紀ノ川水系上多古川上谷遡行前編
紀ノ川水系上多古川上谷遡行後編
日程:2014/07/22(日帰り)
ルート:上谷取付 - 馬ノ背滝 - 四段20m滝 - 三段20m滝 - 牛呼滝 - 植林小屋跡 - 上谷取付
コースタイム:3h 30min(休憩時間を含む)
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ時々雨
気温:?℃
湿度:?
目的:上谷遡行
同行者:イトーさん
あっと思った瞬間、滝壺にイトーさんは飲み込まれていた。右岸より取付き滝の流れに逆らうイトーさんは、そのホトバシル流れに負け、足を滑らせたのだった。
濡れてしまったのだから、浸かって行ったら、と提案するのだが、頑なに腰より深い釜には入ろうとしない。
馬ノ背滝が構える深い釜を見下ろし、ルートを探す。そのまま右岸を捲くのは辛そうだった。遡行図では左岸から捲くのだと、イトーさんは言った。確かに沢底へと下りるロープが張られている。しかし、釜を泳がなければ、取付ないようにも見える。
泳ぎも辞さずに下ると、なんてコトはない。深い釜を抱え込むように岩がグルリと囲んでいたのだった。
四段20m滝の雄大な眺めを前に、箱谷から散る滝の雫は虹を造りだし、幻想的な光景を見せている。
写真では上手く写せないんだよな、って思いながらも色々と撮ってみる。
三段20m滝を前に、直登しようと取付く。傾斜の緩い一段目を難なく越え、二段目に掛かる。わずかなスタンスと微かなホールドを頼りに、フリクションを効かせるようにジワリジワリと上って行った。しかし、どす黒く汚れたボクのビラビラは、ボクの踏ん張りを嘲笑うが如く捲れ上り、滝の流れに沿ってズリ落ちた。そのまま一段目も落ちたのであれば、滝壷まで真っ逆さまってとこだが、辛うじてしがみつく。
打ち付けた膝に痛みが走る。「捲きましょか」の声に潔く従う。
再び沢へ下り遡行を再開すると、大岩が進路を遮った。下には潜れそうなくらいの穴がポッカリと口を開けて待ち構えている。そこを覗き込んで、狭そうだなと思い、右手にある釜に飛び込み、泳ぎ、3m程の斜瀑をよじ登った。
一方、イトーさんは穴を潜った。そちらが、一般的なルートだった。
沢登りなんてもんは、基本、オンサイトで登りたいので、事前にあまり調べるコトはない。
あまりにもキッチリ調べて行くと、それをナゾルだけの作業に陥ってしまうし、沢は結構地形が変わるので古い資料はかえって迷わせる元になりかねないからだ。
例えれば、写真で選んだヒメで、どんだけフォトショってんだよ、とガッカリするよりも、好みだけ伝えてアタリを引く方が愉しい。そんな気持ちによく似てる。
いや、チョット違うか。
食べログで評価の高かった店に連れて行って「あまり美味しくないね」って言われるのではなく、食べたいものを聞いて「なんでもいい」って言われて途方に暮れる、って感じの方が近い。
ようやく辿り着いた牛呼滝。
今日の核心部である。荷を下ろし、カメラ片手に迷わず釜へ飛び込んだ。
牛呼滝の名を示す、牛の鳴声に似た音を響かせるというその風洞に潜り込んでみたかったからだ。
そこへはヘツルのも無理なので、釜を泳いで取付く。
しかしその滑らかな滑滝にはスタンスはおろかホールドもない。
滝の外れにはひとすじのワレメが刻まれていた。そこに指を差入れこじることで、なんとかホトバシルその流れに逆らい躰を固定する。腕力だけで躰を引き寄せ、その先にあるワレメに爪先を捻じ込もうとした。しかし、どうにもこうにもビラビラしたものが邪魔になり、どうしても差し込む事が出来なかった。
もがき、足掻き、束の間、格闘し、そして諦めた。
一方、イトーさんは右岸より捲いた。またもやそこが、一般的なルートだった。
捲道は右岸の草付だと云う。だがそこは、高さ20mはあろう崖だった。草の生えた泥の壁だった。
もうこんな草付きなんて、ボクのビラビラが裂けちゃう。そんなおっきいのムリムリムリって拒否ると、戻ったところから杣道に上がれますのでって三段滝の下まで戻った。
植林小屋で食事を摂る。
名瀑に次ぐ名瀑でおなか一杯だったので、ここで引き返す。
山鳩湯で凍えたからだを癒し、あっさりと帰路に着いた。
呑み:近鉄八木駅、モンク、ajitensya
遭遇:オタマジャクシ×タクサン
紀ノ川水系上多古川上谷遡行後編
日程:2014/07/22(日帰り)
ルート:上谷取付 - 馬ノ背滝 - 四段20m滝 - 三段20m滝 - 牛呼滝 - 植林小屋跡 - 上谷取付
コースタイム:3h 30min(休憩時間を含む)
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ時々雨
気温:?℃
湿度:?
目的:上谷遡行
同行者:イトーさん
あっと思った瞬間、滝壺にイトーさんは飲み込まれていた。右岸より取付き滝の流れに逆らうイトーさんは、そのホトバシル流れに負け、足を滑らせたのだった。
濡れてしまったのだから、浸かって行ったら、と提案するのだが、頑なに腰より深い釜には入ろうとしない。
馬ノ背滝が構える深い釜を見下ろし、ルートを探す。そのまま右岸を捲くのは辛そうだった。遡行図では左岸から捲くのだと、イトーさんは言った。確かに沢底へと下りるロープが張られている。しかし、釜を泳がなければ、取付ないようにも見える。
泳ぎも辞さずに下ると、なんてコトはない。深い釜を抱え込むように岩がグルリと囲んでいたのだった。
四段20m滝の雄大な眺めを前に、箱谷から散る滝の雫は虹を造りだし、幻想的な光景を見せている。
写真では上手く写せないんだよな、って思いながらも色々と撮ってみる。
三段20m滝を前に、直登しようと取付く。傾斜の緩い一段目を難なく越え、二段目に掛かる。わずかなスタンスと微かなホールドを頼りに、フリクションを効かせるようにジワリジワリと上って行った。しかし、どす黒く汚れたボクのビラビラは、ボクの踏ん張りを嘲笑うが如く捲れ上り、滝の流れに沿ってズリ落ちた。そのまま一段目も落ちたのであれば、滝壷まで真っ逆さまってとこだが、辛うじてしがみつく。
打ち付けた膝に痛みが走る。「捲きましょか」の声に潔く従う。
再び沢へ下り遡行を再開すると、大岩が進路を遮った。下には潜れそうなくらいの穴がポッカリと口を開けて待ち構えている。そこを覗き込んで、狭そうだなと思い、右手にある釜に飛び込み、泳ぎ、3m程の斜瀑をよじ登った。
一方、イトーさんは穴を潜った。そちらが、一般的なルートだった。
沢登りなんてもんは、基本、オンサイトで登りたいので、事前にあまり調べるコトはない。
あまりにもキッチリ調べて行くと、それをナゾルだけの作業に陥ってしまうし、沢は結構地形が変わるので古い資料はかえって迷わせる元になりかねないからだ。
例えれば、写真で選んだヒメで、どんだけフォトショってんだよ、とガッカリするよりも、好みだけ伝えてアタリを引く方が愉しい。そんな気持ちによく似てる。
いや、チョット違うか。
食べログで評価の高かった店に連れて行って「あまり美味しくないね」って言われるのではなく、食べたいものを聞いて「なんでもいい」って言われて途方に暮れる、って感じの方が近い。
ようやく辿り着いた牛呼滝。
今日の核心部である。荷を下ろし、カメラ片手に迷わず釜へ飛び込んだ。
牛呼滝の名を示す、牛の鳴声に似た音を響かせるというその風洞に潜り込んでみたかったからだ。
そこへはヘツルのも無理なので、釜を泳いで取付く。
しかしその滑らかな滑滝にはスタンスはおろかホールドもない。
滝の外れにはひとすじのワレメが刻まれていた。そこに指を差入れこじることで、なんとかホトバシルその流れに逆らい躰を固定する。腕力だけで躰を引き寄せ、その先にあるワレメに爪先を捻じ込もうとした。しかし、どうにもこうにもビラビラしたものが邪魔になり、どうしても差し込む事が出来なかった。
もがき、足掻き、束の間、格闘し、そして諦めた。
一方、イトーさんは右岸より捲いた。またもやそこが、一般的なルートだった。
捲道は右岸の草付だと云う。だがそこは、高さ20mはあろう崖だった。草の生えた泥の壁だった。
もうこんな草付きなんて、ボクのビラビラが裂けちゃう。そんなおっきいのムリムリムリって拒否ると、戻ったところから杣道に上がれますのでって三段滝の下まで戻った。
植林小屋で食事を摂る。
名瀑に次ぐ名瀑でおなか一杯だったので、ここで引き返す。
山鳩湯で凍えたからだを癒し、あっさりと帰路に着いた。
呑み:近鉄八木駅、モンク、ajitensya
遭遇:オタマジャクシ×タクサン
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