スキップしてメイン コンテンツに移動

南北ドントリッジ下見

日程:2014/10/08(日帰り)
ルート:長峰霊園 - 摩耶東谷 - 山寺尾根 - 掬星台 - 桜谷道 - 徳川道 - 北ドントリッジ - 分水嶺越林道 - 布引道 - 新神戸駅
コースタイム:04h 04min(休憩時間を含む)

距離:13.179km
累積標高:1,054m
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:例会山行下見
単独行

例会山行のリーダに指名されたからにはヤラざるを得ない。もちろんやること自体は、ヤブサカデハナイ。

「山羊戸渡」を要望されていたのだが、なんかみんなに過大評価している感、満載なルートなだけに気持ちがどうにもこうにも盛上らない。
って云うか、かつてそんな多大なる期待を受けて連れて行ったのに、その数多過ぎる所期を満たすことなんてとても出来やしなくて、ガッカリルートに認定されたことからも気持ちが萎えてしまう。

結局、余り足を踏み入れないコースを案内しますよ、なんて言葉を濁す。とどのつまり「山羊戸渡」までのアプローチの長さ故にダレタ気持ちを、その先から続くひたすらシンドイだけのアルバイトに過ぎない行程を満足させられるだけの力量を持ち合わせていないってコトだけのことだ。

で、選んだのは、摩耶東谷から南北ドントリッジへと続くルート。
ボクは通常、摩耶東谷を辿る時は、日本三大廃墟として名高い「マヤカン」へと詰めるのだが、一応、立入禁止となっている個人所有の敷地へと不法侵入すべく皆を連れて行くわけにも行かず、かと云って摩耶東谷を通しても、最終的にシンドイだけの藪漕ぎになるので、少しはマシだろうと山寺尾根へ抜けるルートを選択した。

通常、ボクひとりで上るのなら、摩耶東谷を谷通しで行くのだが、同行者が居るとなるとそうも行かない。摩耶東谷より入渓し、堰堤を捲いたところで山寺尾根との分岐へと戻った。そこで堰堤工事を知る。この路へは立入禁止だと知った。
山寺尾根をそのまま辿り、途中の広場から摩耶東谷へ下りる路を調べた。だがそこも、人を連れて行くにはどうかなって、路だった。
だからボクは、谷通しで良いかなって思った。

谷を歩く内は涼しくて良かった。だが、一度沢を外れ尾根を伝うと、その急勾配ゆえに、晩秋とは云え、まだまだ激しく照りつける日差しゆえに、段々と消耗していった。
今日はとても暑い日で、リュックの重さも相まって、一ヵ月も山をサボっていたボクの躰には、一層、堪えた。

掬星台で給水し、桜谷道を下った。
桜谷道は、摩耶自然観察園から続く単なる散策路なのだが、ボクは意外と好きだ。なんだか心惹かれるところがある。
それは、ボクが沢筋の道が好きだとか、山桜が好きだとか、紅葉が好きだとか、そんな単純な理由からなのかもしれない。

「ぬくと」のせせらぎを聞きながら、岩に腰を下ろす。
家から持ってきた「チリビーンズ」を味わい、駅前のパン屋で買った食パンを齧った。これはワインだな、と思い、その重さのもとを「コフラン フォールドカップ」に注いだ。
木漏れ日の下でのブランチ。ただの下見が、思いがけず、充実してしまっていた。

ヌケ谷分岐近くの堰堤工事が終わっている。
この工事のせいで、幾度となく迂回路を高捲かされ、幾度となく二十渉が砂で埋もれた。
今更、そんな怨言を並べても仕方ない。が、必要以上に堰堤工事が多いような気もする。

森林植物園東門分岐より森林管理道へと入る。そのまま水平に走るルートを外れ、尾根伝いに高度を上げていく。その微かな踏み跡が「北ドントリッジ」の取付きだ。
境界を示す石柱が建ち並ぶ。そこにに刻まれた溝を辿り、次の石柱を探した。

ここで迷ったんだよなって路も敢て辿った。その先がどこに続くのか、確かめて於きたかった。そこがエスケープルートになるなら、知っておいたほうがよかった。再度山ドライブウェイにでも繋がっているのなら、バスに乗ることもできる。
果たしてその先には、青葉トンネルがあった。そこは北アメリカ区の外れだった。森林植物園への無料進入ルートだった。

分岐まで引き返し、正しい路を進む。
その分岐から先、急に悪くなる。更に痩せ、更にガレ、更に歩荷の辛さを味あわせるのだ。
リュックの中のワインの重さを悔い、大根の重さを悔い、缶詰や調味料の重さを嘆いて、自分の愚かさに泣いた。
浄水場までの道のりが、こんなにも長かっただろうかと、道を間違えているのではないだろうかと、記憶の不確かさにも涙を流す。

ようやく分水嶺越林道に辿り着いた時には、「南ドントリッジ」に行く気など、更々失せていた。エスケープも確認して於かないとな、なんて、嘯いてもみた。
実際、分水嶺越林道を辿れば二十渉に繋がり、やがて市が原に出られることは頭では解っていたが、どの様に辿り、どこに出るのかは、忘れていた。それくらい、この道を歩いたのは、過去のことだった。
しかし、なんてことはない。特に迷うような分岐もなく、特に戸惑うような場所に出るわけでもなかった。

呑み:一社酒店

遭遇:ナシ

BGM
Martin Garrix & MOTi - Virus (How About Now) [OUT NOW]

コメント

このブログの人気の投稿

紀ノ川水系下多古川 本谷遡行 一日目 2020年6月6日

六月も初めだというのに全国各地で真夏日をたたき出す猛暑が続くなか、これはもう沢だな、と沢装備を整え出社する。 沢足袋のフェルトを張替えていなかったなと、石井スポーツで草鞋を買って大峰を目指した。 「関西起点 沢登りルート100」が見当たらないのでネットで適当に遡行図を探すが途中までのものしか見つからない。 初心者向けの容易な沢で登山道も沢筋に付いているみたいなことが書かれているから、オンサイトで大丈夫だろうとろくに情報も集めずに旅だった。 これがまたえらい苦労する羽目になろうなどとは何も知らずに。 沢沿いに今なお残る集落を抜け川をまたぐと一軒の建物が目についた。 確か川を渡ってすぐぐらいのところが取付きだったよな、うろ覚えの遡行図を思いだし、簡易浄水場の横から続く踏み跡をなぞって入渓した。 朽ち果てた取水口を越えるとすぐ、滝に出会った。 沢足袋に履き替え、草鞋を結ぶ。妙に鼻緒が短くて履きにくい。 念のためi-padで遡行図を確認する。6mの斜瀑(F1)とある。確かに6mくらいの高さだが、斜瀑というかふつうに滝だ。 直登できなくはないが、シャワークライムを強いられる。 思ったよりも気温が低いし日差しもない。入渓したばかりで体も温まっていないのに滝に打たれるのはいややなと、右岸の草付きを捲く。これが見た目以上に悪い。岩の上にうっすらと土がのり、頼りなげに草が生えている程度だった。 手掛かりになる樹根はおろか、幼木ですらほとんど手の届く範囲にはない。 それでも登れそうなポイントを探し、左へ左へとトラバースしていく。しかし、楽に登れそうなところは見つからず、心が折れた。 しかたがない。直登しようと緩んだ草鞋を結びなおした。 途端に鼻緒が切れた。ブチッとした手触りと共に、ボクの張りつめた気持ちも切れた瞬間だった。 取水口より手前まで戻り、今度は左岸を高捲く。獣道やもしれぬかすかな踏み跡をみつけ、たどる。 F1を越えて再び沢へ下りたいのだが、どれだけ探しても下りられそうなルートがない。捨て縄でも張れば別だが、戻ってこないので回収もできない。 下りられないのなら上を目指すしかない。どこかに登山道がついているかもしれないし、いっそ

武庫川水系西ノ谷遡行

武庫川水系西ノ谷遡行 武庫川水系太多田川赤子谷左俣 日程:2014/07/02-03(一泊二日) ルート:親水広場1613 - 入渓1628 - 霞滝1635 - 桜滝1648 - 満月滝1716 - 尾根1741 - 大峰山1834 コースタイム:2h 21min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:晴れ 気温:? 湿度:? 目的:沢登り 単独行 表六甲の沢の汚さに嫌気が差し、武庫川渓谷なら少しはマシだろうと西の谷を目指した。ついでに裏六甲の沢を幾つか絡めるつもりだ。 家の用事を何かしら片付けていると、なんだかんだでいい時間になってしまっていた。 宝塚でJR(宝塚-武田尾¥200)に乗換え、武田尾の駅より廃線跡を辿る。 放置され風化するに任されたトンネルを二つ抜け、親水広場から櫻の園へと入る。その入口を流れる沢が西の谷だ。 先ずは「もみじの道」を辿り、すぐに出会す堰堤を越えてから入渓する。そこですぐさま身支度を整える。沢足袋に履き替え、ラッシュガードを着る。電子機器はジップロックなり、サラスパの袋なり、LOKSAKなりで包み、ORのドライコンプサミットサックなり、EXPEDなりに突っ込んで完全防水にした。 最初の釜に入り腰まで浸かった。身体に籠った熱が嘘みたいに引いていく。暑さに負けてビールや酎ハイ片手に歩いた街中の暑さが、幻だったかの様に思えてくる。 幾つかの小滝を越え、10m程度の滝(霞滝)に出会った。越えられそうな気もするが、メットをも忘れてしまった単独行なので自重する。そして、定石っぽい右岸のルンゼから上った。そこに掛けられた残置ロープを頼るまでもないが、あったらあったでそれは楽だった。 再び緩い斜瀑を幾つか越えていく。そして幾段かの滝で構成された大滝と出会った。下から見上げても、どこが滝口か定かではない。それほどの連なりだった。 しかしその一段目に取付くには茶色く泡立った釜に浸かるか、無理矢理ヘツッて滝に寄るかしかなかった。もちろんその濁りに浸かりたくも無かったし、スタンスやホールドは随所に見られはするが、万が一落ちてしまった時のことを考えるとヘツるのも二の足を踏む。 結局、またまた右岸より草付きを登り、一段目を越えた辺りでトラバースし、上へと続く残置ロープを跨いで、滝へと戻った。