武庫川水系西ノ谷遡行
武庫川水系太多田川赤子谷左俣
日程:2014/07/01-02(一泊二日)
ルート:大峰山山頂0610 - 育樹の丘0632 - 親水広場0643 - 廃線跡0730 - 赤子谷取付き0853 - 赤子滝0920 - ゴルジュ0927 - 源頭0943 - 赤子谷詰め1015 - 樫ヶ峰取付1058 - 社家郷山キャンプ場1146
コースタイム:05h 36min(休憩時間を含む)
距離:?
累積標高:?
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:沢登り
単独行
一夜明け、裏六甲を目指した。
テント内で決めたルート。大峰山を下り、廃線跡を歩き、赤子谷より上って東縦走路を伝う。その先は沢具合に合せて逢山峡なり、裏地獄谷なり、石楠花谷なりを飽きるまで遡行する。いつも通りに行き当たりバッタリないい加減でお気楽極楽な計画だった。
「大峰山道」を下り、東屋を過ぎて「さくらの道」を辿った。植林された「冬山椒」の実を手に取り匂いを嗅ぐ。山椒の実としか思えないそれは、山椒の刺激的な香りと云うよりもみかんに似た爽やかな香りで、山椒よりも鋭い棘でその身を守りながらも流石にみかん科なんだなと思う。
路に落ちた真っ赤に熟したヤマモモの実の土を払い、口に含んだ。爽やかな酸味が口に拡がる。酒に漬ければ抜群に美味くなるのだが、そのまま食べてもさほど美味しくないな、と吐き出す。(ヤマモモが有ったのは社家郷山キャンプ場だった)
「駅から行き易いオススメの山を教えてよ」
ユキからのメールを思い出す。
武田尾の廃線跡はボクの妹と一緒に歩いたはずだが、おそらく櫻の園には足を踏み入れていないだろう。ここなら駅から歩いてすぐだし、滝を眺めたり、知らない木々を愛でたり変化に富んでいる。一通り散策を済ませたら、畑熊商店で渇いた喉を潤してもいい。歩き足りなければ久しぶりの廃線歩きを楽しむコトだって出来る。
そんなコトを、まだ開かない畑熊商店の前を通り過ぎながら思う。
廃線跡の公衆トイレは道路工事中につき使用禁止になっていたから駐車場の公衆トイレを借り、再び廃線跡後まで戻って水道で水を汲んだ。
枕木に座り、ラーメンを茹でる。
昨晩の激しい喉の渇きにより、それを茹でる為の水を飲み干してしまっていた。沢の水を使うのもゴメンだったから、廃線跡での遅めの朝食になったわけだ。
武庫川対岸の沢を確認しながら廃線跡を辿った。
武庫川へ流れ込む沢の水が乏しいってコトは、必然的に武庫川の水量をも推して知るべしってコトだ。武庫川渓谷の岩間には水が澱み、その澱みは茶色い泡を湛えている。そこを渡る風は、そこに繋がる沢に滞った瘴気よりもボクの鼻を激しく刺激した。
対岸の沢へはその武庫川の流れをへつっていかなければならない。その澱みへと滑落するリスクを背負ってだ。衆人環視の中、滑落するリスクをも背負って、だ。
しかしそこはそこまでの沢には見えなかったし、実際ゴルフ場開発で荒れ果て、そこまでの魅力もないのだろう。
大多田橋の交差点を有馬街道に折れ、赤子谷を目指した。
すぐに県道を外れ、橋を渡った。県道の対岸の道をしばらく伝い、次の交差点で山へと向った。閉鎖されているのか開店前なのか不明なバッティングセンターを通り過ぎ、猪肉を販売している家具屋「岩輝工房」に差し掛かる。その横を道なりに進みながら取付きを探した。
フェンスに遮られた道を曲がると、川のせせらぐ明らかに取付きだと判る場所に出た。ここが本来の入渓地点かは分からないが、そのまま踏み跡を辿り、直ぐの堰堤を越えた。沢足袋に履き替えるほど魅力的な流れに出会えぬまま道なりに進む。そうして左俣と右俣の分岐を迎えた。道標が掛けられているから間違いないだろう。
流石にここで沢足袋に履き替える。そうしなければ何の為にここまで来たのか分からない。しかしそれでもその水の汚さに自ら濡れて楽しもうなどと云う気には成れず、ラッシュガードに着替えることは無かった。
赤子滝。
ラッシュガードに着替えていたのなら、ちょっくら登ってみましょうかって思わせる、すっとした佇まい。しかし最初からシャワークライムって気分ではないから当然捲く。左岸から気楽に捲く。
間もなく、しっとりとした暗がりがボクを迎えた。沢に入ってすぐだと云うのに、結構深いゴルジュだった。
そこから連なる小滝を気が向けば直登し、気が向かなければ捲くってのが続いた。
六甲山ではあまり見かけないケルンがよく積まれている谷だなって思う。素直な滝も、深いゴルジュも、幾つも見かけたケルンも、六甲山にいるコトを暫し忘れさせてくれる独特な雰囲気を醸し出していた。
源頭付近では湧水が汲み易いように整備されていたが、沢の汚さに汲む気もなく、水道水の詰まったボトルで喉を潤す。
沢足袋を脱ぎ捨て、裸足を放り出した。
そよとも風のそよがぬ暑さの中、やたらと蚊に纏わり付かれながら、足を乾かす。
最後の詰めは、それまでの穏やかな沢様と変り、足場の悪い草付きだった。立木を頼りに足を滑らせながら攀じ登る。そうして東縦走路の送電塔の広場に出た。
縦走路を歩きながらこれからの計画を立る。まだまだ昼にもなりそうもない時刻。かと云っても他の沢も同様に、少ない水量であろう事は想像出来たので行く気はしない。山と高原地図を眺めながら歩き、未だ登ったことのない樫ヶ峰を目指した。
遭遇:沢蟹x1
呑み:コープ苦楽園 - 高田屋 - チンタ - a jitensya
BGM
Showtek - Slow Down
武庫川水系太多田川赤子谷左俣
日程:2014/07/01-02(一泊二日)
ルート:大峰山山頂0610 - 育樹の丘0632 - 親水広場0643 - 廃線跡0730 - 赤子谷取付き0853 - 赤子滝0920 - ゴルジュ0927 - 源頭0943 - 赤子谷詰め1015 - 樫ヶ峰取付1058 - 社家郷山キャンプ場1146
コースタイム:05h 36min(休憩時間を含む)
距離:?
累積標高:?
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:沢登り
単独行
一夜明け、裏六甲を目指した。
テント内で決めたルート。大峰山を下り、廃線跡を歩き、赤子谷より上って東縦走路を伝う。その先は沢具合に合せて逢山峡なり、裏地獄谷なり、石楠花谷なりを飽きるまで遡行する。いつも通りに行き当たりバッタリないい加減でお気楽極楽な計画だった。
「大峰山道」を下り、東屋を過ぎて「さくらの道」を辿った。植林された「冬山椒」の実を手に取り匂いを嗅ぐ。山椒の実としか思えないそれは、山椒の刺激的な香りと云うよりもみかんに似た爽やかな香りで、山椒よりも鋭い棘でその身を守りながらも流石にみかん科なんだなと思う。
路に落ちた真っ赤に熟したヤマモモの実の土を払い、口に含んだ。爽やかな酸味が口に拡がる。酒に漬ければ抜群に美味くなるのだが、そのまま食べてもさほど美味しくないな、と吐き出す。(ヤマモモが有ったのは社家郷山キャンプ場だった)
「駅から行き易いオススメの山を教えてよ」
ユキからのメールを思い出す。
武田尾の廃線跡はボクの妹と一緒に歩いたはずだが、おそらく櫻の園には足を踏み入れていないだろう。ここなら駅から歩いてすぐだし、滝を眺めたり、知らない木々を愛でたり変化に富んでいる。一通り散策を済ませたら、畑熊商店で渇いた喉を潤してもいい。歩き足りなければ久しぶりの廃線歩きを楽しむコトだって出来る。
そんなコトを、まだ開かない畑熊商店の前を通り過ぎながら思う。
廃線跡の公衆トイレは道路工事中につき使用禁止になっていたから駐車場の公衆トイレを借り、再び廃線跡後まで戻って水道で水を汲んだ。
枕木に座り、ラーメンを茹でる。
昨晩の激しい喉の渇きにより、それを茹でる為の水を飲み干してしまっていた。沢の水を使うのもゴメンだったから、廃線跡での遅めの朝食になったわけだ。
武庫川対岸の沢を確認しながら廃線跡を辿った。
武庫川へ流れ込む沢の水が乏しいってコトは、必然的に武庫川の水量をも推して知るべしってコトだ。武庫川渓谷の岩間には水が澱み、その澱みは茶色い泡を湛えている。そこを渡る風は、そこに繋がる沢に滞った瘴気よりもボクの鼻を激しく刺激した。
対岸の沢へはその武庫川の流れをへつっていかなければならない。その澱みへと滑落するリスクを背負ってだ。衆人環視の中、滑落するリスクをも背負って、だ。
しかしそこはそこまでの沢には見えなかったし、実際ゴルフ場開発で荒れ果て、そこまでの魅力もないのだろう。
大多田橋の交差点を有馬街道に折れ、赤子谷を目指した。
すぐに県道を外れ、橋を渡った。県道の対岸の道をしばらく伝い、次の交差点で山へと向った。閉鎖されているのか開店前なのか不明なバッティングセンターを通り過ぎ、猪肉を販売している家具屋「岩輝工房」に差し掛かる。その横を道なりに進みながら取付きを探した。
フェンスに遮られた道を曲がると、川のせせらぐ明らかに取付きだと判る場所に出た。ここが本来の入渓地点かは分からないが、そのまま踏み跡を辿り、直ぐの堰堤を越えた。沢足袋に履き替えるほど魅力的な流れに出会えぬまま道なりに進む。そうして左俣と右俣の分岐を迎えた。道標が掛けられているから間違いないだろう。
流石にここで沢足袋に履き替える。そうしなければ何の為にここまで来たのか分からない。しかしそれでもその水の汚さに自ら濡れて楽しもうなどと云う気には成れず、ラッシュガードに着替えることは無かった。
赤子滝。
ラッシュガードに着替えていたのなら、ちょっくら登ってみましょうかって思わせる、すっとした佇まい。しかし最初からシャワークライムって気分ではないから当然捲く。左岸から気楽に捲く。
間もなく、しっとりとした暗がりがボクを迎えた。沢に入ってすぐだと云うのに、結構深いゴルジュだった。
そこから連なる小滝を気が向けば直登し、気が向かなければ捲くってのが続いた。
六甲山ではあまり見かけないケルンがよく積まれている谷だなって思う。素直な滝も、深いゴルジュも、幾つも見かけたケルンも、六甲山にいるコトを暫し忘れさせてくれる独特な雰囲気を醸し出していた。
源頭付近では湧水が汲み易いように整備されていたが、沢の汚さに汲む気もなく、水道水の詰まったボトルで喉を潤す。
沢足袋を脱ぎ捨て、裸足を放り出した。
そよとも風のそよがぬ暑さの中、やたらと蚊に纏わり付かれながら、足を乾かす。
最後の詰めは、それまでの穏やかな沢様と変り、足場の悪い草付きだった。立木を頼りに足を滑らせながら攀じ登る。そうして東縦走路の送電塔の広場に出た。
縦走路を歩きながらこれからの計画を立る。まだまだ昼にもなりそうもない時刻。かと云っても他の沢も同様に、少ない水量であろう事は想像出来たので行く気はしない。山と高原地図を眺めながら歩き、未だ登ったことのない樫ヶ峰を目指した。
遭遇:沢蟹x1
呑み:コープ苦楽園 - 高田屋 - チンタ - a jitensya
BGM
Showtek - Slow Down
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