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白髪岳本番

百間滝
白髪岳下見壹日目
白髪岳下見貳日目
白髪岳本番

日程:2014/03/16
ルート:白髪岳松尾山登山口 - - 篠山市林道ワン谷線 - 白髪岳登山口 - 白髪岳山頂 - 松尾山山頂 - 卵塔群 - 高仙寺本堂跡 - 穴地蔵 - 寺谷山 - JR古市駅

コースタイム:3h50min(休憩時間を含む)
白髪岳:721.8m
松尾山:685m
寺谷山:407m

距離:?
累積標高:?
天候:晴れ時々雨
気温:?℃
湿度:?%
目的:本番
同行者:ともちん、アキト

集合時刻を10分ほど過ぎても、ダレも姿を現さなかった。
アキトは「BARニシゾノには行きません」と言っていた。先週と同じ轍を踏まないためだ。
トモちゃんからは「頑張って起きるなり」なんて2時半くらいにメッセージが来ていたから、寝坊してやしないかって、チョット心配だった。
取り敢えずトモちゃんに電話をかけた。
「ゴメンなさい、少し遅れます」
即座に返事が返って来た。
「アキトもまだ来てへんから、かけといて」
と電話を切る。
それから1時間近く過ぎてアキトからの着信があった。
何を思ったのか、六甲道にいると言う。トモちゃんもまだ着かない。

のっけからハプニング続きだったが、なんとか宝塚で合流し、古市駅に降り立った。

住山の集落を抜け、林道ワン谷線を登る。途中、倉敷のハイキングクラブがチャーターしたバスが停められていた。追い越せない処で追いついたら嫌だなって気持ちが膨らむ。いやいや、山ガールとの出会いが待っているかもと、前向きに考えることにする。
取付きに設えられた東屋裏で水を補給した。事前に下見をしていたからこそ、この辺りは卒なく進む。


急な階段路を抜け、予定調和でベンチで休息。しばし眺望を楽しんだ。岩陵までは後わずか。岩に取付く集団を認め、アレが倉敷のなんたらだろうかと思った。そのカラフルな色彩は、遠目に若いコらだと思えなくもなかった。
十分過ぎるほど休息を摂ったのだから彼女らの姿は消えていた。そして貸切となった岩場に迎えられた。


積極的に岩登りを楽しみ、2ヶ月ぶりの絶景に迎えられる。
そしてすぐに山頂を迎えた。見どころが過多なほどに次々と現れるのが白髪岳登山だ。

ちょうど昼時を迎えた山頂は、腰を下ろす隙間もないほどのハイカーで溢れていた。そしてあの遠目の山ガール達は、カラフルなオバーサマ達でしかなかった。


岩陰で湯を沸かし、スープを振舞う。めいめいが買ってきた昼食をユックリと時間を掛け、360°の絶景と共に愉しむ。
その間に、ほとんどのグループは山頂から立ち去って行く。中には本物の山ガールもいた。もちろん多くは、ジジババ達だった事はココで敢えて言うまでもない。

先行して山頂に到着していたグループのほとんどを見送った後に、ボク達もようやく重い腰をあげた。
下見では残雪が多かった松尾山へ続く下山路は、未だわずかながらも雪を残していた。その所為もあって、雪融け水が足元をヌカルませ、急峻な路はロープにすがりつかなくては危うかった。
そして案の定、倉敷の団体が渋滞を引き起こしている。それを避けたくて出発を遅らせたのに、読みが外れた。

団体に阻まれ、遅々として歩みは捗らない。斜面地をへツるシングルトラックなだけに追い抜くことも叶わない。

「チョット待っててください」その大名行列に、なんとももどかしくイライラし始めた頃にアキトから声が掛った。

トモちゃんと雑談を拡げるうちに団体との距離はかなり離れて行く。
思わず走り出してしまう快走路を軽く抜け、緩い登り坂に差し掛かるとまたもや大名行列のシンガリが姿を現した。そしてその絶妙のタイミングで、再びアキトから声が掛ったのだった。

次に追いつくのは、タブン、松尾山の山頂だろうから、そこで抜こう、と提案した。

思いがけず鐘掛の辻で休憩する大名行列を平伏叩頭し追越し、山頂では山ガール達に追いついていた。
そして別ルートを下る彼女ら達との一瞬の逢瀬に別れを告げ、首なし地蔵を目指す。

再び急峻な下り。迂闊な足運びで、降り積もる落葉にぬかるんだ泥に足を取られる。危うくロープを握り立木に掴まりでなんとか切り抜けて行く。
前回辿った不動の滝への分岐を、首なし地蔵方面へと折れた。
所々二択となる踏み跡を尾根通しで辿る。時にはより確かなトレースを、またはテープに導かれ尾根を外れながら進んだ。
感覚的には既に着いているはずなんだが、と当の昔に思っているんだが、あの分岐を尾根伝いに行くべきだったのだろうか、なんて迷っているうちに胸まで埋れた小さなお地蔵さんを見つけた。そしてその横には、穴地蔵の看板が置かれていたのだった。
当然ながら、首なし地蔵は穴地蔵の手前にあるわけで、何処かで見落として来たのかもしれないし、あるいは何処かで見掛けて手を合わせて来たお地蔵さんのどれかがそれと知らずに首なし地蔵であったのかもしれなかった。
登山当初からひたすらにオカルトともコントとも思えないネタをひたすら引っ張り続けて来た今回の山行は呆気なくそのオチを喪ってしまっていた。

もう、その時点で、住山の集落へと下りる路を探し、猪肉屋で石窯ピッツァを食べることしか目的がなくなってしまっていた。
しかし尾根より下る路は、皆、篠山市街地へと向うものばかりで、登山口付近に降りると云う酒を呑みながら朧げに聞いていた路を見つけることは出来ないでいた。
それでも尾根伝いを緩く下る路は、フカフカの落葉に覆われ、何とも走りやすい路だった。


「ルートファンディングしてみ」と走り出すトモちゃんに先頭を行かす。
時々、獣道のような踏み跡を辿るが、見極め方を教えながら修正して行く。
そして思わず到着した寺谷山山頂。明かに住山集落ではなく、直接古市駅に向かっているはず。シルバも地形図も持って来なかったボクのココロのジーピーエスはそう指し示していた。
もう駅も近いはずと、ココロのジーピーエスを確認し、関電巡視路の標識をアテに尾根を外れた。しかしそれこそが間違いであり、今回唯一の道迷いとなり藪漕ぎとなったのだった。
斜面を下った先には先日の雨による泥沼が広がっており、それを避ける畦道の先には伸びきった竹の藪漕ぎが続き、どうあがいてもその先に見える路に出ることなど出来やしなかったのだった。


しゃあなしに今来た路を戻った。もう少し尾根を辿ろうという目論見だった。そしてすぐに廃屋を見つけ、家があるなら今は廃道となっているかもしれないけどかつては道があったかもしれないわけで、果たしてそれは朽ちたお寺さんであり、その前には荒れ果てた参道が続いており、真っ直ぐに駅へと向っているのだった。
トドノツマリその路を始めから選んでおけばあんな苦労はしなかったのだ。

結局、猪肉屋の石窯ピッツァは売切れで、ああ、酒が呑みたいなあと、いつも通りのタカダヤチンタモンクタカダヤチンタモンクタカダヤチンタモンク。
ココロの中でジュモンのように繰り返す。
タイセツナコトナノデサンドクリカエス。

遭遇:倉敷ハイキングクラブ

呑み:タカダヤチンタモンク

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