテンデデタラメだった。それを目印に道を選んだのだから、間違えるのは当然だった。それでも引き返さずにその路を歩み続けたのは、その先に温泉マークが記入されていたのと、地形図には刻まれていない尾根へと上る路があるかもしれなかったからだ。もちろん、地図読みに拠ればその可能性は殆ど無かった。その沢筋を温泉まで進む路の横は、崖と云っても良いほどに等高線で埋め尽くされていたのだから。
スキー場を外れ、沢へと下る踏み跡を辿った。沢との出合いには、斜面に差し込まれた塩ビ菅が一本。そこから滴り落ちる湯に触れてみるが、ヌルかった。他にも何ヶ所か湧いてはいるが湯気が立たないところから察するに、温度は知れている。ここが「水沢温泉」の源泉ってことはないだろう。実際、まだ先に踏み跡は続いているし、読図でもそこはまだ先のはずだった。
ここ最近の雨で登山道は水路と化していた。なるべく靴を濡らさぬ様に進むが、それも極めて困難だった。踏み跡を見失い、藪を漕ぐ。隠れた流れにはまる。その温かさに、源泉を見つけた。
沢に並ぶ岩の上で服を脱いだ。ほとんどニオイはしないが、硫黄泉らしく川底は緑味を帯びた黄色に染まっている。誰が築いたのか、沢の中には浴槽状に石が並べられていた。
一歩足を踏み入れるが、ヌルい。Facebook用のネタ写真を撮るために肩まで浸かるがヤッパリヌルい。こんなハズでは、と先ほど「キャッポリ」した辺りへ戻った。
そしてその支沢に手を入れると確かに温かった。浸かる程深くはないが、そのホトバシル、滝と云ってもいいかもしれない流れは、遥か上から湯気を上げ、ここに至るまでにその身を冷まし、推定40℃と適温になって、本流に注ぎ込んでいたのだった。
その気持ち良さに身を委ねた。半身浴にも程遠い水深。座りながらシャワーを浴びるかの様に身を横たえた。もちろんネタ写真も撮る。たちまち、眼鏡が曇る。オイシイ。これを見てユキだけは苦言を吐くだろう。
30分程も浸かっていただろうか。それほど良い湯だった。満足し過ぎて、このまま下山したろか、とまで思った。しかし、わざわざ秋田まで来たのにこれだけってのも淋しすぎる。取付きまで引き返すのも馬鹿らしいが、一泊二日の縦走、推定50kmを、タカダカ二時間弱(入浴時間含む)の山行だけで済ませてしまうのはあまりにもったいなかった。
BGM
will.i.am - #thatPOWER ft. Justin Bieber
秋田駒岩手山縦走(一日目前編)
秋田駒岩手山縦走(一日目後編)
日程:2014/08/14(日帰り)
ルート:田沢湖スキー場駐車場0558 - 水沢温泉源泉0639 - 田沢湖スポーツセンター0742
コースタイム:05h 58min(道迷い、休憩時間を含む)
距離:21.641km
累積標高:1,754m
天候:曇り一時雨
気温:?
湿度:?
目的:
単独行
早朝、一台の車が走り抜けて行く響きで目覚める。外は既に明るい。慌てて時刻を確認した。
始発バスは田沢湖駅発05:30。そのバスが来る前に、何事もなかったかの様に立ち去りたかった。現在の時刻04:45。バス到着まで一時間近くあった。それは寝袋をたたみ、昨日の残りで朝食を済ませるには充分な時間だった。
マイカー規制の始まる05:30を前に、次々と車が駆け上がって行く。
その横をボクは淡々と進む。歩き出してすぐに東屋のある広場(サボーカルチャーパーク)を見つけた。駐車場には車が一台。道路からは見えないが、その広場の何処かで幕営しているのかもしれない。水道やトイレはない様だが、快適な一夜を過ごせそうな地である。
それから更に1kmほど歩くと分岐に出る。山と高原地図を確認し「たざわ湖スキー場」方面へと右折した。
荷を下ろし、GPSの電源を入れる。取付きで補足出来ないケースを避ける為の、開けた場所での保険だ。ついでにスピーカーの電源も入れ、Bluetoothで接続した。
「田沢湖スポーツセンター」を過ぎて直ぐにスキー場の駐車場がある。車は一台きり。先ほどボクを追い越して行った車で、今まさに身支度を整えたところだった。
「おはようございます」挨拶を交わしすれ違う。ボクは山と高原地図を出し、スポーツセンターの横から登る道を歩んだ。今は閉鎖中の「スキーハウスぎんれい」まで上がり、そこでようやく地形図を出す。そしてこの道は明かに駒ヶ岳へ繋がる道ではないコトを知る。山と高原地図に書かれたスポーツセンターの位置はテンデデタラメだった。それを目印に道を選んだのだから、間違えるのは当然だった。それでも引き返さずにその路を歩み続けたのは、その先に温泉マークが記入されていたのと、地形図には刻まれていない尾根へと上る路があるかもしれなかったからだ。もちろん、地図読みに拠ればその可能性は殆ど無かった。その沢筋を温泉まで進む路の横は、崖と云っても良いほどに等高線で埋め尽くされていたのだから。
スキー場を外れ、沢へと下る踏み跡を辿った。沢との出合いには、斜面に差し込まれた塩ビ菅が一本。そこから滴り落ちる湯に触れてみるが、ヌルかった。他にも何ヶ所か湧いてはいるが湯気が立たないところから察するに、温度は知れている。ここが「水沢温泉」の源泉ってことはないだろう。実際、まだ先に踏み跡は続いているし、読図でもそこはまだ先のはずだった。
ここ最近の雨で登山道は水路と化していた。なるべく靴を濡らさぬ様に進むが、それも極めて困難だった。踏み跡を見失い、藪を漕ぐ。隠れた流れにはまる。その温かさに、源泉を見つけた。
沢に並ぶ岩の上で服を脱いだ。ほとんどニオイはしないが、硫黄泉らしく川底は緑味を帯びた黄色に染まっている。誰が築いたのか、沢の中には浴槽状に石が並べられていた。
一歩足を踏み入れるが、ヌルい。Facebook用のネタ写真を撮るために肩まで浸かるがヤッパリヌルい。こんなハズでは、と先ほど「キャッポリ」した辺りへ戻った。
そしてその支沢に手を入れると確かに温かった。浸かる程深くはないが、そのホトバシル、滝と云ってもいいかもしれない流れは、遥か上から湯気を上げ、ここに至るまでにその身を冷まし、推定40℃と適温になって、本流に注ぎ込んでいたのだった。
その気持ち良さに身を委ねた。半身浴にも程遠い水深。座りながらシャワーを浴びるかの様に身を横たえた。もちろんネタ写真も撮る。たちまち、眼鏡が曇る。オイシイ。これを見てユキだけは苦言を吐くだろう。
30分程も浸かっていただろうか。それほど良い湯だった。満足し過ぎて、このまま下山したろか、とまで思った。しかし、わざわざ秋田まで来たのにこれだけってのも淋しすぎる。取付きまで引き返すのも馬鹿らしいが、一泊二日の縦走、推定50kmを、タカダカ二時間弱(入浴時間含む)の山行だけで済ませてしまうのはあまりにもったいなかった。
BGM
will.i.am - #thatPOWER ft. Justin Bieber
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