スキップしてメイン コンテンツに移動

薩摩富士

ルート:かいもん山麓ふれあい公園-二合目登山口-山頂-二合目登山口-かいもん山麓ふれあい公園

単独行

かいもん山麓ふれあい公園にてキャンプ。
"山頂までどれくらい時間がかかりますか?"管理棟で使用料を支払うついでに尋ねてみた。答えは"三時間半くらい"と返ってきた。
たかだか千メートル足らずの山に三時間以上もかかるのだろうか?と疑問に思いはしたが、酒を喰らい早めの就寝とした。
翌朝、夜明けと共にテントを撤収し、開聞岳登山へと向かった。パターゴルフ場を横切り、二合目登山口に到着すると"上り150分、下り90分"と看板に書かれている。
それくらいなら妥当な線だ。まさか革ジャン、革パン、ライディングブーツという出で立ちで登ると思われたわけではあるまい。

6:25 二合目登山口
先ずは照葉樹の茂る森の中を歩く。早朝といえども流石は南国鹿児島らしく蒸し暑い。
登山道へと張り出した羊歯は朝露に濡れ、そこを通り抜けようとする身体に五月蠅くまとわりついてくる。そのうえ、厚く積もった礫は足を浚い、疲労と不快感ばかりが積み重なっていった。
眺望も景観の変化もなく単調な道をただひたすら登り続けていく。五合目付近で一度木々の切れ間から、指宿方面へと展望が開く。海に張り出した独立峰という変わったロケーション。眼下には鹿児島湾が広がる。しかし、登り始めると再び覆い尽くされ、七合目付近まで眺めは得られなくなった。
そして再びの眺望、長崎鼻へと続く優美な弓状の浜辺が続く。山頂からの眺めはさぞかし素晴らしいものだろう。晴れていれば、の話ではあるが。

この辺りから足下は確かな岩塊となり、足取りも軽くなる。ここから先が仁和元年の噴火で隆起したという部分だ。そして間もなく"仙人洞"が現れた。単調な登山道にあるたった一つのイベントといったところか。傍に設置された看板に依ると
"孝徳天皇の頃、開聞岳北麓の「岩屋」(開聞中学校の南150m)にある観音堂は、山伏たちの修行所として諸国からの出入りが多く、開聞宮の社人たちも山伏となり、ここから修行に出かけていたようです。
この洞窟は、開聞岳が噴火したときに溶岩がせりあがってできたもので、これら山伏たちの修行の場として使われ、「仙人洞」という名前が付けられたといわれます。
今は「千人洞」ともいわれ、開聞岳の登山の途中でここまで使ってきた杖をこの洞窟に投げ入れて、杖に感謝し、これからの登山の安全を祈願する人が多くいます。"
ということだ。その儀式に則り、傍に落ちていた小枝を拾い、投げ込んだ。

前方にストックを突きながら登る老夫婦を見掛けた。お二人はこちらが追いついたのに気付くと道の端に立ち止まり先を譲る。"こんにちは"と挨拶を交わし、追い抜かせてもらう。
九合目辺りの岩壁に掛かる梯子を越え、再び現れた木立を抜けると呆気く山頂へと到達する。

8:10 山頂
山頂は雲に覆われ、期待していた眺望は全くない。暫く晴れ間を待つが、吹き付ける湿り気を帯びた風は容赦なく身体を冷やしていく。身震い一つ残し、山頂を後にした。
梯子を下りそこから幾分か進むと、先ほどの老夫婦と出会った。今度はこちらから道を譲る。"早いですねぇ、もう登ってきたのですか"と声をかけられ、"はい、でも残念ながら眺望はないですよ"と返した。

再び単調な道を下っていく。緩い下りと気を抜いていると、ガレ場で足を滑らし手を着く。そこで下山でこそ杖が必要だというのに仙人洞で投げ入れてしまっては駄目なのではないか?と気付く。もっとも最初から杖など持って登ってなどいないのだが。

9:30 二合目登山口
登山口を抜け、左へと続く道へと折れる。こっちからもふれあい公園へ行けるだろうと予想してのルート取りだ。案の定、スキー場を抜けキャンプ地へと辿り着く。始めからこちらを通っていればゴルフ場で藪漕ぎなどしないで済んでいた。
後は枚聞神社へと安全祈願のお礼参りを残すだけだった。

開聞岳
標高922m
鹿児島
日本百名山
高低差820m
所在地:鹿児島県指宿市 山岳マップ
神社仏閣:枚聞神社
距離:上り 3.5km、下り 3.5km
所要時間:登り1:45、下り1:20

枚聞神社(ひらききじんじゃ)
鎮座地:鹿児島県指宿市開聞十町 神社マップ
祭神:大日孁貴命(おおひるめむち)
旧社格:国幣小社
神階:従四位上
神紋:四割菊
薩摩国一宮

コメント

このブログの人気の投稿

トゥエンティクロス終了のお知らせ

ルート:上野道取付 - 展望広場 - 掬星台 - 摩耶ビューテラス702 - 桜谷道 - 徳川道 - トゥエンティクロス - 新神戸 コースタイム:4h 55min(休憩時間を含む) 掬星台:692m 距離:?km 累積標高:?m 天候:雨一時豪雨 気温:? 湿度:? 目的:水遊び 単独行 「20+エライ事になっとうで」 シンちゃんからそう聞いたからには、そこに行かないわけにはいかなくなった。 何でも二十渉は、ここ連日のゲリラ豪雨により底なし沼と化しているそうだ。そして、そこで、クツを脱ぎ、膝まで砂に浸かり、腰まで沈み込んだところでようやく諦めて引返したという。 ナントカっていう動画(酔っ払っていたから何回も聞いたけど忘れた)で、底なし沼からの脱出方法を観ていたから大丈夫やったけど、知らんかったらホンマにヤバかった。先ず片脚を抜いて腹這に横たわり、腕を広げて沈み込まないようにしてもう片方の脚を引き抜くねん、なんて嬉々として語る。 それならボクはその先まで行ったろう、とその先までますます行かないわけにはいかなくなったのだった。 甲山へ走るというみんなとは別に二十渉を目指した。 始めは長峰から桜谷を抜け徳川から二十渉へ向おうと思っていたのだが、昨夜の2時過ぎまでの酒によるダルさと朝から降りそぼる雨に嫌気がさし、12時過ぎのスタートの上野道上りとなった。 「上りの報告と下山の報告は、ちゃんとしてや」の約束を守り、FBに入山届を上げた。 展望広場では早々に朝食兼昼飯となるガーリックトマトパスタを食す。 降り濡つ雨を避け、掬星台の702でビールを傾けながらFBに応える。そんな束の間の休息のうちに、雨脚は一際激しくなっていた。カウンターからソファーへ移り、ホットドッグにドリンクバーを追加した。そしてドッシリと腰を据え、宇宙兄弟を紐解いた。 もう帰ったろかなってのが正直本心だった。しかし、雨も小降りになった事だし、宇宙兄弟もアニメに忠実(アニメが漫画に忠実の間違い)でオモロかった事やし、気を取り直して、濡れそぼつ気にもなったわけだ。 雨の桜谷は、晴れの日よりもむしろ好ましかった。木に降り注ぐ雨が枝を伝い集まり、洞よりほとばしる様を眺めたり、路行くひとの歩みにより削り磨かれた窪みを、あたかもそこが滑床であるかのよう...

紀ノ川水系下多古川 本谷遡行 一日目 2020年6月6日

六月も初めだというのに全国各地で真夏日をたたき出す猛暑が続くなか、これはもう沢だな、と沢装備を整え出社する。 沢足袋のフェルトを張替えていなかったなと、石井スポーツで草鞋を買って大峰を目指した。 「関西起点 沢登りルート100」が見当たらないのでネットで適当に遡行図を探すが途中までのものしか見つからない。 初心者向けの容易な沢で登山道も沢筋に付いているみたいなことが書かれているから、オンサイトで大丈夫だろうとろくに情報も集めずに旅だった。 これがまたえらい苦労する羽目になろうなどとは何も知らずに。 沢沿いに今なお残る集落を抜け川をまたぐと一軒の建物が目についた。 確か川を渡ってすぐぐらいのところが取付きだったよな、うろ覚えの遡行図を思いだし、簡易浄水場の横から続く踏み跡をなぞって入渓した。 朽ち果てた取水口を越えるとすぐ、滝に出会った。 沢足袋に履き替え、草鞋を結ぶ。妙に鼻緒が短くて履きにくい。 念のためi-padで遡行図を確認する。6mの斜瀑(F1)とある。確かに6mくらいの高さだが、斜瀑というかふつうに滝だ。 直登できなくはないが、シャワークライムを強いられる。 思ったよりも気温が低いし日差しもない。入渓したばかりで体も温まっていないのに滝に打たれるのはいややなと、右岸の草付きを捲く。これが見た目以上に悪い。岩の上にうっすらと土がのり、頼りなげに草が生えている程度だった。 手掛かりになる樹根はおろか、幼木ですらほとんど手の届く範囲にはない。 それでも登れそうなポイントを探し、左へ左へとトラバースしていく。しかし、楽に登れそうなところは見つからず、心が折れた。 しかたがない。直登しようと緩んだ草鞋を結びなおした。 途端に鼻緒が切れた。ブチッとした手触りと共に、ボクの張りつめた気持ちも切れた瞬間だった。 取水口より手前まで戻り、今度は左岸を高捲く。獣道やもしれぬかすかな踏み跡をみつけ、たどる。 F1を越えて再び沢へ下りたいのだが、どれだけ探しても下りられそうなルートがない。捨て縄でも張れば別だが、戻ってこないので回収もできない。 下りられないのなら上を目指すしかない。どこかに登山道がついているかもしれないし、いっそ...

稲村ヶ岳

十津川水系川迫川モジキ谷遡行(初日前編) 十津川水系川迫川モジキ谷遡行(初日後編) 十津川水系川迫川モジキ谷遡行(二日目) 稲村ヶ岳 山上ヶ岳 ルート:モジキ谷取水口 - モジキ谷 - 稲村ヶ岳尾根 - 稲村ヶ岳 - 大日山 - 稲村小屋 - 山上ヶ岳 - 大峯山寺 - 宿坊 - 大峰奥駆道 - 吉野 コースタイム:?(休憩時間を含む) 稲村ヶ岳:1726.1m 大日山:1689m 山上ヶ岳:1719.3m 小天井ヶ岳:1211m 大天井ヶ岳:1438.9m 四寸岩山:1235.8m 青根ヶ岳:858.0m 日程2012/07/14-2012/07/15(一泊二日) 距離:?km 累積標高:?m 天候:晴れのち曇り 気温:? 湿度:? 目的:朱印 単独行 尾根へ上り詰め、一息吐いた。 そこでようやく沢靴を脱ぐ。足はふやけ、白くシワシワとなっている。空を見上げて佇んだ。そして今日の短い沢登りの経験と反省と微かな記憶の残滓に身を浸した。 しっかりと足を乾かさなければ。そんなボクの思いを無視するかのように、ボクの周りにブヨ達が纏わり付いてきた。 辛抱たまらんとばかりに、未だふやけた足にラフマの靴下を履いた。そして急ぎ、トレランシューズに履き替えた。それから更に迫りくるアブを避けて走り出す。 バリゴヤの頭から稲村ヶ岳まで踏み跡らしい踏み跡もなく、時より正しい路を進んでいるのか不安になった。そうして迷い迷いながらも稲村ヶ岳山頂の展望台に辿り着く。立ち去ろうとする登山者と挨拶を交わし、展望台へと上る。改めて身支度を整えるが、湿り気を帯びた足の裏や、それが染みついた靴下やインナーソールは今更どうしようもなかった。 そしてボクも、次の登山者と入れ替わるように重たい腰を上げた。 そしてそこから山上ヶ岳へ向かう路にもまた迷った。 稲村ヶ岳から山上ヶ岳間は行き交う人も多いはずなのに、踏み跡もしっかりと付いているはずなのに、それでも迷い、藪を漕ぎ、崖みたいなところを下り、しっかりと踏み固められた登山道にやっとの事で出たのだった。 薄暗い鞍部に一軒の小屋があった。 その周りに行く筋もの水の流れがあった。そのうちのひとつに近寄り、プラティパスを満たす。ボクも安堵の気持ちで満たされていく。これで何も不安になる事はなくなっ...