ルート:西之川登山口-石鎚神社成就社-八丁-前社森-夜明峠-鎖場-石鎚神社山頂社-夜明峠-前社森-八丁-石鎚神社成就社-西之川登山口
コースタイム:上り3h 02min 下り2h 34min(休憩時間を含む)
距離:?
累積標高:?
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:朱印
単独行
時刻は既に午後十時を廻っていた。
この先には石鎚山以外何もない山道。そこへ向かうロープウェイ乗り場の近くには幾つかの宿が点在するものの、まるで人の気配を感じない。そこは、その宿全てが最早廃墟なのではないか、と思わせるほどの寂れ具合であった。もちろん宿を使う気などさらさら無いので廃墟であったとしても一向に構いやしないのだが。
暗闇の中、ヘッドライトを頼りにテントを張るのに丁度良さそうな空地を探す。しかし、どうもしっくりと来る場所が見つからなかった。
"駐車禁止、但し二輪車を除く"の看板だけが取り敢えずはバイクを駐めることだけは出来ると安堵感を与えてくれただけであった。
仕方なく更に奥へと進んで行く。ここから4、5km程戻った処に工事中の脇道があった。最悪そこをキャンプ地とすればいいと思えばこそ、それ程焦らずとも空き地を吟味することが出来たのだった。
やがてひとつの集落がライトに浮かび上がる。ここもまるで人気が無く、廃村特有のジメッとした静けさに取り巻かれていた。ただそこには、二気筒から響く少し低いノートだけが木霊していだけだった。
無粋なエンジン音を消すと静寂が訪れた。しかし、それは一瞬の出来事でしかなかった。マフラーが奏でるピッチカートのようなチンチンとつま弾く響きを待ちわびていたかのように、虫たちの合唱が始まったからだった。
その伴奏に併せ、こちらに向かって走りくるふたつの影が浮かび上がる。喉を鳴らしながら駆け寄るその姿、野犬!?と思わず身構えるが、襲いかかってくる様子は見られない。シッポを振り振り荒く息を弾ませ、一定の距離を保ち、それ以上近寄ってこようとはしない。飼い犬なのだろうか。そのコらは構って欲しそうに辺りを彷徨くが、こっちは明日のため一刻でも早く身体を休めたかった。その面倒くさそうな視線を悟ったのか、やがて諦めたかのように奥の方へと駆け戻っていった。
一軒の廃屋の横に丁度良さそうな空間を見付け、バイクを滑り込ませる。その直ぐ横には、今時あまり見かけなくなった、頭が丸く薄っぺらいバス停がポツンと佇んでいた。おそらくここはバスの待避所。タンクバッグからヘッデンを取り出し、バスの時刻表を確認する。始発は六時過ぎ。今の時期なら四時半には薄明が始まる。猶予は一時間半あまり。それは撤収するには十分すぎる時間だった。今日の宿泊地はココに決めた。
地面は大きな石がめり込んだまま固く踏み固められ、決して寝心地が良い場所とは言い難かった。それに加え、近くの公衆便所からは時たまかぐわしき香りが漂ってくる。しかし、そんなことも酔いと疲れには敵わず、いつしか眠りに落ちていった。
遭遇:犬x2
コースタイム:上り3h 02min 下り2h 34min(休憩時間を含む)
距離:?
累積標高:?
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:朱印
単独行
時刻は既に午後十時を廻っていた。
この先には石鎚山以外何もない山道。そこへ向かうロープウェイ乗り場の近くには幾つかの宿が点在するものの、まるで人の気配を感じない。そこは、その宿全てが最早廃墟なのではないか、と思わせるほどの寂れ具合であった。もちろん宿を使う気などさらさら無いので廃墟であったとしても一向に構いやしないのだが。
暗闇の中、ヘッドライトを頼りにテントを張るのに丁度良さそうな空地を探す。しかし、どうもしっくりと来る場所が見つからなかった。
"駐車禁止、但し二輪車を除く"の看板だけが取り敢えずはバイクを駐めることだけは出来ると安堵感を与えてくれただけであった。
仕方なく更に奥へと進んで行く。ここから4、5km程戻った処に工事中の脇道があった。最悪そこをキャンプ地とすればいいと思えばこそ、それ程焦らずとも空き地を吟味することが出来たのだった。
やがてひとつの集落がライトに浮かび上がる。ここもまるで人気が無く、廃村特有のジメッとした静けさに取り巻かれていた。ただそこには、二気筒から響く少し低いノートだけが木霊していだけだった。
無粋なエンジン音を消すと静寂が訪れた。しかし、それは一瞬の出来事でしかなかった。マフラーが奏でるピッチカートのようなチンチンとつま弾く響きを待ちわびていたかのように、虫たちの合唱が始まったからだった。
その伴奏に併せ、こちらに向かって走りくるふたつの影が浮かび上がる。喉を鳴らしながら駆け寄るその姿、野犬!?と思わず身構えるが、襲いかかってくる様子は見られない。シッポを振り振り荒く息を弾ませ、一定の距離を保ち、それ以上近寄ってこようとはしない。飼い犬なのだろうか。そのコらは構って欲しそうに辺りを彷徨くが、こっちは明日のため一刻でも早く身体を休めたかった。その面倒くさそうな視線を悟ったのか、やがて諦めたかのように奥の方へと駆け戻っていった。
一軒の廃屋の横に丁度良さそうな空間を見付け、バイクを滑り込ませる。その直ぐ横には、今時あまり見かけなくなった、頭が丸く薄っぺらいバス停がポツンと佇んでいた。おそらくここはバスの待避所。タンクバッグからヘッデンを取り出し、バスの時刻表を確認する。始発は六時過ぎ。今の時期なら四時半には薄明が始まる。猶予は一時間半あまり。それは撤収するには十分すぎる時間だった。今日の宿泊地はココに決めた。
地面は大きな石がめり込んだまま固く踏み固められ、決して寝心地が良い場所とは言い難かった。それに加え、近くの公衆便所からは時たまかぐわしき香りが漂ってくる。しかし、そんなことも酔いと疲れには敵わず、いつしか眠りに落ちていった。
遭遇:犬x2
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