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谷川岳厳冬期登山後編

日程:2014/12/29(日帰り) ルート:JR土合駅下りホーム0811 - 谷川岳ベースプラザ0850 - ロープウェイ - ビューテラスてんじん0913 - 熊穴沢避難小屋1018 - 天狗のトマリ場1027 - 天神のザンゲ岩1056 - RP1103 - 天神のザンゲ岩1112 - 天狗のトマリ場 - 熊穴沢避難小屋1130 - 田尻尾根1217 - 田尻尾根登山口1318 - JR土合駅改札1335 コースタイム:5h24min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:雪 気温:? 湿度:? 目的:ピークハント 単独行 486段程度の階段なんて、空身ならなんて事は無いのだが、10数キロの重量を背負っているとなると、やはり堪える。 中間点のベンチに腰を下ろそう、終了点のベンチで休もう、なんて気にこそなりもしないが、やはり年齢からくる体力の衰えか、堪えた。 誰もいない改札を潜り、待合室へと出た。其処には2パーティ、計9名の姿があった。 そして、そこで、ようやく、こここそが、テント村の開催地なのだと知ったのだった。 ロープウェイ乗り場も登山口も知らないボクは、自販機のジュースを飲みながら、どちらかのパーティに着いて行こうかと思って居た。 ボクはそれこそ、彼らはロープウェイの始発を待っているものだとばかり思って居たけれど、いつまで経っても動き出しそうな気配はなかった。もしかして帰りの電車を待っているだけでは無いのだろうかと思い至り、ひとり、多分上に上って行けばいいんだろうなって予想だけで、歩き始めていた。 遥か奥深くに線路は走っていたはずなのに、何故か踏切を渡り、其先へと進む。 そして其処に在る休業中のペンションだの、積雪に埋め尽くされた時間貸しの駐車場だのが、其先に在るであろう天神平の其先へと続く田尻尾根登山口や楽々とボクを高度1,319mまで運んでくれるであろう谷川岳ロープウェイの存在を匂わせて居た。 ロビーのお土産モノを散々冷かし、カウンターでチケットを買う。 田尻沢コースが閉鎖中なので往復券しか売っていないと云うが、登山者のボクにはまったく関係ない。 片道のチケットを買うと、出発したてのロープウェイに滑り込んだ。 「まだ間に合いますよ」係員に導かれるままに、ゴンドラへと滑り込む。 そこ

谷川岳厳冬期登山前編

日程:2014/12/29(日帰り) ルート:JR土合駅下りホーム0811 - 谷川岳ベースプラザ0850 - ロープウェイ - ビューテラスてんじん0913 - 熊穴沢避難小屋1018 - 天狗のトマリ場1027 - 天神のザンゲ岩1056 - RP1103 - 天神のザンゲ岩1112 - 天狗のトマリ場 - 熊穴沢避難小屋1130 - 田尻尾根1217 - 田尻尾根登山口1318 - JR土合駅改札1335 コースタイム:5h24min(休憩時間を含む) 距離:? 累積標高:? 天候:雪 気温:? 湿度:? 目的:ピークハント 単独行 iPodの電源を入れると6:34と表示された。 いつ寝たのか覚えていない。どうやって寝たのかさえも覚えていない。 ベンチの上には、安もんのウィスキーがわずかに残るペットボトルがキッチリと蓋を閉められたまま転がり、読みかけの週刊少年マガジンが伏せられ、行動食なはずのピーナッツかりんとうが8割方食い散らかされていた。 いつ潜り込んだのかも覚えていないシュラフよりにじり出て、朝食の用意をする。 湯が沸くまでの合間に、ウエットティッシュで汗を拭った。顔を拭き取ると痛みが走る。そっと指で触れるとコブが出来ている。もちろん、何処かにぶつけた記憶などまったくなかった。 パウチパックに移し入れたウィスキーを確かめる。空だった。一晩での飲酒。酎ハイ350ml、日本酒300ml、安もんのウィスキー750ml。 それは、スッカリ酒に弱くなったボクの記憶を消すには十分な量だった。 靴下の片方が見つからない。 何処をどう探しても、どうにも見つからなかった。多分、シュラフの中にある。以前、シュラフの中に家の鍵を残したまま畳み込み、危うく家の近所でツェルト泊を強いられる羽目になりそうだったボクが云うのだから、間違いない。(後日、予想通り、シュラフの中より発見されました。暑くて無意識のうちに脱ぎ捨てたのでしょう。なぜ片方だけ外に有ったのかは、未だ持って不明) それ以上探すのを止め、計481m、486段にも及ぶ試練の階段を登り始めた。 呑み:高崎 遭遇:単独行×1、バディ×2 BGM Fatboy Slim, Riva Starr & Beardyman - Eat Sleep Rave Re

谷川岳前夜

谷川岳前夜。 電車を乗り継ぎ、出合駅泊。 高崎で登利平の鳥めし松弁当(¥820)と谷川岳の名を冠した酒(¥398)を買い求め、水上へと向う電車の中で食した。 東京在住の会員より、駅のホームにテント村出来ますよ。トイレが一番暖かいんですけどね。えへへ。みたいなメールを貰っていたのだが、天気予報が伝える天候の悪さ故か、絶妙に微妙な日程故か、土合のホームに降り立ったのはボク独りだった。56人は余裕で寝られる待合室をボク一人占めだった。 ボクひとりしか降りなかった土合の駅舎で、タダひとつだけ取り残されたマガジン44号を捲りながら、ウィスキーを傾ける。 何処からか話し声が聞こえてきた。階段を誰か降りてきたのかな、って思う。そしていつの間にか、その声が途切れていた。途中の踊場かなんかで泊まるのだろう、と思い「日本一のモグラ駅」たる、その改札を抜ける迄に計481m、486段を登らなければならない試練の階段を覗きに行った。 そこには誰の姿もない。しかしいつの間にやら、ホームにスナック菓子の詰まった袋や、脱ぎ捨てられたジャンバーが置かれていたのだ。 世界一の遭難者を誇る谷川岳だから、奇妙な事も起きるのかもしれない。でもリアルにスナック菓子まであるのは行き過ぎな演出とでも云うべきで、恐怖感などまるで沸いて来やしなかった。 終電がホームへ滑りこんでくる。そのヘッドライトの先には、ジーンズに薄手の上着をまとった二人の青年の姿があった。 なんだ、ちゃんと下山した人がいるんじゃないか、と取り敢えずは安心する。そしてその終電からも、下車する人が居なかった事で、今日のテン泊はボクひとりボッチなんだな、って改めて認識した、午後九時少し前の出来事だった。 終電が去って程なくした頃、再び階段より声が響いてきた。先程は男二人の声だったが、今度は男と女の声だった。 終電を逃したのなら、泊りになるのだろう。 誰も居てないひとり泊は嫌だなって思って居たくせに、ひとり泊だなって諦めた瞬間から、そこに誰か知らない誰かが加わる事に嫌悪感を覚えるボクがいた。 来て欲しくないなって想いが募る。それを見透かすかの様に声は途絶えた。 覗きに行った階段には、誰の姿もなかった。 寺町のすぐ横で育ったボクは、そんな奇妙な出来事にも慣れっこだった。殆どは思い過ごし。思い過ごしでなくと