ルート:保久良さん表参道 - 保久良さん - 権現谷 - 魚屋道 - 風吹岩 - 荒地山 - 高座谷 - 高座の滝
コースタイム:2h 45min(休憩時間を含む)
風吹岩:447m
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ
気温:4℃
湿度:?
目的:ルート確認
単独行
遭遇十壱匹。
いつからかは知らないが金鳥山から魚屋道へと抜ける路が閉鎖されていた。この路には良い具合のテン場が二箇所ほどあるので、近いうちにそこから夜景を肴に酒に浸ろうなんて思っている矢先のことだった。
確かにこの路は藪がひどい。とくに権現谷を越えた後は、まともに踏み跡を辿ることが出来ないほどに笹や棘が茂るのが常だった。ただ、それだけの理由で閉鎖されたのだろうか。どこか崩落でもしたのだろうか。崩落するとすると権現谷の手前、斜面地をトラバースしている辺りだろうと当りをつけて看板を越えた。
ただでさえ整備されていないこの路は、閉鎖され人通りもさらに少なくなったことから更に荒れていた。入って間もなくから藪こぎを強いられる。腰のあたりまで茂る隅笹をかき分け、露に濡れ、いつしかゲルフジはぐっしょりと濡れていた。最早ロード用と成り下がったゲルフジを履いてきたことを後悔し始めていた。足が濡れるからではない。グリップが全く効かないからだ。
キャンプ適地を越えるあたりまではそれでも順調だった。しかし、そこから先は本来のルートを辿ることも出来ず、藪の少ない緩斜面をへつっていった。権現谷が現れ、その水涸れした沢底へと下る。
「滑りそうだな」って思い、慎重に下っていたのだが、豪快に滑落してしまった。立木を掴んだので23メートルほどで止まったのだが、左上半身は泥に塗れていた。
本来のルートは、その斜面より上方に傾斜を避けるよう取り付けられていた。そこを辿れればこのような事態は避けられた。それ以前に外のシューズを履いているだけで避けられた失敗だった。ただ、通行止めになっている理由も理解できた。「こんな路歩かれへんやろ」と行政にクレームを付けたハイカーが居るのだろう。こんなマイナールートまで整備できない神戸市は、手っ取り早く通行禁止にするってわけだ。
権現谷より先はさらに酷かった。背丈をゆうに越える隅笹に棘が絡み合い、全く進むことが出来なくなっていた。
仕方なしに権現谷を遡行し、エスケイプ出来そうな斜面を探す。少しはマシかと思える茂みを直登する。そこですら棘が絡んでいない分、マシだと思える程度でしかないのだが。仰ぎ見ても全く先が見えない藪が拡がる。しかし今度はその隅笹の茂みが助けになった。とてもじゃないが根掴みでなければ上れない急坂。坂と云うよりも崖と呼ばれる部類のものだったからだ。
急坂を乗り越え、下生えも疎らな木蔭へ出る。あたりに踏み跡を探すが、ない。藪は北へ向けてまばらとなってはいるが、そちらへ向かってもハイキングコースまで程遠い。ここはやはり、魚屋道への最短距離を選んで東へ向うべきだろう。
さらに険しい藪こぎのスタートだ。汗だくになりながら10分ほど漕ぐと話し声が聞こえてきた。足を止め、息を整える。人声が通り過ぎるのを待ち、やおら歩を進めた。いきなり飛び出しては、ハイカーを驚かせてしまうからだ。
きれいに伐採されたハイキングコース。振り向けば藪にぽっかりとトンネルがあった。ボクが抜け出た跡ではない。獣道を潜ってきたからだった。
いずれこの路はすべて藪に覆われてしまうのであろう。そして、今日ボクが辿ってきたような獣道が残るだけだ。それでもボクはいつの日か、その藪に足を踏み入れ、夜景を肴に酒に浸るつもりだ。
遭遇:猫x11(コノコノコ、ペル、メヤミノコ、ヨルイチ、ヨルイチノコ、チャトラ、チャトラノコ、アニキノコ、クツシタノコ、毛毬1号、毛毬2号)
コースタイム:2h 45min(休憩時間を含む)
風吹岩:447m
距離:?km
累積標高:?m
天候:晴れ
気温:4℃
湿度:?
目的:ルート確認
単独行
遭遇十壱匹。
いつからかは知らないが金鳥山から魚屋道へと抜ける路が閉鎖されていた。この路には良い具合のテン場が二箇所ほどあるので、近いうちにそこから夜景を肴に酒に浸ろうなんて思っている矢先のことだった。
確かにこの路は藪がひどい。とくに権現谷を越えた後は、まともに踏み跡を辿ることが出来ないほどに笹や棘が茂るのが常だった。ただ、それだけの理由で閉鎖されたのだろうか。どこか崩落でもしたのだろうか。崩落するとすると権現谷の手前、斜面地をトラバースしている辺りだろうと当りをつけて看板を越えた。
ただでさえ整備されていないこの路は、閉鎖され人通りもさらに少なくなったことから更に荒れていた。入って間もなくから藪こぎを強いられる。腰のあたりまで茂る隅笹をかき分け、露に濡れ、いつしかゲルフジはぐっしょりと濡れていた。最早ロード用と成り下がったゲルフジを履いてきたことを後悔し始めていた。足が濡れるからではない。グリップが全く効かないからだ。
キャンプ適地を越えるあたりまではそれでも順調だった。しかし、そこから先は本来のルートを辿ることも出来ず、藪の少ない緩斜面をへつっていった。権現谷が現れ、その水涸れした沢底へと下る。
「滑りそうだな」って思い、慎重に下っていたのだが、豪快に滑落してしまった。立木を掴んだので23メートルほどで止まったのだが、左上半身は泥に塗れていた。
本来のルートは、その斜面より上方に傾斜を避けるよう取り付けられていた。そこを辿れればこのような事態は避けられた。それ以前に外のシューズを履いているだけで避けられた失敗だった。ただ、通行止めになっている理由も理解できた。「こんな路歩かれへんやろ」と行政にクレームを付けたハイカーが居るのだろう。こんなマイナールートまで整備できない神戸市は、手っ取り早く通行禁止にするってわけだ。
権現谷より先はさらに酷かった。背丈をゆうに越える隅笹に棘が絡み合い、全く進むことが出来なくなっていた。
仕方なしに権現谷を遡行し、エスケイプ出来そうな斜面を探す。少しはマシかと思える茂みを直登する。そこですら棘が絡んでいない分、マシだと思える程度でしかないのだが。仰ぎ見ても全く先が見えない藪が拡がる。しかし今度はその隅笹の茂みが助けになった。とてもじゃないが根掴みでなければ上れない急坂。坂と云うよりも崖と呼ばれる部類のものだったからだ。
急坂を乗り越え、下生えも疎らな木蔭へ出る。あたりに踏み跡を探すが、ない。藪は北へ向けてまばらとなってはいるが、そちらへ向かってもハイキングコースまで程遠い。ここはやはり、魚屋道への最短距離を選んで東へ向うべきだろう。
さらに険しい藪こぎのスタートだ。汗だくになりながら10分ほど漕ぐと話し声が聞こえてきた。足を止め、息を整える。人声が通り過ぎるのを待ち、やおら歩を進めた。いきなり飛び出しては、ハイカーを驚かせてしまうからだ。
きれいに伐採されたハイキングコース。振り向けば藪にぽっかりとトンネルがあった。ボクが抜け出た跡ではない。獣道を潜ってきたからだった。
いずれこの路はすべて藪に覆われてしまうのであろう。そして、今日ボクが辿ってきたような獣道が残るだけだ。それでもボクはいつの日か、その藪に足を踏み入れ、夜景を肴に酒に浸るつもりだ。
遭遇:猫x11(コノコノコ、ペル、メヤミノコ、ヨルイチ、ヨルイチノコ、チャトラ、チャトラノコ、アニキノコ、クツシタノコ、毛毬1号、毛毬2号)
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