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OSJおんたけスカイレース当日

ルート:王滝小中学校 - おんたけスキー場 - 田の原 - 御嶽山山頂 - 田の原 - おんたけスキー場 - 王滝小中学校
コースタイム:7h 15min(休憩時間を含む)

御嶽山:3,067m

日程20130825
距離:37km
累積標高:?m
天候:雨
気温:?
湿度:?
目的:朱印
敵:800人

0703
雨降りそぼつ中でのスタート。

大杉くんの駆け抜けていく姿を写真に収めて最後尾に回った。

しばらくはロード区間。街道沿いに並ぶ旅館から声援が送られる。

4kmくらい走るとフラットダート区間に入る。緩い上り下りをいくつかこなしていくといきなり渋滞に捕まった。
周りの囁きを漏れ聞くところによるとこの先に滝があり、そのこで往生しているのだろうという。

果たしてその先はシングルトラックとなり渋滞はさらに延び、滝の横を覚束ない足取りで飛石を渡る人たちが列を成していた。そしてその先からがいよいよトレイルといった趣となっていた。

0945(1200制限時間)
田の原通過

面白くないスキー場区間を越えると、ようやく田の原に着いた。

先ずここでひとつ目の朱印を頂く。里宮は早朝のため頂く事が出来なかったからここが一つ目となったのだった。もっとも里宮ではツーリングの時に頂いているのでそれほど重要視してはいなかった。

次は山頂ですか? と社務所の方に聞くと、遥拝所が70mほど行った所にあるという。
この木道が遥拝所への路だろうかと辿っては戻り辿っては戻りしながら到着した。

遥拝所を越えるとコースは再びトレイルらしさを取り戻す。

この辺りでトップ集団とすれ違った。大杉くんも3番手で駆け抜けて行く。

それにしても早すぎる。お鉢廻りは中止になったとしか思えない。朝には廻りますと言っていたのだが、天候が悪化したのだろう。案の定その後すれ違う人より中止を聞かされた。(上位グループはお鉢廻りをしてあのタイムだった)

1133
王滝頂上

レースでは下り優先のため、上りのペースは極めて遅い。もちろんハイカーが絡むことに依る方が多いのだが、皆極めて好意的である。
「頑張って下さいね」「もう少しですよ」路を譲りながら温かな声援が掛けられる。それは行者からも同様であった。
宗教、レジャー、ハイキング、トレラン。あらゆるものがウエルカムに迎えられている。
御嶽はなんて懐の深い山なのだろう。


1157(1300制限時間)
剣ヶ峰

御岳神社で朱印を頂き、続けて剣ヶ峰でも頂いた。

雨降りにより熱中症の心配はなくなったのだが、それでも高湿度で無風の中上るのはかなり暑く、早く森林限界を越えないだろうかとそれを待ち望んでいた。稜線を渡る風に湿気った躰を拭って欲しかった。

そして訪れた森林限界。
標高が上がったことによる気温の低下と、風を遮るものの無い吹きっさらしの路は、容赦無く体温を奪っていった。火照った躰を冷まして欲しいどころの騒ぎではなかった。

家を出るとき雨具をいれて行こうとは思っていた。
しかし先週の熱中症になるほどの晴れっぷりもあって、それをそれほど重要視していないのは確かだった。レギュレーションも1リッター以上の水とヘッデンだけで、雨具についてはとやかく云ってはいなかった。そして忘れてきたのだった。

手は雪のように白く、凍えた指先では解けた靴紐さえ結べなかった。
背筋を這い上る悪寒に歯を鳴らしながら耐え、朱印を待つ剣ヶ峰での5分間が、このレースで最も過酷な時間であった。


1241(1600制限時間)
田の原

山頂から田の原の手前までは今回のお楽しみどころ。累々たる岩を飛び越え、駆け下りる至福のひと時。
あまりの楽しさに、途中脛を岩で擦った事なんて忘れていた。田の原のエイドで消毒出来ますよって言われて痛みが戻ってきた。
普段フルーツを食べないボクが、ここで幾つオレンジを食べたのだろうか。それほどに、ここのオレンジは美味かった。それこそダイトレで飲み干した甘いレモンティーと同じほどにだ。

1415
ゴール
ま、何だ。後は惰性だった。

クソおもろないスキー場を抜け、ドロッドロのトレイルで転けて、泥に埋もれた岩につま先を引っ掛け爪を剥いだ。
道路脇の湧き水で汚れた足を洗い、再び歩く。緩い下り坂であってもロードを走る気にはなれなかった。
あとから来た人に追い抜かれ、脚を引き摺るひとを追抜き歩いた。
「あと20分ですよ、頑張って」旅館の前で声援を受ける。
何があと20分なのだろう。ゴールまであと20分なのだろうか。まず第一に頭に浮かんだのはそれだった。
しかし人によって走るスピードも違うのに、それを一緒くたにあと20分ですよとは言わないだろう。
歩きながらそんなことを考えていた。
おそらく、たぶん、あと20分で2時になるのであろう。それは次の思い付きだった。2時は表彰式の開催時刻だった。あいにくスントのベルトが切れたボクは時計をしていなかった。だからそれを確かめる気にはならなかった。
そしてもちろんボクは表彰などに縁遠いわけで、その声援を受けてもモチベーションが上がる事もなく、トボトボと歩き続けるだけだった。

「もう終りですよ、頑張りましょう」
ドロッドロのトレイルで追い抜いた彼に、追抜きざまにそんな言葉を掛けられても相変わらず歩き通した。


ゴールから拡声器の声が響いてきた。あとは見下ろすグランドに駆け下りるだけって処まで来て走り出した。
ゴールくらいは走って抜けたかったからだ。

遭遇:大杉君

呑み:電車内 - チンタ - モンク

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