弥山川遡行壹日目
弥山川遡行貳日目
日程:2013/12/21-2013/12/22(一泊二日)
ルート:ビバークポイント - 仙人嵓テラス - 一の滝 - 釜滝 - 分岐 - 熊渡
コースタイム:4h 20min(休憩時間を含む)
距離:6,578km
累積標高:507m
天候:雪のち曇り
気温:?℃
湿度:?
目的:山上ヶ岳で山ガールとホワイトクリスマス的な出会い
単独行
外が明るくなってからかなりの時間をツェルトの中で過ごしていた。
それは間断なく吹付ける吹雪をやり過ごすためってのもあったし、レトルトカレーにきりたんぽを投入したものでユックリと身体を温めたかったってのもあったのだが、一番の理由は、ふやけた両の指十本を乾かしたかったからだ。それは昨夜の雪との格闘の結果だった。
夜遅くから外は猛吹雪となっていた。夜中に幾度となく雪に押され、目を覚ました。その度に足元の方へ小さく小さくなって行ったのだった。始めはツェルトに雪が吹溜り、押されているのだと思った。なんとかせなあかんな、と、ヘッデンを忘れてきたのでハンドライトを灯した。そこに浮かび上がった光景は驚愕的であった。フットプリントを忘れてきたせいか、張り方が悪かったせいか、猛烈な吹雪は底割れをこじ開け、ツェルトの中に雪を積もらせていたのだった。枕にしていたストーブ入れ、カトラリー入れは、既に埋没し姿を消していた。慌てて雪を掻き出しマットで塞ぐ。それでも残った雪はシュラフを湿らせ、濡れたままのインナーグローブはボクの指をふやかしていったのだった。
しかし、いつまでも籠っているわけにはいかない。ラジヲが11時を告げたのを機会に、撤収の用意を進めた。
この時点で計画は大幅に変更されていた。狼平での小屋泊。続いて栃尾辻小屋泊で天川川合に下りるという安全策だった。
一晩の休息で気力体力共にみなぎっている。前日より更に積雪を増した歩道でも難なく越えて行った。 ピークをいくつ越えたのだろう。テープをいくつ探し、いくつ迷ったのだろう。そして、ここを越えたら双門滝が見えるのではないか、って思った急坂が登り切れなかった。雪は腰を遥かに越していた。1m進むだけでも何度雪を掻かなければならなかっただろうか。何度キックを入れなければならなかっただろうか。何度息を調えただろうか。
ここが撤退時だった。この先更に積雪を増して行くとしたら、小屋へ辿り着くのですら怪しかった。小屋に辿り着けなければ最悪、「凍死」である。もはや戻る以外の選択肢は無いと思えた。
滑落したら死ぬなって思っていた鎖場も、雪に埋れ爪先しか載せられなかった梯子も、下りの方が遥かに容易だった。上りで迷った踏み跡を再び辿ったりもしたが、下りは予想以上に短い時間で終わりを告げたのだった。
閉店の用意を済ませたレストランみたらいに、「まだいけますか」と飛び込んだ。
薪ストーブの温もりが、鍋焼きうどん(¥750)の美味さが身に染みた。
しかし、洞川温泉(¥600)の温もりでも指先の凍傷を癒すことは出来なかった。やはり引き返したのは正解だったのだろう。あのまま進んでいれば、凍死までは至らなかったとしても、指の一本くらいは失っていたかもしれないのだから。
遭遇:ナシ
エンドレスリピート
呑み:ビバークポイント - みやそい - ビバークポイント
みやそい
みやそい
猪カツ丼(特別にしし汁付)¥1,000
鶏カラ揚げ 大¥750
スーパードライ中瓶¥600
熱燗一合¥400
カレーうどん¥700
失った物:ゲイター片方、今季の雪山山行
弥山川遡行貳日目
日程:2013/12/21-2013/12/22(一泊二日)
ルート:ビバークポイント - 仙人嵓テラス - 一の滝 - 釜滝 - 分岐 - 熊渡
コースタイム:4h 20min(休憩時間を含む)
距離:6,578km
累積標高:507m
天候:雪のち曇り
気温:?℃
湿度:?
目的:
単独行
外が明るくなってからかなりの時間をツェルトの中で過ごしていた。
それは間断なく吹付ける吹雪をやり過ごすためってのもあったし、レトルトカレーにきりたんぽを投入したものでユックリと身体を温めたかったってのもあったのだが、一番の理由は、ふやけた両の指十本を乾かしたかったからだ。それは昨夜の雪との格闘の結果だった。
夜遅くから外は猛吹雪となっていた。夜中に幾度となく雪に押され、目を覚ました。その度に足元の方へ小さく小さくなって行ったのだった。始めはツェルトに雪が吹溜り、押されているのだと思った。なんとかせなあかんな、と、ヘッデンを忘れてきたのでハンドライトを灯した。そこに浮かび上がった光景は驚愕的であった。フットプリントを忘れてきたせいか、張り方が悪かったせいか、猛烈な吹雪は底割れをこじ開け、ツェルトの中に雪を積もらせていたのだった。枕にしていたストーブ入れ、カトラリー入れは、既に埋没し姿を消していた。慌てて雪を掻き出しマットで塞ぐ。それでも残った雪はシュラフを湿らせ、濡れたままのインナーグローブはボクの指をふやかしていったのだった。
しかし、いつまでも籠っているわけにはいかない。ラジヲが11時を告げたのを機会に、撤収の用意を進めた。
この時点で計画は大幅に変更されていた。狼平での小屋泊。続いて栃尾辻小屋泊で天川川合に下りるという安全策だった。
一晩の休息で気力体力共にみなぎっている。前日より更に積雪を増した歩道でも難なく越えて行った。 ピークをいくつ越えたのだろう。テープをいくつ探し、いくつ迷ったのだろう。そして、ここを越えたら双門滝が見えるのではないか、って思った急坂が登り切れなかった。雪は腰を遥かに越していた。1m進むだけでも何度雪を掻かなければならなかっただろうか。何度キックを入れなければならなかっただろうか。何度息を調えただろうか。
ここが撤退時だった。この先更に積雪を増して行くとしたら、小屋へ辿り着くのですら怪しかった。小屋に辿り着けなければ最悪、「凍死」である。もはや戻る以外の選択肢は無いと思えた。
滑落したら死ぬなって思っていた鎖場も、雪に埋れ爪先しか載せられなかった梯子も、下りの方が遥かに容易だった。上りで迷った踏み跡を再び辿ったりもしたが、下りは予想以上に短い時間で終わりを告げたのだった。
閉店の用意を済ませたレストランみたらいに、「まだいけますか」と飛び込んだ。
薪ストーブの温もりが、鍋焼きうどん(¥750)の美味さが身に染みた。
しかし、洞川温泉(¥600)の温もりでも指先の凍傷を癒すことは出来なかった。やはり引き返したのは正解だったのだろう。あのまま進んでいれば、凍死までは至らなかったとしても、指の一本くらいは失っていたかもしれないのだから。
遭遇:ナシ
エンドレスリピート
呑み:ビバークポイント - みやそい - ビバークポイント
みやそい
みやそい
猪カツ丼(特別にしし汁付)¥1,000
鶏カラ揚げ 大¥750
スーパードライ中瓶¥600
熱燗一合¥400
カレーうどん¥700
失った物:ゲイター片方、今季の雪山山行
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