FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
昨日、ろくな地形図もシルバも持たずに適当に目に付いた踏跡を辿り、送電鉄塔を巡り歩く九電の巡視路の旅をしてきたわけだが、今日もそんな愚行を繰り返す事になろうとは思ってもいなかった。
事はバスの乗り継ぎ間違えから始まった。
ツェルト忘れから脊振山系半縦を諦め、急遽次回の下見にと金山を登ったまではよかった。
あれがぶっつけ本番であったなら、送電鉄塔を巡る内に飛行機の時間になっていたかもしれない。そう考えるとゾッとする。
次回は上手いことやれる。丸幸ラーメンセンターで旨いラーメンを食うことだって出来るだろう。
だが、今日は登山口の下見に金山を訪れる予定ではなかったのだ。縦走はしないまでも、その盟主たる脊振山の山頂だけは踏んでおこうと思っていたのだ。
バスの乗り継ぎは完璧に調べていた。ただ勘違いしていただけだった。乗り継ぎは脇山小学校前でだ。早良営業所で乗り継ぐのは帰りの話だったのだ。
脇山小学校前行きのバスに乗ればまだ間に合う。だがそれを見送ったのは、バス代が余計に嵩むのが嫌だったからではなく、脊振山系半縦の取付きを下見しておきなさいとの啓示だと思えたからだった。
陽光台のバス停で降り、多々良瀬のバス停まで歩いく。多々良瀬のバス停まで行くバスは少なく、それを待つ余裕はボクにはない。
金山登山口の標識に従い、車道を進んで行った。
道を間違えた事に気付いたのは、水平道をしばらく進んでの事だった。
ルート図を確認する。登山口は湧水千石の郷の敷地内から続いていたのだろうか。それらしいものは目にしなかった。それでも引き返さなかったのは、その先からも登山ルートはあり、下山時にそのルートを確認すればいいやと思ったからだ。
林道 新飼線を、ここがそのルートだろうかと、登って行った。途中、金山の看板を見つけ安心する。地形図に載っていない林道に出合い不安になった。
たよりない地形図によると、さらにその先に登山道が続いているはずなのだが発見できない。
まあいい、東へ向かえばいずれ坊主ヶ滝からのルートに重なるだろうと開き直った。
送電鉄塔が二重に走っていた。どうしようもない地形図には一重にしか走っていない。新設されたのだろうかと不安になる。
そこに記されていない林道はまだしも、鉄塔が載っていないなど、どれだけ古い地形図なのだろうと愕然とした。
そこに記された登山ルートさえ信頼に足るものとは思えなくなっていた。
切下げられた尾根筋に赤テープを見つけよじ登る。林道により分断されたルートかもしれない。そう思った。だが、そこに踏跡はない。工事用のテープがそこかしこに貼られ、紛らわしい。
いよいよ道は舗装すらされなくなり、やがて新規林道造成現在進行形となる場所に到達してしまった。
さすがにユンボうごめくその合間を抜けていく勇気などなく、引き返す。
ここまでに上に登れそうなところは、九電巡視路と思わしき階段だけだった。
ろくでもない地形図でアタリを付けると、その先に続く路は山頂まで至らずに途切れているようだった。
だから「金山」の看板を見付けた時は救われた思いだった。
「金山」の文字に導かれ九電巡視路を外れる。しっかりした踏跡に整備された階段。コースは明瞭だ。
あとはこのトレースと看板を辿っていけば山頂にたどり着けると、そう信じていた。
雪はその厚さを増やし、その下の地面は硬く凍りついている。軽アイゼンくらいは持ってきた方がいいくらいに固まっていた。
滑らぬよう気を付けながら足を運ぶ。度々足を止め、なんともいかがわしい地形図で現在地を確認しようと試みた。
鉄塔を過ぎ、急な登攀を経て、水平道をトラバースしてきた。そんな波線は何処にも刻まれていない。ただ、花乱の滝ルートへ向かっている事だけは確かだった。
再び急登する。そして尾根に出た。そこは四つ辻となっており、方角を見失った。看板も標識もないその辻を左に曲がったのは、感覚的にはそちらに山頂があると思ったから。
どこかにそれを指し示すものがないかと見渡しながら歩いて行く。ピークらしき場所にたどり着いた。金山山頂にはまだ早いだろうと思いながらもその看板を探した。
どちらへでも行けそうなそのふくらみを中心にどちらへ向かうべきか彷徨った。古びた赤テープはすぐに途切れ、戻っては他を捜す。四つ辻まで引返し、その先を下りもした。
しょうもない地形図によると、金山山頂北東部771mのピーク周辺にいると思われたが、金山山頂へ向うルートがどれなのか、いっさいがっさいまるっとぜんぜん分らなかった。
金山山頂へは、一度下らなければならない事だけは分っていた。だが、どちらに下ればいいのかが分らない。GPSはおろかシルバすら持ってきていないのだから当然だ。
東に踏跡が続いていれば、行って行止りを引返し
西に赤テープがあれば、行ってその先を見失い
南に眺望があれば、こちらではないなと云い
北に下る路があれば、佐賀に下りては大変だと云い
ひとりの時は涙を流し
ロストの時はオロオロ歩き
みんなに山の妖精と呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
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日程:2017/12/14(日帰り)
ルート:陽光台バス停 - 多々良瀬バス停 - 湧水千石の郷 - 林道 千石線 - 林道 新飼(2)線起点1054 - 新設林道1113 - 新設林道工事箇所1140 - 送電鉄塔脊振伊都線18号1200 - 尾根1234 - 送電鉄塔脊振伊都線18号1314 - 新設林道1319 - 林道 新飼(2)線起点1339 - 林道 千石線 - 湧水千石の郷 - 多々良瀬バス停 - 陽光台バス停
コースタイム: 2h.45min.(休憩時間を含む)
金山(かなやま) 967m
地形図:脊振山
距離:?km
累積標高:?m
天候:曇り
気温:?℃
湿度:?%
目的:脊振山地縦走路下見
単独行
peach 福岡空港-関西空港 ¥2,490+¥360
地下鉄 天神南 - 野芥 ¥300×2
地下鉄 博多 - 福岡空港 ¥260
西鉄バス 野芥駅前 - 早良営業所 ¥170
西鉄バス 早良営業所 - 陽光台 ¥230
西鉄バス 陽光台 - 野芥 ¥290
げんこつ★★★★
三喜屋酒店★★★★
昨日、ろくな地形図もシルバも持たずに適当に目に付いた踏跡を辿り、送電鉄塔を巡り歩く九電の巡視路の旅をしてきたわけだが、今日もそんな愚行を繰り返す事になろうとは思ってもいなかった。
事はバスの乗り継ぎ間違えから始まった。
ツェルト忘れから脊振山系半縦を諦め、急遽次回の下見にと金山を登ったまではよかった。
あれがぶっつけ本番であったなら、送電鉄塔を巡る内に飛行機の時間になっていたかもしれない。そう考えるとゾッとする。
次回は上手いことやれる。丸幸ラーメンセンターで旨いラーメンを食うことだって出来るだろう。
だが、今日は登山口の下見に金山を訪れる予定ではなかったのだ。縦走はしないまでも、その盟主たる脊振山の山頂だけは踏んでおこうと思っていたのだ。
バスの乗り継ぎは完璧に調べていた。ただ勘違いしていただけだった。乗り継ぎは脇山小学校前でだ。早良営業所で乗り継ぐのは帰りの話だったのだ。
脇山小学校前行きのバスに乗ればまだ間に合う。だがそれを見送ったのは、バス代が余計に嵩むのが嫌だったからではなく、脊振山系半縦の取付きを下見しておきなさいとの啓示だと思えたからだった。
陽光台のバス停で降り、多々良瀬のバス停まで歩いく。多々良瀬のバス停まで行くバスは少なく、それを待つ余裕はボクにはない。
金山登山口の標識に従い、車道を進んで行った。
道を間違えた事に気付いたのは、水平道をしばらく進んでの事だった。
ルート図を確認する。登山口は湧水千石の郷の敷地内から続いていたのだろうか。それらしいものは目にしなかった。それでも引き返さなかったのは、その先からも登山ルートはあり、下山時にそのルートを確認すればいいやと思ったからだ。
林道 新飼線を、ここがそのルートだろうかと、登って行った。途中、金山の看板を見つけ安心する。地形図に載っていない林道に出合い不安になった。
たよりない地形図によると、さらにその先に登山道が続いているはずなのだが発見できない。
まあいい、東へ向かえばいずれ坊主ヶ滝からのルートに重なるだろうと開き直った。
送電鉄塔が二重に走っていた。どうしようもない地形図には一重にしか走っていない。新設されたのだろうかと不安になる。
そこに記されていない林道はまだしも、鉄塔が載っていないなど、どれだけ古い地形図なのだろうと愕然とした。
そこに記された登山ルートさえ信頼に足るものとは思えなくなっていた。
切下げられた尾根筋に赤テープを見つけよじ登る。林道により分断されたルートかもしれない。そう思った。だが、そこに踏跡はない。工事用のテープがそこかしこに貼られ、紛らわしい。
いよいよ道は舗装すらされなくなり、やがて新規林道造成現在進行形となる場所に到達してしまった。
さすがにユンボうごめくその合間を抜けていく勇気などなく、引き返す。
ここまでに上に登れそうなところは、九電巡視路と思わしき階段だけだった。
ろくでもない地形図でアタリを付けると、その先に続く路は山頂まで至らずに途切れているようだった。
だから「金山」の看板を見付けた時は救われた思いだった。
「金山」の文字に導かれ九電巡視路を外れる。しっかりした踏跡に整備された階段。コースは明瞭だ。
あとはこのトレースと看板を辿っていけば山頂にたどり着けると、そう信じていた。
雪はその厚さを増やし、その下の地面は硬く凍りついている。軽アイゼンくらいは持ってきた方がいいくらいに固まっていた。
滑らぬよう気を付けながら足を運ぶ。度々足を止め、なんともいかがわしい地形図で現在地を確認しようと試みた。
鉄塔を過ぎ、急な登攀を経て、水平道をトラバースしてきた。そんな波線は何処にも刻まれていない。ただ、花乱の滝ルートへ向かっている事だけは確かだった。
再び急登する。そして尾根に出た。そこは四つ辻となっており、方角を見失った。看板も標識もないその辻を左に曲がったのは、感覚的にはそちらに山頂があると思ったから。
どこかにそれを指し示すものがないかと見渡しながら歩いて行く。ピークらしき場所にたどり着いた。金山山頂にはまだ早いだろうと思いながらもその看板を探した。
どちらへでも行けそうなそのふくらみを中心にどちらへ向かうべきか彷徨った。古びた赤テープはすぐに途切れ、戻っては他を捜す。四つ辻まで引返し、その先を下りもした。
しょうもない地形図によると、金山山頂北東部771mのピーク周辺にいると思われたが、金山山頂へ向うルートがどれなのか、いっさいがっさいまるっとぜんぜん分らなかった。
金山山頂へは、一度下らなければならない事だけは分っていた。だが、どちらに下ればいいのかが分らない。GPSはおろかシルバすら持ってきていないのだから当然だ。
東に踏跡が続いていれば、行って行止りを引返し
西に赤テープがあれば、行ってその先を見失い
南に眺望があれば、こちらではないなと云い
北に下る路があれば、佐賀に下りては大変だと云い
ひとりの時は涙を流し
ロストの時はオロオロ歩き
みんなに山の妖精と呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
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FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
FUJIFILM X-E1 Voigtländer ULTRA WIDE-HELIAR 12mmF5.6Aspherical
日程:2017/12/14(日帰り)
ルート:陽光台バス停 - 多々良瀬バス停 - 湧水千石の郷 - 林道 千石線 - 林道 新飼(2)線起点1054 - 新設林道1113 - 新設林道工事箇所1140 - 送電鉄塔脊振伊都線18号1200 - 尾根1234 - 送電鉄塔脊振伊都線18号1314 - 新設林道1319 - 林道 新飼(2)線起点1339 - 林道 千石線 - 湧水千石の郷 - 多々良瀬バス停 - 陽光台バス停
コースタイム: 2h.45min.(休憩時間を含む)
金山(かなやま) 967m
地形図:脊振山
距離:?km
累積標高:?m
天候:曇り
気温:?℃
湿度:?%
目的:脊振山地縦走路下見
単独行
peach 福岡空港-関西空港 ¥2,490+¥360
地下鉄 天神南 - 野芥 ¥300×2
地下鉄 博多 - 福岡空港 ¥260
西鉄バス 野芥駅前 - 早良営業所 ¥170
西鉄バス 早良営業所 - 陽光台 ¥230
西鉄バス 陽光台 - 野芥 ¥290
げんこつ★★★★
三喜屋酒店★★★★
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