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巻機山米子沢遡行 - 前篇 -

米子沢に関する警告
米子沢は事故が多発しております。危険です。
コースではありません。米子沢からの巻機山登山は
ご遠慮願います。
なお、山岳遭難の当事者には多額の救助費用を
ご負担いただく場合がございます。
南魚沼地域山岳遭難防止対策協議会 南魚沼市

初っ端に〝自己責任看板〟のお出迎えを受けた。

初っ端にとは云ったが、実はこの少し前に他の沢を辿っていた。
それは駐車場手前の橋から、これが米子沢だろうと勝手に思い込んで入っていた沢だった。

沢足袋に履替え、堰堤を越える。草付に足を取られ、笹の葉で手足を切った。
三段から成る堰堤を越えかけて、その藪の濃さに辟易した。
沢に沿って走る林道を伝い再度沢へ下りる路を捜し歩いた。

それから出逢ったのが冒頭の自己責任看板だ。
ボクの遡行していた沢は米子沢ではなかった。林道を挟んで反対側の名も知らぬ沢を登っていたのだ。
いつも沢ではオンサイト、なんて嘯いているボクだから、今回もロクに情報を集めていなかった。
遡行図はおろか取付きさえも調べていなかったのだ。

さて、ここから米子沢のことを語ろう。
自己責任看板の横を抜け、河川敷へと下る小路を行く。
〝多額の救助費用をご負担〟などとわざわざ赤文字にして声高に叫ぶ割には行く手を遮るロープすら張られていない。

待ち構えていたのは伏流の沢。
なんとなく弥山川を彷彿とさせるが、その先に広がる峰峰の連なりがまるで違っていた。
暗く陰鬱で狭く深い弥山川と、光射し込む開放的な米子沢。
その果てに、天国の滑床と云われる場所が在るのを予感させるには十分すぎるスタートだった。

やがて水の流れが現れる。
30℃を超える気温から逃れたくて積極的に沢に入って行った。

しかし、予想以上に水は温く、そこに清涼は感じない。
光り注ぐ天国の滑床は日の出と共に温められ、そこを流れ下りる沢水は当然のごとくその温もりを貰い受けていた。
その温もりは岩肌に藻を生やし、思わぬ滑りをもたらした。
その滑りは常に緊張を強いてきた。
45°を超える岩肌が延々と続く。ひとたび足を滑らせたら百mは滑落するだろう。
それほどに広く開けた滑床だった。

実じゃないよ、中には玉蜂の幼虫がいるよ

OM-D E-M1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

それはナメドコスキーなボクにとってはまさに天国と云っていい地だった。
この後ヤブコギコフに出逢うまでは、の話だが。

巻機山米子沢遡行 - 後篇 -
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日程:2016/08/11(日帰り)
ルート:六日町駅前バス停0650 - 清水バス停0720 - 知らない沢入渓0740 - 米子沢入渓0820 - 分岐0913 - 詰め1200 - 稜線1452 - 登山道1501 - 井戸尾根コース - 駐車場1614 - 1700清水バス停1840 - 六日町駅前バス停1910
コースタイム:8h34min(道迷い、休憩含む)
距離:?km
累積標高:?m
天候:曇りのち晴れ
気温:?
湿度:?
目的:沢登り
単独行
交通費¥470+¥100(荷物代)×2
時刻表

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