PENTAX K-1 smc PENTAX-FA MACRO 50mmF2.8 時刻は午前五時(現地時間)を少しばかり廻った頃。ボクはS1線の停留所でバスを待っていた。 觀景山まではたいした距離ではないのだが、そこまでの道筋が分からない。 空港から東涌へつながる道は幾筋もあるのだが、あまりにも自動車専用道路が多くて、あまりにも歩道が少ないのだ。 googleで検索でもすれば一発で解決するのかもしれないが、あいにくタブレットが故障中で調べようがない。調べるすべがない。 だからボクは空港から、機場から、脱出することが出来ないでいた。 と云うか、バスで、巴士で、50円程度で、3.5HK$で、行ける道程を、3-40分も掛けて汗だくになって行く意味も見出せなかった。それだけの理由づけを思い付けないでいた。 Nから始まる巴士が、ボクが佇むバス停の前を、巴士站の前を、通り過ぎていく。 Nから始まるバスは、ナイトバスだ。通宵巴士なのだ。 香港では24時間バスが走り続けているが、深夜料金を取られる。およそ5割ほど割増しされるのだ。 しかも長距離バスが多い。長距離バスという事は運賃が高い。近距離乗っただけでも運賃が高い。 ダカラボクハそれらを見送った。それらに乗ることを見合わせていた。 隣の巴士站にS64號が止まった。 しかしそのS64線ってバスは、S64線って巴士は、空港内を、機場内を、グルグルと、それはもうグルグルと、すべての場所を回り尽すかのように、すべてのホテルだとか、すべての酒店だとかを、回り尽すかのように回って、漸く東涌へ出て行く路線だった。 ボクはその事を昨日の事で知っていた。昨日の経験から学んでいた。 ダカラボクハそれを見送ったんだ。故意に見合わせたんだ。 飛機燃料庫のバス停で降りた。 觀景山の登山口は昨日乗った、S64號のバスから見ていて知っていた。予想がついていた。 だからそこが觀景山への登山口だと思って、登山口だと予想して、飛機燃料庫の巴士站で降りたのだ。落車したのだ。 昂坪360のキャビンを潜りぬけ、階段を上る。振り返れば、東涌灣越しに馬灣涌村が見え、背後に逸東邨の高層ビル群が聳え立つ。 高々77mしかない山だが、空港の全貌が一望でき、登り損ねた鳳凰山や登るべきだった大東山を見渡す360°の眺望がボクを待ち構