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多紀アルプス縦走

日程:2014/11/04(日帰り)
ルート:筱見四十八滝 - 小金ヶ嶽 - 大タワ - 三嶽 - 西ヶ嶽 - 矢代道 - 藤岡奥

コースタイム:05h 52min(休憩時間を含む)

小金ヶ嶽:725m
三嶽:793m
西ヶ嶽:727m

距離:14.391km
累積標高:1,749m
天候:晴れ
気温:?
湿度:?
目的:多紀アルプス縦走
単独行

仕事終りに篠山を目指した。もちろん、取付き迄のバスなど、とてもなくとんでもない時刻だった。
丹波大山駅を降り立ち、街灯もまばらな道を、ハンドライト片手にひた歩いた。

事前にネットで調べた通り、午前0時迄営業している篠山ショッピングセンター(ラ・ムー)で飲物を買い込む。それからのんびりと側にそびえる権現山を上る。
その広く刈られた山頂で、そこはかとなく期待していた星空は薄雲に遮られたものの、それなりに拡がる篠山市街地の夜景を眺めながら眠りに就いた。

翌朝の薄暗さに、まさかの雨を疑った。
時刻は既に六時を回っている。日の出の時刻はとうに過ぎていた。
テントの周りは乳白色の朝靄に覆われ、5m先の木々すら霞んで見える。
空に雲があるのかすらも、当然の如く分からなかった。
篠山は盆地なんだな、と改めて思う。
朝晩の気温差が激しい今の時期が、最も靄も濃いのだろう。

朝食の用意を済ませてからテントを畳んだ。一晩中、雨に打たれた程にグッショリと濡れ、それはズッシリとその重みを増していた。
四十八滝へ向かうバスは、篠山営業所から9時丁度の出発だ。営業所まではユックリ歩いても一時間もかからない。

朝靄に霞む「紅葉」を眺められれば、と「王地山公園」へ回り道もするが、例年より遅い色付きは此処でも例外ではなく、「まけきらい稲荷」の鳥居の赤とは対照的に青々とした「もみじ」が茂っていた。

丹波東雲のバス停で降り(¥490)、四十八滝まで3kmほど歩く。コミュニティバスでは、もっと近く(上筱見)まで来るのもあるが、路線バスではここまでが限界だった。
紅葉までまだ早いとは云え、紅葉シーズンの差中なのだから、平日でもソコソコの人出。挨拶を交わし、撮影中に追い抜かれては又挨拶を交わした。

小金ヶ嶽山頂では丁度昼時とのコトもあって、3グループ、十人以上の人々で賑わっていた。ボクも此処で昼食とする。
今回の山行は全てインスタントラーメン。多紀アルプスの急坂を少しでも楽にしようとの軽量化と、賞味期限切れの在庫処分のようなものだ。
前回は、地道をチャリで走ってきたのだから、又ここまで戻って来なければならないとかで、そのシンドサに此処より引き返したので、この先は未知の世界。幾筋かある下り口を、間違わない様に標識を確認して進む。

筱見四十八滝の楽しさと、其処から山頂迄の冗長な詰まらなさは知っていた。其処を引き返したのだから、その倍ほどに、辛い山行だった。前回は。

大タワへの下山路は、すこぶる楽しかった。鎖場を下り、露出した岩々を飛び渡った。振り返れば、ほんのりと色付く木々に囲まれた荒々しい岩肌が立ち並ぶ。実高度以上の壮大さ。ボクが修験の山を好む理由のひとつだ。

なんだか小金ヶ嶽迄の延々と辿り着かなさぶりに比べて、大タワから西ヶ嶽迄のアッケなさ、とか、このまま栗柄口へと下りてもバス待ちが長いなあ、とかで、親切にもそこへ至る道は未整備だと書込まれているにも係らず「矢代」へ向かうルートを選んだ。

その先にはシッカリと踏み跡が付いているし、立派な標識も建っているし、中途半端に整備された感じに階段も築かれているし、なんだ、楽勝かって思っていたりもしたのだが、わずか10分後にはそんなあまちゃんな思いは裏切られていた。
倒木が踏み跡をふさぐ。それを跨ぎ、潜り、迂回する。捲いた踏み跡を更に遮る倒木に、言い知れない悪意を感じる。視えないナニモノかの、そんな邪魔さ加減に辟易させられていった。
その酷さに「矢代 4時間」の標識の、此処まで4時間ソコソコで来ているのにそれはないだろ、ってツッコミこそ、それは間違いだったのかもしれないと思い直されていた。高々10kmにも満たないだろう距離に4時間はないだろって考えも、修正せざるを得なかった。

しかしその先へと続く路は、整備こそされてはいない悪路ではあるが、所々に赤テープがあり、ハッキリとした踏み跡もあり、思い出したかのように現れる標識もあって、なんとかその先を繋げて行くことが出来たのだった。

矢代を示す分岐。
それを敢えてそれを辿らなかったのは、別にボクは矢代を目指している訳ではないし、そもそも矢代が何処かも知らないし、西へ向かえばあるらしい矢代って極楽浄土の話も眉唾だし、どんな夢も叶うらしい桃源郷の夢物語になどには、頼りたくなかったからだ。

だから「三岳」「矢代」の標識の間の踏み跡を抜けて行った。

開けた岩場の上より、市街地の方角を確認した。しかし此処より先に踏み跡はない。山肌が崩落し、全てのものを流し去っていた。そこでは緑深い木立が途切れ、青空が覗く。
本来、引き返し、矢代への踏み跡を辿るのがセオリーだろう。此処が鬱蒼と木々の生い茂る谷間なら確実にそうしただろう。しかし、青空の鮮やかさが、ボクをその先の下りる道へと誘っていった。

崩落地を抜け、獣道かもしれぬ踏み跡を辿った。それが、獣道ではない自信があった。それは、獣道にありがちな腰を屈めなければならない茂みを抜けて行くような路ではなかったからだ。

再び、崩落地を横切る。しかし、既に感覚は研ぎ澄まされていた。僅かな踏み跡を迷いなく辿る。

「ザ、スダチ」の錆びた空缶を見つけた。更に進むと、再び、「ザ、スダチ」の缶が転がっていた。ボクの感覚は、間違ってはいなかったのだ。これらは、その証明だった。此処は、ハイキングコースでこそないが、林業従事者が行き交う、杣道だったのだ。

食材:アミガサダケ、ヒラダケ、ムカゴ


呑み:幕営地、ローソン篠山東岡屋

遭遇:紅葉狩りの老夫婦とか、地元高校生のパーティとか、単独行の山ガールとか、とか、とか

BGM
Afrojack - Ten Feet Tall ft Wrabel

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