スキップしてメイン コンテンツに移動

秋田駒岩手山縦走(前夜)

秋田駒岩手山縦走(前夜)
秋田駒岩手山縦走(一日目前編)
秋田駒岩手山縦走(一日目後編)

日程:2014/08/14(日帰り)
ルート:JR田沢湖駅 - R341 - r127 - 高野バス停

コースタイム:?

距離:?km
累積標高:?m
天候:曇り
気温:?
湿度:?
目的:秋田駒岩手山縦走
単独行

ボクの田舎であるところの盛岡で降りずにJR田沢湖駅を目指したのは、幼少期に幾度となく登った秋田駒と岩手山を併せて登ってみようと思ったからだ。

田沢湖駅を降り立ったのは、午後七時を少しばかり回った頃。それはお盆の増便を待ち合わせる為に、予定より五分ほど遅れた時刻だった。
秋田駒へのバスは既にない。と云うか、13:30が終バスなのだから、どう足掻こうと間に合うはずがない。

遅がけついでに駅前で食事でも、と思っていたのだが、お盆のさなか、開いている店などないに等しかった。開いている店を探す道すがら、ポツリポツリと迎え火が目につく。家人ふたりで静かに灯す家もあれば、久しぶりの再会を祝うのか、家族総出でBBQをする家もある。
しかし先祖を敬う気持ちは、どの家でも等しいだろう。

既に閉店している「ビフレ田沢湖店」を横目に、21:00までやっている「ツルハドラッグ」で食材と酒を購入した。つまるところ、半額のベーコンと半額の納豆、8枚切りの食パンに5枚入りのチーズ。それから、日本酒を200mlと赤ワインを180ml。イザという時用に、火を使わなくてもいいセレクト。

再び駅へ戻り、トイレで水を汲んだ。途中、公園でもあればそこで汲んでもいいのだが、その保証は全くないのだから、転ばぬ先の杖ってヤツだ。

駅から西へ向かい、国道341を北上した。登山口まで12kmの道のり、2時間あまりの一人旅。
道路脇に表示された気温は18℃。日中の福島では34℃を刻んでいたのだから、結構な温度差だ。
国道を切り裂いて行くヘッドライトが淡く滲む。ボクのヘッデンも立ち込める靄に光の帯を映し出していた。田沢湖近くだから湿度が高いのだろう。ひとり勝手に得心がいく。そしてそれは、飛騨の山奥を走った時を思い出させていた。

その靄は、練乳の海を掻き分けるかの様に濃密で、むせ返るほど檜の薫りで満ちていた。虫の音が痛いほど響く静寂の中、SC45のヘッドライトが、ひたすら道を切り裂いていった。強烈な孤独感と非現実感に囚われ、いつ、世にも奇妙なタモさんが現れるか怯えていた。

靄に包まれた正しいのかすら覚束ない道。今また、その道をヘッデンの灯りひとつで、ひたすら歩んだ。
道の際から水音が響いてくる。川が流れているのだろうか。現実味を取り戻したくて、ヘッドフォンを外し、そちらを見遣った。
草むらを点滅しながら揺れる冷たい光を目にした。「蛍」最初にそう思った。だが、あまりに時期外れだろう。
迎え火に呼ばれた魂。それはあまりにもロマンティスト過ぎる想いだった。
ヘッデンを消し、その点滅を見つめた。束の間、並走していたその光は、ボクのそんな思いを見透かすかのように、頭上を青白く冷たい光を放ちながら越えて行った。意思が通じた。だからそれは、蛍ではなく、ボクに所縁のある霊魂だったのかもしれない。そんなバカらしいことを考えずには居られないほどにボクは疲れきっていた。

スキー場の看板を見て、国道を外れた。
山登りをしていると、しばし、廃屋と化したペンションの建ち並ぶ道を見かけたりもする。しかしこの街道沿いには未だ小綺麗な建物が並び、ライブハウス(イーグル)の看板を掲げたものまであった。原田知世から繋がる往年のスキーブームは遥か昔に去ったとは云え、最近の山ブームにより、それなりに賑わって居るのかもしれない。
それを示すかの様に、こんな場所には不釣り合いで、どこに行くとは知れぬ程に交通量があった。

駅から8kmほど歩いた頃、さすがに空腹を覚えてバス停で休息した。雪国らしく、周囲を囲まれ、屋根まで設えられた「高野」バス停。
田沢湖畔の薬局で仕入れた食材を使い、サンドウィッチを作った。それをアテに焼酎、日本酒、ウィスキーと呑み進める。
時刻は十一時を回っていると云うのに、相変わらず下山する車は後を絶たない。

程よく酔いが回ってもう何もかも面倒臭くなり、ここで良いかと、マットを拡げ寝袋に潜り込んだ。

呑み:福島駅 - 電車 - 田沢湖駅 - 高野バス停

遭遇:蛍×1

ビフレ田沢湖店
秋田県仙北市田沢湖生保内字街道ノ上103
0187-42-8448
10:00-19:00

グランマート田沢湖
秋田県仙北市田沢湖生保内字浮世坂26-9
0187-43-1000
08:00-21:00

ツルハドラッグ田沢湖店
秋田県仙北市田沢湖生保内字街道ノ上71-1
0187-43-9268
08:00~21:00

バス
運賃
時刻表

BGM
Major Lazer - Aerosol Can ft. Pharrell Williams

コメント

このブログの人気の投稿

武庫川水系西ノ谷遡行

武庫川水系西ノ谷遡行 武庫川水系太多田川赤子谷左俣 日程:2014/07/02-03(一泊二日) ルート:親水広場1613 - 入渓1628 - 霞滝1635 - 桜滝1648 - 満月滝1716 - 尾根1741 - 大峰山1834 コースタイム:2h 21min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:沢登り 単独行 表六甲の沢の汚さに嫌気が差し、武庫川渓谷なら少しはマシだろうと西の谷を目指した。ついでに裏六甲の沢を幾つか絡めるつもりだ。 家の用事を何かしら片付けていると、なんだかんだでいい時間になってしまっていた。 宝塚でJR(宝塚-武田尾¥200)に乗換え、武田尾の駅より廃線跡を辿る。 放置され風化するに任されたトンネルを二つ抜け、親水広場から櫻の園へと入る。その入口を流れる沢が西の谷だ。 先ずは「もみじの道」を辿り、すぐに出会す堰堤を越えてから入渓する。そこですぐさま身支度を整える。沢足袋に履き替え、ラッシュガードを着る。電子機器はジップロックなり、サラスパの袋なり、LOKSAKなりで包み、ORのドライコンプサミットサックなり、EXPEDなりに突っ込んで完全防水にした。 最初の釜に入り腰まで浸かった。身体に籠った熱が嘘みたいに引いていく。暑さに負けてビールや酎ハイ片手に歩いた街中の暑さが、幻だったかの様に思えてくる。 幾つかの小滝を越え、10m程度の滝(霞滝)に出会った。越えられそうな気もするが、メットをも忘れてしまった単独行なので自重する。そして、定石っぽい右岸のルンゼから上った。そこに掛けられた残置ロープを頼るまでもないが、あったらあったでそれは楽だった。 再び緩い斜瀑を幾つか越えていく。そして幾段かの滝で構成された大滝と出会った。下から見上げても、どこが滝口か定かではない。それほどの連なりだった。 しかしその一段目に取付くには茶色く泡立った釜に浸かるか、無理矢理ヘツッて滝に寄るかしかなかった。もちろんその濁りに浸かりたくも無かったし、スタンスやホールドは随所に見られはするが、万が一落ちてしまった時のことを考えるとヘツるのも二の足を踏む。 結局、またまた右岸より草付きを登り、一段目を越えた辺りでトラバースし、上へと続く残置ロープを跨いで、滝へと戻った。

南北ドントリッジ下見

日程:2014/10/08(日帰り) ルート:長峰霊園 - 摩耶東谷 - 山寺尾根 - 掬星台 - 桜谷道 - 徳川道 - 北ドントリッジ - 分水嶺越林道 - 布引道 - 新神戸駅 コースタイム:04h 04min(休憩時間を含む) 距離:13.179km 累積標高:1,054m 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:例会山行下見 単独行 例会山行のリーダに指名されたからにはヤラざるを得ない。もちろんやること自体は、ヤブサカデハナイ。 「山羊戸渡」を要望されていたのだが、なんかみんなに過大評価している感、満載なルートなだけに気持ちがどうにもこうにも盛上らない。 って云うか、かつてそんな多大なる期待を受けて連れて行ったのに、その数多過ぎる所期を満たすことなんてとても出来やしなくて、ガッカリルートに認定されたことからも気持ちが萎えてしまう。 結局、余り足を踏み入れないコースを案内しますよ、なんて言葉を濁す。とどのつまり「山羊戸渡」までのアプローチの長さ故にダレタ気持ちを、その先から続くひたすらシンドイだけのアルバイトに過ぎない行程を満足させられるだけの力量を持ち合わせていないってコトだけのことだ。 で、選んだのは、摩耶東谷から南北ドントリッジへと続くルート。 ボクは通常、摩耶東谷を辿る時は、日本三大廃墟として名高い「マヤカン」へと詰めるのだが、一応、立入禁止となっている個人所有の敷地へと不法侵入すべく皆を連れて行くわけにも行かず、かと云って摩耶東谷を通しても、最終的にシンドイだけの藪漕ぎになるので、少しはマシだろうと山寺尾根へ抜けるルートを選択した。 通常、ボクひとりで上るのなら、摩耶東谷を谷通しで行くのだが、同行者が居るとなるとそうも行かない。摩耶東谷より入渓し、堰堤を捲いたところで山寺尾根との分岐へと戻った。そこで堰堤工事を知る。この路へは立入禁止だと知った。 山寺尾根をそのまま辿り、途中の広場から摩耶東谷へ下りる路を調べた。だがそこも、人を連れて行くにはどうかなって、路だった。 だからボクは、谷通しで良いかなって思った。 谷を歩く内は涼しくて良かった。だが、一度沢を外れ尾根を伝うと、その急勾配ゆえに、晩秋とは云え、まだまだ激しく照りつける日差しゆえに、段々と消耗していった。 今日はとても暑い日で、リュックの重

風吹岩の猫たち 2014年4月16日

iPod touch iPod touch iPod touch 2014/04/16(日帰り) ルート:阪急芦屋川 - 鷹尾山 - 荒地山 - 風吹岩 - 金鳥山 - 保久良さん - 保久良さん表参道 - 阪急岡本 コースタイム: ?h.?min(休憩時間を含む) 風吹岩:447m 地形図:西宮 距離:?km 累積標高:?m 天候:晴れ 気温:? 湿度:?% 目的:風吹岩の猫 単独行 遭遇:猫×3(キジトラ×3)