台高大峯V縦走壹日目
台高大峯V縦走貳日目
日程:2013/11/21-2013/11/24(三泊四日)
ルート:馬駆ヶ場 - 国見山 - 水無山 - 明神平 - 明神谷 - 林道終点
コースタイム:1h 31min(休憩時間を含む)
国見山:1418.2m
水無山:1441.3m
距離:4.056km
累積標高:233m
天候:曇り一時雪
気温:?℃
湿度:?
目的:台高大峯縦走
単独行
鼻を摘まれても分からない闇の中、激しい喉の渇きをおぼえ目を覚ました。
のっけからありていな表現を使ってしまったが、実際はそんなことは無かった様な気がしないでもない。外はそこそこ雪が積もっていたのだから、明かりを点けずとも、雪明りに辺りの気配ぐらいは伺えたような気がしないでもない。
風が吹くたびにサラサラと音を立てながら、ヘッデンに照らされた薄氷が煌き降り注ぐ。凍ってへんやろなと触ったプラティパスは指を刺すように冷たく、チューブを滑り抜ける水は喉を焼くほどに冷え切っていた。
そして覚醒ついでに下山計画を立てた。高度を下げれば雪が無くなるのは明らかなのだから、やはりここは明神谷ルートであろう。涸れていなければ残りわずかな水も補給できるし、お誂え向きに凍えた躰を温めてくれる温泉もある。やはた温泉の営業は11時から。大又の集落まで2時間ちょっとといったところであろうか。まだまだ眠れるなと、ラムを呑み足し眠りに着いた。
外は仄明るくなってきた。寝起きの尿意を覚え、空になったPetボトルに用をたす。一杯になっては外に捨てる。それを3回繰り返したのだから、ボクの容量は650mlなのだろう。
綺麗な雪をコッヘルに掬い入れ、ガスストーブを灯した。水は貴重なので使わない。コッヘルの中に湯気が漂い始め、底にこびり付いた食材が焦げくさい臭いを上げる。一向に融けそうな気配は無い。仕方なしに、ハイドレより少しばかり水を注ぎ入れた。
シェルター内は急に温もりを取り戻し、幕に張り付いていた薄氷は水滴となって滴り落ち始める。前室に置いた靴をシェルター内に入れ、ガチガチに凍りついた爪先や靴ひもを溶かしていく。靴下は着干しのかいあってサラサラに乾いていた。
パスタを食し、茹で湯を呑み残したラムに注ぎいれ湯割りにしてみる。それはもう二度と呑みたくない代物に仕上がり、残りのラムをチビチビ啜った。
外部バッテリーをつないだiPod touchでゲームをしたり、結露でふにゃふにゃにふやけた文庫本を読んだり、タオルで結露を拭って前室で絞ったり、山と高原地図を眺めてルート確認をしたり、ラムはやっぱり生で呑むのが旨いなと思ったり、靴紐をふにふにと触って融け具合を確かめたり、充電の済んだiPod touchでblog用の文章を書きあげたりしているうちに、時刻は10時前になっていた。
天候は昨日よりもより一層悪化していた。
水無山はおろか、国見山ですら今は見えない。シェルター内ですっかり温もったので、もう少し先まで歩こうかってちょっと盛上りかけていた気持ちは、荒涼たる景色を見て一気に冷めてしまった。
それでも梢から滑り落ちる雪がサワと響きを立てそうなほどに温かさを増し、そろそろ出かけますか、って気にようやくなったのだった。
手早くシェルターを撤去した。ボクの寝ていた辺りは融雪しており、所どころ地面が現れていた。これはボクの体温が伝わり融けたのか、幾度もこぼした湯により融けたのかははっきりしないが、おそらく後者であろう。睡眠時、雪面よりの冷たさを一切感じなかったからU.L.Pad15s+の断熱性能で十分なのだろう。厳冬期でも、かさ張るリッジレスト ソーラーを持っていかなくても良いのであれば助かるのだが。
登り出せば薄っすらと汗ばむ位の気温。低く垂れさがった雲は辺りを覆ってはいるが視界が悪いと云う程でもない。しかし、眺望の良いと書かれた国見山からは、360°の白霞した景色しか眺めるべくもなかった。
明神平では、二人組のパーティが東屋で装備を整えていた。それは旅立つ間際の事だったから交わした言葉は少なかったのだが、その少ない会話からでも明神谷から上がって来た事は判り、すなわちそれはそこから続く足跡を辿れば明神谷へ下りられるって事だけは分かった。
そして不安視していた水枯れは杞憂でしかなく、その水場は潤沢に水を垂れ流していたのだった。ほどほどに給水し先を急いだ。それは下山し、間もなく町へいたるこの時となっては必要ない行為だったかもしれないのだけれど、水を切らしてしまっては一歩も上れなくなるボクにとっては必要な行為だったのだ。
林道終点を向かえ、防水のために靴下の上に被せていたコンビニ袋を引き千切った。想像通りというか想像以上に靴下はぐっしょりと濡れ、想定外というか想定した以下ほどしか靴下は悪臭を放ってはいなかった。
林道をひた歩き、吊橋の上でラー麺を作った。それは先ほど汲み上げた湧水により作ることができ、さすがボクは先見の明があるなと感心したものだった。そしてそれをまた引っ繰り返し、ボクはとことん学習能力に欠けたアホだなと痛感したものだった。
やはた温泉
■泉質 単純温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)
■効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみくじき、慢性消化器病、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進
■営業時間 午前11時~午後9時(12月1日から3月15日の間は午後8時まで)
■休業日 火曜日 (その日が国民の祝日にあたる場合はその翌日)12月29日~翌年1月1日まで (1月2日、3日は特別営業)
■入湯料 大人500円 (12歳以上)小人200円 (6歳以上12歳未満)6歳未満無料
■回数券 大人(11枚)5,000円・小人(11枚)2,000円
■団体割引 20人以上は20%割引
遭遇:イタチx1
エンドレスリピート
呑み:馬駆ヶ場 - 榛原駅 - テン場
台高大峯V縦走貳日目
日程:2013/11/21-2013/11/24(三泊四日)
ルート:馬駆ヶ場 - 国見山 - 水無山 - 明神平 - 明神谷 - 林道終点
コースタイム:1h 31min(休憩時間を含む)
国見山:1418.2m
水無山:1441.3m
距離:4.056km
累積標高:233m
天候:曇り一時雪
気温:?℃
湿度:?
目的:
単独行
鼻を摘まれても分からない闇の中、激しい喉の渇きをおぼえ目を覚ました。
のっけからありていな表現を使ってしまったが、実際はそんなことは無かった様な気がしないでもない。外はそこそこ雪が積もっていたのだから、明かりを点けずとも、雪明りに辺りの気配ぐらいは伺えたような気がしないでもない。
風が吹くたびにサラサラと音を立てながら、ヘッデンに照らされた薄氷が煌き降り注ぐ。凍ってへんやろなと触ったプラティパスは指を刺すように冷たく、チューブを滑り抜ける水は喉を焼くほどに冷え切っていた。
そして覚醒ついでに下山計画を立てた。高度を下げれば雪が無くなるのは明らかなのだから、やはりここは明神谷ルートであろう。涸れていなければ残りわずかな水も補給できるし、お誂え向きに凍えた躰を温めてくれる温泉もある。やはた温泉の営業は11時から。大又の集落まで2時間ちょっとといったところであろうか。まだまだ眠れるなと、ラムを呑み足し眠りに着いた。
外は仄明るくなってきた。寝起きの尿意を覚え、空になったPetボトルに用をたす。一杯になっては外に捨てる。それを3回繰り返したのだから、ボクの容量は650mlなのだろう。
綺麗な雪をコッヘルに掬い入れ、ガスストーブを灯した。水は貴重なので使わない。コッヘルの中に湯気が漂い始め、底にこびり付いた食材が焦げくさい臭いを上げる。一向に融けそうな気配は無い。仕方なしに、ハイドレより少しばかり水を注ぎ入れた。
シェルター内は急に温もりを取り戻し、幕に張り付いていた薄氷は水滴となって滴り落ち始める。前室に置いた靴をシェルター内に入れ、ガチガチに凍りついた爪先や靴ひもを溶かしていく。靴下は着干しのかいあってサラサラに乾いていた。
パスタを食し、茹で湯を呑み残したラムに注ぎいれ湯割りにしてみる。それはもう二度と呑みたくない代物に仕上がり、残りのラムをチビチビ啜った。
外部バッテリーをつないだiPod touchでゲームをしたり、結露でふにゃふにゃにふやけた文庫本を読んだり、タオルで結露を拭って前室で絞ったり、山と高原地図を眺めてルート確認をしたり、ラムはやっぱり生で呑むのが旨いなと思ったり、靴紐をふにふにと触って融け具合を確かめたり、充電の済んだiPod touchでblog用の文章を書きあげたりしているうちに、時刻は10時前になっていた。
天候は昨日よりもより一層悪化していた。
水無山はおろか、国見山ですら今は見えない。シェルター内ですっかり温もったので、もう少し先まで歩こうかってちょっと盛上りかけていた気持ちは、荒涼たる景色を見て一気に冷めてしまった。
それでも梢から滑り落ちる雪がサワと響きを立てそうなほどに温かさを増し、そろそろ出かけますか、って気にようやくなったのだった。
手早くシェルターを撤去した。ボクの寝ていた辺りは融雪しており、所どころ地面が現れていた。これはボクの体温が伝わり融けたのか、幾度もこぼした湯により融けたのかははっきりしないが、おそらく後者であろう。睡眠時、雪面よりの冷たさを一切感じなかったからU.L.Pad15s+の断熱性能で十分なのだろう。厳冬期でも、かさ張るリッジレスト ソーラーを持っていかなくても良いのであれば助かるのだが。
登り出せば薄っすらと汗ばむ位の気温。低く垂れさがった雲は辺りを覆ってはいるが視界が悪いと云う程でもない。しかし、眺望の良いと書かれた国見山からは、360°の白霞した景色しか眺めるべくもなかった。
明神平では、二人組のパーティが東屋で装備を整えていた。それは旅立つ間際の事だったから交わした言葉は少なかったのだが、その少ない会話からでも明神谷から上がって来た事は判り、すなわちそれはそこから続く足跡を辿れば明神谷へ下りられるって事だけは分かった。
そして不安視していた水枯れは杞憂でしかなく、その水場は潤沢に水を垂れ流していたのだった。ほどほどに給水し先を急いだ。それは下山し、間もなく町へいたるこの時となっては必要ない行為だったかもしれないのだけれど、水を切らしてしまっては一歩も上れなくなるボクにとっては必要な行為だったのだ。
林道終点を向かえ、防水のために靴下の上に被せていたコンビニ袋を引き千切った。想像通りというか想像以上に靴下はぐっしょりと濡れ、想定外というか想定した以下ほどしか靴下は悪臭を放ってはいなかった。
林道をひた歩き、吊橋の上でラー麺を作った。それは先ほど汲み上げた湧水により作ることができ、さすがボクは先見の明があるなと感心したものだった。そしてそれをまた引っ繰り返し、ボクはとことん学習能力に欠けたアホだなと痛感したものだった。
やはた温泉
■泉質 単純温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)
■効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみくじき、慢性消化器病、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進
■営業時間 午前11時~午後9時(12月1日から3月15日の間は午後8時まで)
■休業日 火曜日 (その日が国民の祝日にあたる場合はその翌日)12月29日~翌年1月1日まで (1月2日、3日は特別営業)
■入湯料 大人500円 (12歳以上)小人200円 (6歳以上12歳未満)6歳未満無料
■回数券 大人(11枚)5,000円・小人(11枚)2,000円
■団体割引 20人以上は20%割引
遭遇:イタチx1
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呑み:馬駆ヶ場 - 榛原駅 - テン場
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