紀ノ川水系上多古川上谷遡行前編
紀ノ川水系上多古川上谷遡行後編
日程:2014/07/22(日帰り)
ルート:上谷取付 - 馬ノ背滝 - 四段20m滝 - 三段20m滝 - 牛呼滝 - 植林小屋跡 - 上谷取付
コースタイム:3h 30min(休憩時間を含む)
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ時々雨
気温:?℃
湿度:?
目的:上谷遡行
同行者:イトーさん
同じ山岳会のイトーさんと沢登りに出かけた。
当初ボクは、ノウナシ谷かイブキ嵓谷を希望していたのだが、下山路が長過ぎるだとか、4級の沢は実力に過ぎるだとかで「上谷」に決まった。
仕事帰りに大阪へ前乗りし「橿原神宮前駅」の待合せに合わせる。
改札を潜れば丁度、ロータリーへと車が滑り込んできた。
今日の行程は全てイトーさん任せ。
計画書の作成から車の運転、ルートの案内まで全てお任せだった。ボクがしたコトといえば、シットハーネスを買ったくらい。いつもソロで沢に入っていたから慌てて用意したのだ。
車は上谷沿いの集落を抜け、林道に差し掛かる。この舗装された林道沿いから見える沢ですら、六甲山ではあり得ないくらい美しく輝き、飛沫を上げる連瀑は、ここを上ってもいいのではないかと思わせるくらい魅力的だった。
閉じているかもしれない、とイトーさんが不安を覚えていたゲートは平日故か開かれており、難なく先へと進む。
その理由を後付けするように、路肩には林業作業用の軽トラが並んでいた。
林道の終着は、転回スペースも兼ねた広場となっており、数台の車が邪魔にならずに停められるくらいの広さがある。
その片隅に車を停めて、身支度を整えながら、GPSが衛星をキャッチするのを待つ。しかしいつ迄待っても頭上には三つしか飛ばず、現在位置を補足出来ない。これはイトーさんのGPSも同様だった。
何処から入渓しようかと広場から沢を見下ろすが、急な斜面や繁る藪に気が引けて、木組みの梯子を上り、杣道に入った。
入渓地点はもう少し先にある橋だと云うが、足元に広がる美しい沢様をそのまま遣り過すのが勿体無くて、その流れへと足を踏み入れる。
しかし、被り気味な3〜4m程の連瀑をどうにもこうにも越えられなくて、すぐに杣道へと引返す。
結局セオリー通りの、橋からの入渓となった。
そぞろ連なる小滝を、時にはゆるりと、時にはえいやと乗り越えていく。
積極的に泳いで行きたいボクと、あまり濡れたくないと云うイトーさんとでは、ライン取りが違う。とは云っても、そこそこの高さがある滝では、同じようなルートを辿った。
大峰山の豊かな水に磨き上げられた岩肌は滑らかで、シャワークライム出来る滝は限られて居る。だからその滝の流れの傍を、時には右岸を、時には左岸を、その上りやすそうな方を二人辿って行った。
足上げが重い。小さなスタンスにフリクションを掛けられない。最高のシチュエーションなのにモチベーションが上がらない。
なんか登りにくいな、と思っていたら、爪先が「くぱぁー」と開いている。沢足袋のフェルトがビラビラと剥がれかけているのだ。
確認してみると、右足の爪先だけではなく、左足の爪先も「くぱぁー」右足の踵も「くぱぁー」左足の踵も「くぱぁー」これはもう「くぱぁー」祭りだ。「くぱぁー祭り」の始まりだ。
足袋だけに祭りはつきもんですねってうるさいわ。
「経年劣化ですね」56年履いて一度も張替えていないのだから当り前だった。
「ゴム系のボンドを両側に塗ってから張合わせれば大丈夫ですよ」以前、張替えたことがあるイトーさんよりアドバイスをもらう。
まだ67mmはフェルトが残っているのだから再利用させてもらうつもりだ。あとは、今回の遡行中に剥がれ落ちないことを祈るだけだ。
つづく
紀ノ川水系上多古川上谷遡行後編
日程:2014/07/22(日帰り)
ルート:上谷取付 - 馬ノ背滝 - 四段20m滝 - 三段20m滝 - 牛呼滝 - 植林小屋跡 - 上谷取付
コースタイム:3h 30min(休憩時間を含む)
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ時々雨
気温:?℃
湿度:?
目的:上谷遡行
同行者:イトーさん
同じ山岳会のイトーさんと沢登りに出かけた。
当初ボクは、ノウナシ谷かイブキ嵓谷を希望していたのだが、下山路が長過ぎるだとか、4級の沢は実力に過ぎるだとかで「上谷」に決まった。
仕事帰りに大阪へ前乗りし「橿原神宮前駅」の待合せに合わせる。
改札を潜れば丁度、ロータリーへと車が滑り込んできた。
今日の行程は全てイトーさん任せ。
計画書の作成から車の運転、ルートの案内まで全てお任せだった。ボクがしたコトといえば、シットハーネスを買ったくらい。いつもソロで沢に入っていたから慌てて用意したのだ。
車は上谷沿いの集落を抜け、林道に差し掛かる。この舗装された林道沿いから見える沢ですら、六甲山ではあり得ないくらい美しく輝き、飛沫を上げる連瀑は、ここを上ってもいいのではないかと思わせるくらい魅力的だった。
閉じているかもしれない、とイトーさんが不安を覚えていたゲートは平日故か開かれており、難なく先へと進む。
その理由を後付けするように、路肩には林業作業用の軽トラが並んでいた。
林道の終着は、転回スペースも兼ねた広場となっており、数台の車が邪魔にならずに停められるくらいの広さがある。
その片隅に車を停めて、身支度を整えながら、GPSが衛星をキャッチするのを待つ。しかしいつ迄待っても頭上には三つしか飛ばず、現在位置を補足出来ない。これはイトーさんのGPSも同様だった。
何処から入渓しようかと広場から沢を見下ろすが、急な斜面や繁る藪に気が引けて、木組みの梯子を上り、杣道に入った。
入渓地点はもう少し先にある橋だと云うが、足元に広がる美しい沢様をそのまま遣り過すのが勿体無くて、その流れへと足を踏み入れる。
しかし、被り気味な3〜4m程の連瀑をどうにもこうにも越えられなくて、すぐに杣道へと引返す。
結局セオリー通りの、橋からの入渓となった。
そぞろ連なる小滝を、時にはゆるりと、時にはえいやと乗り越えていく。
積極的に泳いで行きたいボクと、あまり濡れたくないと云うイトーさんとでは、ライン取りが違う。とは云っても、そこそこの高さがある滝では、同じようなルートを辿った。
大峰山の豊かな水に磨き上げられた岩肌は滑らかで、シャワークライム出来る滝は限られて居る。だからその滝の流れの傍を、時には右岸を、時には左岸を、その上りやすそうな方を二人辿って行った。
足上げが重い。小さなスタンスにフリクションを掛けられない。最高のシチュエーションなのにモチベーションが上がらない。
なんか登りにくいな、と思っていたら、爪先が「くぱぁー」と開いている。沢足袋のフェルトがビラビラと剥がれかけているのだ。
確認してみると、右足の爪先だけではなく、左足の爪先も「くぱぁー」右足の踵も「くぱぁー」左足の踵も「くぱぁー」これはもう「くぱぁー」祭りだ。「くぱぁー祭り」の始まりだ。
足袋だけに祭りはつきもんですねってうるさいわ。
「経年劣化ですね」56年履いて一度も張替えていないのだから当り前だった。
「ゴム系のボンドを両側に塗ってから張合わせれば大丈夫ですよ」以前、張替えたことがあるイトーさんよりアドバイスをもらう。
まだ67mmはフェルトが残っているのだから再利用させてもらうつもりだ。あとは、今回の遡行中に剥がれ落ちないことを祈るだけだ。
つづく
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